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【感想】現代の社会と家族の問題をポップかつ真摯に描いた「箱入り息子の恋」

笑って泣いて、ちょっとだけ痛々しいけどスカッとする作品!


星野源演じる、不器用でまっすぐすぎる几帳面(&童貞)男健太郎と、夏帆演じる、視覚障害を抱えつつも大切なものをしっかりと見ることができる奈穂子の、恋の物語。が、それだけじゃない。現代社会にはびこる家族問題を盛り込んだ、ヒューマンドラマ。

最初は、婚期を迎えた子どもの親が婚活をするってどうなん、と突っ込みながら鑑賞。
でも、見続けていくと、それぞれが抱える事情が見えてくる。障害。子離れできない母親。夫の力が強すぎる夫婦関係。「障害を持っている」を理由に子どもの自尊心を奪う父親。偏見。コミュ障。
親は子どものことを思って、親がいなくなった後も苦労なく生きていけるように様々なことをする。これだけ心配しているのだから、親は子どものことなら何でも知っていると思い込んでいる。でも実際は、子どもは子どもで、心配されすぎて身動きが取れなくなっていたり、親がなんでもやりすぎちゃって、自分の人生を謳歌できなくなっていたりする。

まだほとんど知らない相手に、自分の意思を聴いてもらい、その気持ちを代弁してもらえるということ。特に、普段から意思を尊重されない環境にいたら、それってものすごく心強い。
最近思う。結婚て、恋愛感情とか絡んでくるから面倒になるのであって、でもまずはその人に対する信頼があって、その信頼を拡張していく作業、それが結婚なんじゃないかなーって、結婚したこともないのに思う。だから全然説得力はないんだけど、でも、最初に自分のことを尊重し、味方をしてくれる人は、本当に大切にしたいし、信頼し続けたい。

二人が心をかよわせていくシーンは、本当に心が暖まる。
健太郎は人と目を合わせることが苦手だし、人と関わることだって苦手だ。でも、だからこそできる自然な気遣いとフォローだってある。そんな健太郎が、強すぎる奈穂子の父親に立ち向かっていくまっすぐすぎる姿と、子離れできない健太郎の母親の心情の変化はみどころ。最後は「もっと観たいなー」という気持ちにさせたまま駆け抜ける、ほっこりハッピーエンド。

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