見出し画像

質問113.ボールを見ると、相手が見えない?

テニス以外が忙しくてなかなか練習できないままダブルスの試合に出て負けてしまいました↓
しかしボールに集中することができていたのか、練習ができていなかったにもかかわらずダブルフォルトやリターンミスなどの変なミスはありませんでした。
後はダブルスのセオリーを覚えること、組み立てかなと思いました。

ただボールに集中していると、相手が1人しか見えてないことがありました。
もう1人は存在さえも頭から消えてて、視界に入ってきてすごくビックリするんです。
これは私のボールの見方が悪いのでしょうか?

回答


▶相手が見えなくなると、「変なミス」がなくなる

相手が1人しか見えてないことがありました

これはテニスの上達にとって好ましい兆候です。

視界に入ってきてすごくビックリするんです

だけどそのぶん得られたのは、下記の効果。

ダブルフォルトやリターンミスなどの変なミスはありませんでした

▶テニスの試合は「ミス」で決まる


相手を見ると、確かに打つ前の安心感はある(と錯覚する)かもしれません。
 
だけどボールに対する集中力は落ちるのでどの道、自分のミスが増えます。
 
すると、「自滅の道」を突き進むことになります。
 
なぜならテニスの試合の総ポイントは、70~80パーセントが何かしらのミスが絡んで決まるアベレージだからです。
 
レベルによって割合の違いはあるにせよ、要するにネットミスかバックアウトのどちらかで、多くのポイントは決まっているというスタッツです。
 
テニスに限らず勝負事は、どんなにワンサイドゲームに見えたとしても、結果はどちらかの自滅

サービスエースやドロップショットによるウイナーなどは、皆無ではないけれど比較的少なめです。
 
そのため相手を見ると、打つ前の(偽りの)安心感はあったとしてもボールに対する集中力を犠牲にするので、結局はポイントの70~80パーセントを占めるミスの多くを、自身が請け負うことになりかねないという計算です。
 

▶「ノールックショット」でテニスは上手くいく


たとえば高く浮いて来たロブ処理などで、目線が上にあり、滞空時間も長いため、ボールだけを見ていると相手がどこへ移動しているかまったく見えないようなときは、相手の居場所に関わりなく有効打となりやすい「ネット際に沈むボール」を使ったりするのが得策です。
 
あるいは、目で見なくてもネットやラインの位置をイメージできる空間認知力がまだそこまで高まっていなければ、「無難にロブ返し」で様子を見るのも手かもしれません。
 
狙う先を見ずに打つ「ノールックショット」
 
ロブ処理に限らずテニスは、そのようにプレーすると上手くいきます。

相手が1人しか見えてないことがありました

 いえ1人も見えないプレーに改まるのが、今後の「伸びしろ」です。
 

▶相手のポジションは「分からないほうがいい」


とはいえ基本的には目が向いている方向の前へ向かってボールを飛ばす競技ですから、ボールに集中していても、相手の居場所は感じられる可能性のほうが高く、相手が忍者のように瞬間移動できるのでもない限り、おおよそのポジションは分かります。
 
いえ、分からなくても構いません。
 
分かろうとして相手を見ると、分かったところで、結局ミスの70~80パーセントを自分が請け負う割合になるからです。
 
むしろ相手のポジションは「分からないほうがいい」のです。
 
それがとりも直さず「集中力」と言い換えられます。
 

▶テニスが「怖くなる理由」


常識的なテニス指導では散々、相手の打つフォームから返球コースを予測してポジションを先取りし、自分が打ち返すときには相手のポジションをよく見て狙って打つように指導されます。
 
そんなことをするから「怖い」のです
 
「相手に捕まるんじゃないか」という恐怖と、ボールに集中できないから「入る確信が持てない」ので自信を持って打ち切ることができなくなる怖さがあるのです。
 
周りを気にする「人目」が、不安を煽るのです。

「予測」しなければ、あらゆるボールが「想定内」です。
 

▶ボールが止まって見える「ビックリ体験」

 
今までの見え方とはガラリと変わって、ボールがよりハッキリ、クッキリ見えるようになった副作用として、今回のような「ビックリ体験」が一時的に生じます。
 
何しろ今まで生まれてこの方、見てきた普通の見方とは、「逆」ですからね。
 
何が逆かというと、動いているボールと止まっている背景との主従関係が逆
 
今までは当然、止まっている背景の中で、ボールが高速移動していました。
 
ところが新しい見方では、今度は中心視野にボールがとどまって、背景が流れる見方に改まります。
 

▶相手のポジションは「分かってはいけない」


ボールの見方は間違ってはいません。

先述したように好ましい兆候なので、ぜひそのまま継続されてください。
 
そして集中感覚に慣れてくると、今まででは感じられなかったほどの余裕が生まれます。

ですからビックリ体験は「一時的」だと申しました。

相手のポジションがまったく分からなくても、全然気にしないし、怖くもなくなります。
 
むしろそちらのほうが安心します。

なぜかというと先述したのとは逆で、「相手に捕まるんじゃないか」という恐怖がなくなり、ボールに集中できるため「入る確信が持てる」ので、自信を持って打ち切ることができる安心感を覚えるからです。

相手のポジションは、「分かってはいけない」のです。
 

▶相手のポジションは「自分で」決められる

 
繰り返しになりますが逆に相手が見えてしまうと、「避けなきゃ」「打ち込まれるんじゃないか」などと気になり、ミスの70~80パーセントを請け負う割合になります。
 
どの道、自分が打ったコースへ相手は移動してくるから、相手のポジションは自分がコントロールできる感覚にすら改まってきます。
 
もし自分が打ったコースの先に相手が移動してこなければウイナーとなるから、今度は得点の20~30パーセントはご自身が請け負う割合になり、残りの70~80パーセントの失点は、相手のミスが請け負うというわけです。
 

もう1人は存在さえも頭から消えてて

ほぼ、パーフェクトです。


「ほぼ」と但し書きしましたけれども、下記に改まると、パーフェクトです。

相手もパートナーも、1人も見えていませんでした

即効テニス上達のコツ TENNIS ZERO
(テニスゼロ)
https://note.com/tenniszero

無料メール相談、お問合せ、ご意見、お悩み等は
こちらまで
tenniszero.note@gmail.com

スポーツ教育にはびこる「フォーム指導」のあり方を是正し、「イメージ」と「集中力」を以ってドラマチックな上達を図る情報提供。従来のウェブ版を改め、最新の研究成果を大幅に加筆した「note版アップデートエディション」です 。https://twitter.com/tenniszero