テニス上達メモ447.「消去法としての生き方」、具体的に紹介します!
▶「しないことリスト」で人生が変わる
一昨日のメール回答の補足です。
消去法としての生き方というのは、「しないことリスト」に通じると思います。
一般的には To Do リスト、つまり「することリスト」を、人生でつけている人は多いでしょう。
それはそれで、優先順位と重要度で管理すれば、備忘録として機能します。
一方「しないことリスト」は、文字どおり、しないことを定めます。
つまり、メール回答で取り上げました「消去法」です。
▶集中力の質も量も高まる「しない生活」
しないことを定めると、大幅に時間が増えます。
また情報過多にならないので、心身が休まり、安らぎます。
テレビのニュースも、ネットの話題も、グルメリポートも、先輩の眉間にしわを寄せた表情も、私たちが五感を通じて受け取る内容はすべて「情報」です。
そして情報に接するたび、思考が生まれ、感情が揺れるから、自分でも気づかぬうちに心身ともに疲れるし、アっという間に時間も情報処理に費やされて奪われます。
そこで選択と集中。
しないことを定めたら、厳選した「すること」へ向かう集中力の質が高まります。
それとともにしないことを定めると、大幅に時間が増えると先述しましたけれども、そのぶん「すること」へ向かう集中力の量も費やせるのです。
▶ボールに集中する方法
テニスでいえば、フォームを意識しないし、数手先を考えないし、対戦相手を見ない(ボールを見ていたら対戦相手は引き寄せられてくる)から、つまり「しない」ことによって、ボールにグググーーーっと強く、長く、集中できるようになります。
逆に言えば、フォームや数手先や対戦相手は、五感を通じて入ってくる情報。
それらの情報処理を「する」から、ボールに集中できなくなるのです。
▶今に集中するために「しない」
顧みると、ネットサーフィンだの買い物だの陰口だの完成したヘビの絵に足を描き足すだの、あまりやる必要のない営みを、息抜きや気分転換の度を超えて「する」ために、私たちは今に向ける集中力も時間もムダにしているきらいがある。
「しないことリスト」は言い換えれば、トルコのことわざ「明日できることは今日しない」に通じるでしょう。
こう聞くと単なる先延ばしで、いかにも「怠惰」な印象でしょうか?
いえ、違います!
選択と集中で確認したとおり、明日できることは明日にしたほうが、「今しかできないこと」に今、集中できます。
日本では「明日やろうは馬鹿野郎」などと、揶揄されますけれども、明日にでもできることを今日しようとするから、優先順位と重要度がブレて定まらなくなるのです。
▶仏教は、「しないことリスト」の先駆け
奇しくも仏教が伝える五戒も、「〇〇せよ」ではなく、すべて「〇〇するな」ですね。
意訳すると、
1.嘘をつくな
2.盗むな
3.殺すな
4.浮気するな
5.依存するな
とあり、どれをとっても「しないこと」により、「苦しまずに済む」と説きます。
仏教は、「しないことリスト」の先駆けだったとは。
しないことを「する」というとただの言葉遊びですが、やろうと思えば基本的にはお金もかけずにタダでできる、「苦しまずに済む」精進。
▶「予定を入れない予定」を入れる
言葉遊びといえば、私は日常的に「予定を入れない予定」を入れます。
これも、「しないことリスト」を補強します。
グーグルカレンダーに「しない」と入れて、その日時には仕事も用事も入れないのです。
仕事や用事を頼まれそうになったら、「予定がある」といえば、確かに「しない予定」が組み込まれているため、嘘にはならず五戒を破戒せずにすみます。
▶自己肯定感の「基本」
自分を大切にして、自分の都合や気分や体調を優先するのは、自己肯定感の基本です。
人の顔色を見て振り回されずにすみます。
ところがつい、やってしまいがちなのではないでしょうか。
誘いを断る理由として「仕事があるから」とつく嘘を。
日本では「仕事」がなぜに、かくも万能免罪符になるのでしょうか?
欧米では残業を頼まれても、「今夜はワイフの誕生パーティーなんでね♪」の断る理由が受け入れられると聞きます。
▶自己肯定感の高まる「断り方」
それはさておき「仕事があるから」と嘘をつく心理背景には、何もないのに断ると、気分を損ねるに違いないと決めつける相手の寛容度を低く見積もったディスリスペクトが見え隠れしていそうです。
なので、本当は仕事も何もないけど、誘いを断る素直(素のまま真っ直ぐ)で、自己肯定感が高まる受け答えは、「誘ってくれたのはありがたいけど、今回は気分が乗らないからまたの機会に頼む」などではないでしょうか。
これを「わがまま」と感じるなら、恐らくそれは、今はまだ自己肯定感が低いと疑われます。
▶素顔にぶつけたほうが、好感触
「気分が乗らないから」
それをどう受け取るかは相手側に委ねるという点でもリスペクトを示す態度であり、人を変えようとする領域侵犯にもならないから、なおのこと自他ともに高め合うインタラクティブな肯定関係が築けていると言えます。
嫌な気持ちなのに、誘われたから仕方なく付き合うというのが、自他に対する最もリスペクトを欠いた姿勢だと思うのです。
それは形式的(フォーム)なつき合いであり、自他肯定的(本質的)ではないはずです。
断られた方も、「仕事があるから」などという見え透いた嘘ではなくて、素直(素のまま真っ直ぐ)に言ってくれる姿勢に好感を覚えると思うのですが、いかがでしょうか?
▶「気分が乗らない」理由で仕事は断れない?
もちろん仕事の依頼を断るなどで「気分が乗らない」とは言いづらい場合は、表現を変えてたとえば「前の失敗を引きずっていて落ち込んでいるから」などと言えれば十分でしょう。
私たちは機械ではなく人間ですから波があり、受けたくても今は受け入れ難いとすれば、落ち込んでいるのは本当の事情です。
▶「生きがい」は自己肯定感からの贈り物
そのような取り組みを通じて自己肯定感が回復すれば、世界は何も変わらなくても、自分の自分に対する感じ方が変われば、世界が一変するのは事実です。
コチラで述べたように自己否定していたから閉ざされていた才能も開花し、忌避していた仕事をするのが義務ではなく生きがいとなって、楽しくなるでしょう。
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