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シン・映画日記『スネークヘッド』

シネマート新宿で『スネークヘッド』を見てきた。

スネークヘッド…そのまま直訳で蛇頭だが、ズバリ、1990年代後半のニューヨークの港湾地区にあるチャイナタウンを根城にした蛇頭のコミュニティでのし上がろうとする主人公ツェと蛇頭を牛耳るゴッドマザーのダイ・マーのチャイナタウン興亡記を描いている。

表向きは餃子屋や配達業、タクシーの配車やアロワナの養殖などの合法ビジネスをやりながら、
裏で帳場の開帳や密輸、密売、密入国斡旋などいかにも蛇頭ビジネスみたいなことをやり、
ゴッドマザー的なダイ・マーを筆頭に
ムショ上がりの暴れん坊なダイ・マーの長男ランボーや餃子屋で働く黒人のザリーナなどがいるなかで、
ツェは生き別れの娘に会うために密入国し、ダイ・マーの組織に取り入り、危険で汚い仕事も嫌がらずに引き受け、ダイ・マーの信頼を得るようになる。
そんな中でランボーやランボーの彼女の嫉妬から嫌がらせを受け、内ゲバ的な揉め事を見せつつも
とにかく生き抜くツェ。

蛇頭のヤバさも若干ありながら、
チャイナタウンでのサバイバルが中心。
それでもダイ・マーのファミリーの裏の顔やランボーなどの武闘派のおかげで中国のヒューマンドラマというよりは、ジョニー・トー監督作品風の香港ノワール寄りの作りで、シネマート新宿で見るのにぴったり。
しかしながら、ダイ・マーのファミリーの様子はさながら蛇頭版『ゴッドファーザー』なんだけど、
娘を傍から見守るためにとにかく生き抜くツェの母は強し的な部分に重きを置いているので、キナ臭さはありながらも地味な印象。

序盤のツェの娘が拐われる下りをもう少し深くやってほしかったのと、中盤がいまいちすっきりしてないなど不満点はある。
それでもラストが決まったのでまあまあかな。

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