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質問092:サイドに振られた時のスプリットステップは?

 ごぶさたしております。
回答ありがとうございました。

次はスプリットステップについてです。

ストロークしているときですが、ややサイド(バックでもフォアでも)に振られて打つ場面を想定します。
当然サイドで打った後は急いで中央に戻らないといけません。
通常はサイドステップで戻ると思います。
それをしながらスプリットステップの踏み方ですが、相手が打った瞬間、サイドステップしながら意図的に小さくジャンプして着地の時股を広げるのがいいのか、それとも意図的にジャンプするのではなく、相手のインパクトに合わせて股を広めに開くのとどちらがいいでしょうか?
ちょっと迷っています。
動画でプロの試合見てると多めに股を開いているように見えます。
股を開くのは重心を落とすためだと思いますが。

回答


▶スプリットステップのプライオリティは「素早い始動のため」ではない

 
スプリットステップというと、「動き出しが素早くなるから行うものだ」と、多くの人が理解していると思います。
 
常識的なテニス指導では、100パーセント近く、そう教えられますからね。
 
それ以外の解説は、恐らくほとんどの人が、聞いたためしがないと思います。
 
しかしテニスゼロは、違う見解を示します。
 
スプリットステップは、始動が素早くなる以上に、相手とシンクロしてタイミングを計れるところに、眼目があります。
 
詳しくはこちらのシンクロ打法をご参照ください。

▶いきなり「ドン!」ではずっこける

 
シンクロの話とオーバーラップしますが、かけっこで、「ヨーイ、ドン」の、ヨーイがあるから、スタートのタイミングを計れます。
 
その効果を説いているのが『究極のテニス上達法』です。

いきなり「ドン!」では、ズッコケます(笑)。
 
だけどテニスでは、多くの人がインパクトだけでタイミングを計ろうとするから、難しくなっています。
 
毎打毎打、いきなり「ドン!」をやっているようなものですからね。
 
そりゃ、合いませんよ。
 
毎打毎打、ずっこけます。
 
「ヨーイ」の効果を説いているのが『究極のテニス上達法』です。
 
『究極』は、セルフトークをなくせる、だから集中できる、リズムに乗れる、タイミングを計れる、パワーアップにさえ寄与するなど、一石五鳥以上といえる、テニスに関するオールマイティです。

▶イチローの「振り子」、古田の「FUJIYAMA」

 
ご自身が、スプリットステップ(シンクロ)を行なえているのであれば、ステップの踏み方とタイミングは、人それぞれでよいと思います。
 
あまり詳しくありませんけれども、イチローは「振り子」だし、古田敦也はウエーブする「FUJIYAMA」シンクロだったと、ウィキペディアには記載があります。
 
さてスプリットステップの眼目として、「素早い始動」がプライオリティワンでない以上、ご質問にお応えすると、サイドステップしながらではなく、サイドに振られて自陣が空いてしまっても、基本的にはその場で一度ステイして、スプリットステップでよいでしょう。
 
もちろん、ご質問内容のような、

「ややサイド(バックでもフォアでも)に振られて打つ場面」

よりも広いオープンスペースが自陣にできてしまっている場合、ステイせず、素早く切り替えしてダーッと走り戻るケースも、状況に応じてあるかもしれません。
 
ですがその場合でもそうすると、意識が「今・ここ」ではなく、「オープンスペースを埋めなきゃ!」とばかりに「未来」に飛ぶので不安になり、結果的にボールに集中できず、たとえボールに追いついたとしても、ミスする危険性が高まる懸念がありそうです。

▶「しっくりくる」「安心できる」と感じるほうを、直感で選択

 タイミングは、私自身は相手がインパクトする瞬間に跳ぶのではなく、インパクトする瞬間に着地するシンクロになっています。
 
これは、自分はこのほうが、後述しますけれどもしっくり・安心して、タイミングを取りやすく感じるというのがその理由だと思います。
 
別のプレーヤーは、相手がインパクトする瞬間に跳ぶほうが、タイミングを取りやすいかもしれませんし、またほかのタイミングかもしれません。
 
どういうやり方がいいか、迷われているようであれば、論理的に「重心が落ちる」などはあまり考えずに、自分が「しっくりくる」「安心できる」と感じるほうを、直感で選択すれば間違いありません。

 

▶人間関係も頭でっかちだと痛い目に遭う


何となく「しっくりくる」というフィーリングがいちばんのサインというご説明はこちら
 
自分の感性よりも理屈優先で動いてしまうと、心身のバランスが乱れて、「頭でっかちのテニス」になりがちですから。
 
シンクロは、頭による思考ではなく、体(感覚)によるリズムで、相手と同調してタイミングを計ります。
 
それは先ほどのリンク先で述べているとおり人間関係でも、たとえば頭でっかちの「損得勘定」などで付き合う相手を選んだりすると、あとから痛い目に遭います。
 
そうなると本当に、テニスも人間関係も、泥沼です。
  

▶「心理的安全性」の狙い

 
もちろん適度なプレッシャーはゾーンを経験するうえで必要ですが、それとともにしっくり・安心していられる状況・環境のとき、人は心身ともに力を発揮しやすいのです。
 
企業が最近、「心理的安全性」に着目し始めたのは、この狙いのためでしょう。
 
「心理的安全性」は、「自分の意見や気持ちを安心して表現できる状況・環境」と定義されます。
 
逆に「これを言っていいのか?」「ヘンに思われるんじゃないか……」など不安・怖れがあるとき、私たちは自由闊達に振る舞えず、心身の力を存分に発揮することができません。
 
もちろん、こちらでも述べているとおり「必要な(役立つ)不安」もあるけれど、日本社会は「自分がどうありたいか」、よりも「人としてどうあるべきか」「他人にどう思われるか」といった強迫観念で縛られがちな文化ですから、「不要な不安」が絶えません。

▶急いで中央に戻らないと、いけないわけではない

 
それから、

「サイドで打った後は急いで中央に戻らないと」

いけないわけでは、必ずしもありません。

 
確かに「打ったら戻る」はラリーの基本として教わることが多いですけれども、上の映像では、必ずしもセンターマーク上にいるわけではない両者のポジショニングを確認できると思います。
 
自分の打ったコースと、対戦相手が打ち返してくるポジションに応じて、返球コースはある程度絞られます。
 
むしろ、サイドに振られたからといって急いで戻ろうとすると、下の映像のように逆を突かれる危険があるからご注意ください。


即効テニス上達のコツ TENNIS ZERO
(テニスゼロ)
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スポーツ教育にはびこる「フォーム指導」のあり方を是正し、「イメージ」と「集中力」を以ってドラマチックな上達を図る情報提供。従来のウェブ版を改め、最新の研究成果を大幅に加筆した「note版アップデートエディション」です 。https://twitter.com/tenniszero