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質問005:ボレーの時、速い球がきたらビビってしまう
ボレーの時、速い球がきたらどうしてもビビっちゃいます。
回答
▶ビビるとボールは「余計に速く」感じられる
速いボールがきたら、どうしてビビるのかというと、体にぶつかると痛いからというよりも、やっぱりミスするのが怖いからビビるのですね。
そうして怖がると、ますます相手のボールが速く感じられるから、余計に怖くなってビビります。
▶ダブルス「ぼっち問題」はこうして起こる
たとえばジェットコースター。
怖いからといって目をつぶって乗ると、周りの景色が見えなくなって、余計に怖くなります。
ですから行く先がよく見えない東京ディズニーリゾートの暗闇を疾走する「スペースマウンテン」、あるいはユニバーサル・スタジオ・ジャパンの「バックドロップ」は、相対的により怖ろしく感じます。
お化け屋敷も暗闇で見えないから怖いのであって、白日のもとにさらしてしまえば、全然怖くなくなり、滑稽にすら見えます。
それと同じように、打たれるボールが速いからといって、目を逸らさないまでも、応じるのをためらったり、あまつさえ後衛のパートナーにまかせて避けようとばかりしていると、余計に速く感じて怖くなります。
ダブルス前衛でよくある、ひとりだけプレーに参加できない「ぼっち問題」は、こうして引き起こされます。
そしていざ、自分のほうへボールが飛んできたら、ビビっているからミスしがちです。
▶「ステップダウン」で飛躍する
逆にいえばボールをハッキリ、クッキリ見られるようになると、怖くなくなります。
ボールをハッキリ、クッキリ見るためには、『新・ボールの見方』が役立ちます。
添付の画像(ページ最上部)を参考に、目の前で人差し指をゆっくりと、左右に動かしてみてください。
欲をかいて「速い動きを見切ってやろう!」とすると、上手くいきません。
公文式のステップダウン。
上がるばかりが向上ではなく、一旦下がるステップダウンが、バネのような飛躍をもたらします。
なので、始めはゆっくりな動きからです。
▶ボールを止めて見る技術
さて普通に見るだけだと、人差し指が目の前で左右に振れ、動きの残像により、人差し指の輪郭がぼやけたり、カスレたりして見えたりすることがあると思います。
指が二重に見えたりすることもあるかもしれません。
だけどこの時、「指紋」を見ようとすると、指が視野の中心にとどまり、背景がその背後で動いているはず。
その背景はというと、非常にぼやけた見え方をしていて、その中心に指だけがクッキリと映し出された状態になっているのではないでしょうか。
ここでいう指の指紋は、テニスでいうボールの「回転」や「毛羽」。
つまり、その後者の見方を身につけることが、テニス上級者になるためのポイントです。
▶プロやテニス上級者の「ボールの見方」
同じように、指を前後(手前と奥)にも動かして試してみます。
普通に見るだけだと、指が動いて見えますが、指紋を見ようとすると、指にピントが合い、背景が「グラグラ揺れる」ように動いていることがわかると思います。
そしてひとたびこの見方を身につけると、もうボールだけが見えて、背景はぼんやりとしか見ることができません。
これが、プロやテニス上級者が、幼いころからの経験で身につけてきたボールの見方。
▶飛行物体と背景の主従関係を逆にする
今までの見方とは、「全然違う」と思います。
だから「新」と名づけました(プロや上級者にとっては「普通」)。
今までは、飛行物体があると、物体のほうが動くような見方をしていました。
これが一般的な見方だからです。
でも、視野の中心にとどめるように見れば、実は物体が止まり、背景が動くように見え出します。
飛行物体と背景の主従関係が逆転。
これが、テニス上級者の見方です。
知ってしまえば「何ということはない」のですけれども、テニスが上達しないプレーヤーは、いつまでたっても次の見方をしています。
▶ボールの見方でプレーは劇的に楽になる
1.プレー中、目の前の風景全体を広い範囲で見てしまう(ボールにフォーカスしようとしても、「ボール・背景・相手・背景・ボール」といったように、ボールに目のピントをとどめることができず、視線がボールと背景、あるいは相手との間を高速で行ったり来たりする)。
2.その結果、背景は止まっていて、その中でボールが高速飛行する見方をしている。
でも、上級者はこうです。
1.プレー中、つねにボールの「回転」や「毛羽」だけを見ている。
2.また、ボールを常に視野の中心にとどめて、背景が動く見方をしている。
その結果、集中力が高まるとボールがハッキリ見えたり、ゆっくりに見えたり、止まって見えたりするように感じられることがある。
あるいは遠近法に従い、相手コート側にあるボールは小さく映り、自コート側へ近づくにつれ、どんどん大きく映るサイズの変化を見て取ります。
今すぐ確かめたい場合は、先の人さし指を手前と奥に動かす見方をさらっていただければと思います。
指先の大きさが変化して映ると思います。
違いをぜひ、感じ取ってみてください。
新しい見方を取り入れるならば、ボールがよく見え始め、プレーは劇的にラクになり始めます。
▶ラケットを持たずにボールを「見送る」と
次に試していただきたいのが、「アタックの受け」という練習メニューです。
前衛(ボレーヤー)の反応を鍛えるために、至近距離から速いボールを打ってもらい、応じます。
速いボールを、避けるのではなく、手の届く範囲であれば、「体を張って止めるモード」にスイッチ。
そのような姿勢でいる精神状態だと、ビビりにくくなるはずです。
もし怖いようであれば、それは先述したように、体にぶつかると痛くて怖いというよりも、やはり速いボールに対してミスするのを怖れています。
この場合、試しにラケットを持たずにボレーのポジションに入って、飛んでくるボールを「見送る」体験をしてみてください。
するとラケットを持って打ち返そうとするよりも、実際のボールは速く感じにくくなり、よりハッキリ、クッキリ見えると思います。
打つ「意識」が外れるためです。
こちらの「ノーガード戦法」と同じ理由です。
▶会場のプロよりコート上のアマのほうが速いだって!?
プロの試合を試合会場やテレビで見ていると、ラリーが「さほど速いとは感じない…」のに、自分がコート上でプレーするとなると、アマチュア相手のボールなのに「すごく速い!」と感じた経験はないでしょうか?
それと同じで、ラケットを持たない状態の「客観視」ができるようになると、速く感じにくくなり、それによってビビらなくなる(ビビりようがなくなる)のです。
即効テニス上達のコツ TENNIS ZERO
(テニスゼロ)
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