スマホとの距離感
column vol.1292
今やスマートフォンを見ている子どもは普通の風景になりましたが、世界各国では様々な制限を設けようとしています。
タイムリーな話題でいえば、スウェーデンで新たに掲げられた「スクリーンタイム目標」です。
〈TABI LABO / 2024年9月14日〉
つまり、スマホを見ている時間を減らそうというもの。
ことを前提とし、以下、このような時間目標が挙げられています。
ちなみに現在、同国の子ども・若者のスクリーンタイムは
とのこと。
この現状に対し、社会公衆衛生大臣は
と警鐘を鳴らしています。
フランスでも今年の5月、政府が
とする調査結果を発表。
同国では、一部の学校において携帯電話の使用が試験的に禁止されており、5万人もの児童がその対象となっています。
…しかし、こうした制限が効果的か否か…、非常に難しいところです…
兎にも角にも、まずはスマホがもたらす体への影響力を見てみたいと思います。
メンタルヘルスのリスクが2倍
アメリカの公衆衛生局のレポートによると、1日3時間以上をSNSに費やすと、うつ病や不安の症状を含むメンタルヘルス悪化のリスクが2倍になるそうです。
〈AMP / 2024年9月1日〉
逆に、大学生の若者を対象とした小規模なランダム化比較試験では、3週間にわたってSNSの使用を1日30分に制限すると、うつ病の重症度が大幅に改善。
特に、うつ病のベースラインレベルが高い人に効果があり、うつ病スコアが35%以上改善したそうです。
また、若者と成人を対象とした別の小規模なランダム化比較試験では、4週間にわたってSNSの使用をやめると、幸福感、生活満足度、うつ病、不安が、自助療法、グループトレーニング、個人療法などの心理的サポートの効果と比較して、約25~40%良くなったとのこと。
こうした影響力に対し、公衆衛生局長官は、SNSの運営企業に対し、健康への影響に関する全てのデータを科学者や一般の人々と共有することを義務付け、独立した安全性監査を許可するよう勧告しています。
ただ…、現時点で運営企業は対応していないという状況なのです…
それでも今後、欧米を中心にSNSに関する規制は、ますます強まっていくでしょう。
インスタでは「ティーンアカウント」を適用
ちなみに制限ということでいえば、Instagramが新たにユーザー登録する18歳未満のティーンには「ティーンアカウント」を適用。
〈CNET Japan / 2024年9月18日〉
ティーンアカウントでは、
といったような縛りが設けられています。
さらに既存のアカウントに対しても、アメリカ、イギリス、オーストラリアでは60日以内に、18歳未満のユーザーのアカウントの全てがティーンアカウントに移行します。
このように、企業側の自主規制も今後は増えていくでしょう。
スマホ断ちを支援する企業の挑戦
SNSだけではなく、スマホそのものの使用を制限する動きも広まってきています。
例えば、サンフランシスコのYondrというスタートアップが開発した「スマホ専用のポーチ」です。
〈Forbes JAPAN / 2024年9月5日〉
こちらのポーチは、端末を中に入れてボタンを押すと、専用のツールで磁気ロックを解除しない限り、スマホを取り出せなくなるというもの。
学校で授業を受けている間は使用できなくするなど、ニューヨーク市の公立中学校の3分の1以上で既に活用されているそうです。
テキサス州のリチャードソン高校でも歴史を教えるマーティン・ラッセル先生がその手応えを感じており
と話しております。
…とはいえ、ポーチの普及には、当然ながら反発する子どもたちもいるわけで…、さらには親の反対もあったりと、必ずしも順調ではないようです…
スマホは便利で楽しいものであるがゆえに、そしてスマホなしでは生活できない状態になっているがゆえに、なかなか控えることは難しいところ…
やはり、自然なカタチでほど良い距離感がとれることが理想と言えるでしょう。
スマホ断ちは“メダカ”にお任せ
そんな中、ユニークな視点でナチュラルにスマホ断ちしている方がいらっしゃいます。
その方とは、ジャイアンの声でお馴染みの声優、木村昴さん。
仕事から帰宅した後は、何とメダカを飼育することでスマホのことを忘れられるそうです。
〈マイナビニュース / 2024年9月11日〉
と、木村さんはその想いを話しており、ペットの力を借りるというのは、1つのヒントですね😊
ちなみに私の場合は、気休め程度かもしれませんが、寝る前に本を読むので一応、スマホ離れしている時間をつくれています。
皆さんも、ぜひスマホとの良き距離感を見つけていただけると幸いです。
本日も最後まで読んでいただき、誠にありがとうございました!