テニス上達メモ017.「ミスするかもしれない」というネガティブな気持ちをなくすには?
サービスを打つ前、リターンの構えに入ったとき、あるいはスマッシュを打つ直前に、「ミスするかもしれない」とよぎる不安はありませんか?
普通、あります。
なぜなら、ショットがまだ不安定なプレーヤーは、そう思うことが自然だからです。
でも、「ミスするかもしれない」という気持ちが、スイングの萎縮を招き、消極的にさせて、現実のミスを生んでいます。
「ミスするかもしれない」と考えるのが自然なのだとしたら、強引にでもその思考を改めなければなりません。
そこでたいてい、「ミスのことは考えないようにしよう!」と努めるのですが、考えれば考えるほど、ミスについての思いは深まる悪循環にはまり込む。
「青い象のことだけは考えないで!」といえば、どうしても考えてしまうわけですね。
「ミスのことは考えないようにしよう」とするのではなく、注意を別の方へ向けると、上手くいきます。
たとえば、ただただ、ボールをよく見る。
人間は、一時にひとつのことにしか注意を向けられませんから、別の対象(ボール)に集中すれば、ミスの心配について考えられなくなり、実際にミスも少なくなります。
集中するとは言い換えれば、「考えない」ということです。
これは一般的な印象とは、「逆」かもしれません。
学生時代、何も考えずに「ボーっ」と空を見上げていたら、先生に「集中しろ!」と怒られた経験はないでしょうか?
いろいろ考えて頭を使うのが「集中」だと、勘違いしている証左です。
生徒は、雲の流れや形の変化に「集中」していたのです。
そのせいで、先生の声が聞こえなくなっていたのです。
生徒が悪いのではありません。
先生の退屈な授業がツマラナイのです。
集中すれば、ミスの心配について考えられなくなり、実際にミスも少なくなると先述しました。
とはいえ、集中力がまだ低いうちは、考えごとのほうへ引きずられがちです。
そのせいでボールがよく見えなくなる。
ぼんやりとは見えていても、ボールのケバや回転が認識できるほどの鮮明な見え方にはなりません。
集中力が高いプレーヤーほど、ボールを鮮明に視認しています。
集中力が高いプレーヤーほど考えずに済むというのが、いわゆる「無心」のプレーが生じるカラクリです。
私たちは24時間、四六時中、考え事をしています。
テニスに限った話ではありません。
「明日のプレゼンは失敗するかも…」
「あいつは裏切り者だ!」
でもそんなの、想像(妄想)でしかありません。
「今・ここ・この瞬間」の現実ではないはずです。
目の前に広がる現実の世界に目を向ければ、今日のプレゼンも、裏切り者のあいつも、どこにも見当たりません。
ノープロブレムじゃないですか!
ピーチクパーチク騒がしい思考こそ、私たちを苦悩させるストレスそのもの。
思考がなくなった目の前に映る世界には、頭の中の思考とは関係のない、大げさではなく「真実」が展開しています。
私たちは食事をしているときも、ひっきりなしに思考をしています。
それをやめて、口の中の味や食感に、グググーッと集中。
すると「冷ややっこって、こんなにも甘かったんだ!」などと、いまだかつてない美味しさレベルを味わえるので、少ない量でも薄味でも、満足感が増して、食べすぎを自然に防ぐこともできます。
逆に言えば考えている最中、私たちは「ほとんど味わえていない」のです。
考え事をしながら、次から次へと口の中へ放り込む。
拙著『集中力のトレーニングBOOK』では、「口の中に残っているのに、次のおかずへ箸が伸びたらアウト!」と、耳にタコができるくらい繰り返しました(笑)。
いわば、考え事と集中力との綱引きです。
考え事に引きずられて、集中力は地を這う無残な結果が常態化している現代人。
集中力を高めて、頭の考え事を黙らせてしまいさえすれば、テニスは上手くなるし、毎日の食事も美味しくなります!
即効テニス上達のコツ TENNIS ZERO
(テニスゼロ)
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スポーツ教育にはびこる「フォーム指導」のあり方を是正し、「イメージ」と「集中力」を以ってドラマチックな上達を図る情報提供。従来のウェブ版を改め、最新の研究成果を大幅に加筆した「note版アップデートエディション」です 。https://twitter.com/tenniszero