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シン・映画日記『天上の花』

新宿武蔵野館で東出昌大主演『天上の花』を見る。

詩人・三好達治が妻子がいながら福井県三国町でケイコと同棲生活を送るが、極貧生活、酒と暴力の果てに疲れ果てるケイコが次第に三好を遠ざけるようになる。


実話ベースの小説に萩原朔太郎や三好達治など実在の詩人が出るがその大半が三好達治のDV描写と逃げ惑うケイコの様子になる。

詩が多少売れても別れている妻子にお金を送るために食うものや着るものも事を欠く極貧生活からのイライラ、やけ酒、男尊女卑、そして暴力と見事なコンボを発動。


その後はほぼ反省からのより戻し、そしてまた新たなる負のループという昭和の戦中下のクズ男製造を描く。

しかも、そんなクズ男・三好達治を演じたのがリアルクズ男俳優・東出昌大で、彼が繰り出す数々のDV、というかケイコとのゲス不倫がなんとも生々しい。


が、時代考証からか、どんなに粗暴になっても言葉は常に丁寧語を崩さない。そこが『コンフィデンスマンJP』のボクちゃんとも被って、変な品の良さからDVの切れ味が鈍っている。それなら、多少時代考証無視してでも下品にさせるか、それかもっと上手い俳優にやってほしかった。

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