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『労働者階級の反乱 地べたから見た英国EU離脱』(著: ブレイディみかこ)
【内容】
イギリス在住で労働者階級の白人を夫に持つ著者が、イギリスの労働者階級についてを論述した本。
著者のイギリスでの経験や、著者の20年来の付き合いのある労働者階級の男性たちへのインタビュー、そしてイギリスの労働史について紹介などもされています。
【感想】
先日、『イスラム2.0』という現代のイスラム教徒について書かれた本を読んで、イスラム教徒のEU諸国への移民について書かれていたのを読んで、EU諸国に労働についても知りたくなり、この本を読んでみることにしたのですが…
実際に読んでみると、思っていたよりも重層的で、内容の濃い本でした。
今まで自分が抽象的にしか理解していなかったイギリスの労働者階級、及びイギリス社会というものに関しての知識だけではなく、その空気感のようなものまで、ギュギュッと詰め込まれていました。
現実のイギリスの労働者階級の親しくしている人々や移民へのインタビューなど、実際に長期間暮らしていないと出来ないようなものと、それを裏付けする資料の読み込み…
労働についてや社会の捉え方、政治のとの向き合い方などを考える上で、とても示唆的なことが書かれていると思いました。
これは社会人だけでなく、高校生や大学生なども読んでおくと良い本だとも感じました。
また、この本を読んでいるとその後の日本の派遣労働や自己責任論が、イギリスではかなり早い段階で行われるようになっていて、今後の日本の社会を見ていく上でも参考になる本だと感じました。
https://www.kobunsha.com/shelf/book/isbn/9784334043186
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