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中3の僕に大学生の兄が寿司をおごってくれた時の、兄の意外な行動
もう30年ぐらい前の話です。
中3の3月、僕は第一志望の高校に合格しました。
奈良県の公立高校です。
兄の母校とおなじ高校でした。
すると、当時大学生だった5歳上の兄が、
「めでたいから、奮発して寿司おごったるわ!
大阪の回らん寿司やぞ。」
と言ってくれました。
兄としては、5歳下の弟が、自分の母校に行くということで、嬉しさが増したのでしょう。
「やから、梅田まで出てこい」
当時は、携帯電話なんてなかった時代です。
大阪の大学の近くで一人暮らしをしている兄から、実家に電話があったのかと思います。
僕は、喜んで梅田に行きました。
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当時の兄は
当時の兄は大学二年生。
19、20才です。
アルバイトはしていたと聞いていました。
でも、兄貴自身が大学で体育会系の部活に入っていました。
その部活に、何かとお金がかかったりしていたでしょう。
また、部活や授業で、そもそも時間が無かったりで、アルバイトで稼ぎまくっていた感じではありませんでした。
兄貴の一人暮らしの下宿に、僕は2回ほど行った記憶があります。
木造で、風呂なし、便所は共同の、家賃が2万円代のアパートだったと思います。
![](https://assets.st-note.com/img/1679882128601-MpGcvRAwNq.jpg?width=800)
当時、まだ中学生だった僕は、当然アルバイトをしたこともありません。
お金の価値や、寿司の値段なども、わかっているような、わかっていないような状況でした。
なので、何の遠慮もなく、梅田の回らない寿司屋の寿司を、兄貴におごってもらいに出かけました。
奢ってもらう日、兄貴が立ち寄った店
大阪の梅田で待ち合わせ。
夜に待ち合わせました。
待ち合わせ場所に兄貴が現れました。
ギリギリの時間まで、部活をやっていた雰囲気でした。
「こっちや」
兄貴と共に、東通り商店街に向かって歩き始めました。
当時の僕は、梅田なんて行ったことが無かったかもしれません。
奈良の田舎から出たことが、ほぼ無い状況でした。
ともかく、兄について行きました。
ある程度歩いたところで、兄が急に僕にこう言いました。
「ちょっとここで待っとけ」
寿司屋の前ではありませんでした。
兄は、僕を待たせて、一人で目の前にあったマクドナルドに入っていきました。
僕は梅田のマクドの前で、一人で5分か10分ぐらい待ちました。
兄がマクドから出てきました。
「何しとったん?」
と聞くと
「セット食っとったんや」
と教えてくれました。
僕は、内心、
「ええなぁ」
と思いました。
マクドなんて、当時、めったと食べてませんでした。
が、すぐに理由がわかりました。
細かくは覚えていませんが、兄が自ら理由を言ったのかもしれません。
「寿司は高いからな。お前は腹いっぱい食えよ」
こんなことを言っていたように思います。
寿司屋で
![](https://assets.st-note.com/img/1679885056596-lY7KLB3HEV.jpg?width=800)
寿司屋では、腹いっぱい食べた記憶はあります。
そして、兄は、直前でマクドでセットを食べてたぐらいなので、2、3貫つまんだぐらいだったかもしれません。
僕は、寿司を堪能しながらも、頭の中にはマクドがちらついていた記憶があります。
今になって思い出すのは
この歳になって思い出すのは、寿司屋の味や、その時の兄貴との会話ではありません。
あの時、マクドに入って行った兄貴の背中です。
中学生の僕にはわかりませんでしたが、当然今はわかります。
若干19才の兄貴が、頑張って弟に優しくしてくれたんやなということ。
あの日、僕が食べた寿司の値段は、兄貴の何日分のバイト代だったんでしょうか。
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#このお店が好きなわけ
こんな思い出があるので、僕にとっての忘れられない店は、梅田のマクドです。
梅田のマクドの前を通ると、ほんわか温かい気持ちになります。
他のマクドと違って、梅田のマクドが特別好きな理由です。
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