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「夢」の力

column vol.1209

…最近、「夢」という言葉が使いにくい…と感じるのは私だけでしょうか…?

当然、私の世代(アラフィフ)や上の世代の人に対してはもちろんのこと

若い人たちにですら夢を聞こうとすると、「えっ?夢って必要ですか…?」と返され、こちらが “地に足着いていないおじさん” だと思われてしまっています…(笑)

…私は、夢の中身は変われど、ずっと夢を持ち続けてきた人生だったので、時折、戸惑うことがあります…😅

しかし、改めて考えると、そもそも夢って何なんでしょう?

辞書を引くと、このように説明があります。

(1)将来実現させたいと思っている事柄。「政治家になるのが—だ」「少年のころの—がかなう」
(2)現実からはなれた空想や楽しい考え。「成功すれば億万長者も—ではない」「—多い少女」


夢は “ワクワク” のタネ

一般的なイメージ(2)の方が多いのですかね?

確かに、私も良い歳なので、現実離れするつもりはないです(笑)

ただ、(1)の夢「いくつになっても持ち続けた方が良いのかな?」と思っています。

「将来実現させたい事柄」は言い換えたら、目的・目標であり、別の言い方をすれば「理想の自分」

そうした夢を持っていた方が、未来にワクワクするし、今が楽しいと思うからです。

そんな中、「経産省J-Startup推薦委員」「文科省起業教育有識者委員会メンバー」などの肩書きを持つ、“起業”のスペシャリストである山川恭弘さん思考法に大変共感いたしました。

〈現代ビジネス / 2024年5月24日〉

起業家になるために必要なこと。それは一つには絞れません。しかし、「夢からはじめること」「ビジョンを持つこと」が不可欠です。技術や人材、組織、お金、それらは、後からついてきます。むしろ、邪魔になることさえあります。「儲かりそうだなぁ」と参画してくるメンバーは、少しうまくいかなくなると離れていきます。

夢やビジョンがあれば、人、技術、お金などはついてくる

でもお金を稼ぐことを目的にしてしまうと、続かないという話なのですが、実はこれって起業家だけではなく、全てのビジネスパーソンにとって通ずる話だと思うのです。

もちろん、生活のためにお金は必要ですし、それが前提にはなります。

ただ、ビジネスお客さんがいて初めて成り立ちますが、そのお客さん(BtoBならクライアント)に対して

私はお金のために働いています!

と言って、相手が「うわぁ〜ステキ〜!この人に付いていきたい〜」と思うか否か…?

同じく、仲間に対して話した時もそうです。

もっと言えば、大谷翔平選手藤井聡太さんは、どんな目的で働いているのでしょうか?

それは、ビジネスパーソンも同じで、経営者だけではなく、会社員であってもキラキラしている人は、大抵「理想の自分」「理想の未来」を持っている。

それがあるから、人が集まり、アドバイスも含めて技術が集まり、お金も集まっているのだと思うのです。

ですから、私の感覚としては、「才能がある人が夢を持つ」というよりも「夢がある人が才能を生かしきれている」という方が近い。

私は約50年の人生の中で、才能がない人なんて “いない” と確信しています。

ただ、ほとんどの人がその才能に気づいていないか、信じていないだけだと思っているのです。

“4人” のレンガ職人の話

山川さんの話の中で、もう1つご紹介したい話があります。

それは「4人のレンガ職人」の話です。

えっ!?3人じゃなくて???

と思った方、はい、正解です。

もともとは有名なイソップ童話「3人のレンガ職人」をベースにしています。

旅人3人のレンガ職人「何をしているのか」と尋ねる話です。

そこに、山川さんは1人加え、このように説明しております。

A「レンガを積んでいるんだ」
→その瞬間の作業としかとらえていない
B「壁をつくっているんだ」
→その次のステップ、途中経過に過ぎない
C「教会をつくっているんだ」
→最終形を把握しているが、その理由、目的にたどり着いていない
D「苦しんでいる人を救う場所をつくっているんだ」
→真の意義、パーパスを理解している

レンガ職人Dが、新たに加わった登場人物です。

私はこのDさんの設定の中にある「理解」について「共感」の面をより強調したいと思っています。

分かっているというよりも、共感している。

会社組織で考えると、Cさんのように「最終形」を把握している人は会社のパーパスについて、頭では分かっている可能性は高い。

でも、あくまでも「これが会社の方針だから…」と捉えている場合が多く、自分事化できているかどうか分かりません…

一方、Dさんが共感しているとしたら、そもそもDさん自身に「苦しんでいる人を救いたい」という夢があると思うのです。

会社の夢自分の夢一致している。

だから、私はここでレンガ積みを頑張っているのだ、と。

これは働く上で、大きなエネルギーを生みます。

山川さんは、もう1つNASAの事例を挙げていらっしゃいます。

似たようなエピソードは他にもあります。NASAで清掃員をしている人の話です。「あなたの仕事は何ですか?」と聞いたところ、「世界の真実を知る手助けをしているんだ」と答えたというのです。
いや、あなたは清掃員でしょう?といっても意味はありません。彼は、NASAの仕事を理解し、ビジョンを理解し、それを共有しています。そのうえで自分のミッションに邁進しているのです。

この清掃員の方も、NASAの夢と、ご本人が夢が一致していると思うのです。

夢を持つのが仕事になる

レンガ職人の話に戻りますと、「お金を貰う代わりにレンガを積む」のだと、AIロボットで自動化されれば、レンガを積む仕事は奪われてしまいます。

でも、「苦しんでいる人を救うこと」目的ならば、レンガの仕事がなくても他の仕事に就くこともできるでしょう。

つまり、レンガを積む仕事という目的は奪われても、苦しんでいる人を救いたいという目的は奪われない

よくこうした話になると、「でもAIが出てきちゃったら、どんな仕事も無くなっちゃうんじゃないの?」という話に及ぶことが多いのですが、もちろん、確かにそうかもしれません…(汗)

そして、そんな時代は全てが自動化されて生産されるから、ベーシックインカムが普及し、全ての人が労働から解放され、遊びが仕事になるという説もあります。

ただ一方で、遊び仕事があるから楽しいような気がしており、遊びだけの人生が本当に楽しいのかどうかは分かりません

とは「将来実現させたい事柄」というわけですが、それが「ゲームクリア」「マンガ全巻読破」「テーマパークで毎日遊ぶ」だったら、私は満たされないような気がします…

個人的には仕事がなくなる時代は、「遊びが仕事になる時代」というよりも「夢を持つことが仕事になる時代」という風に捉えています。

いや、この時の「仕事」は私事しごとという漢字の方が似合うかもしれません。

生きる意味、理想がある人生です。

冒頭で夢が人を惹きつけ、後からお金などが付いてくるという話をしましたが、お金が必要なくなっても、人との交流や共感の交換人間が社会性を求める生き物である限りは必要でしょう。

夢や理想が人の魅力をつくっていく

そしてイキイキとしたエネルギッシュな人生をつくっていく。

まさに夢こそ力。

もちろん、幸せならどんな人生でも素晴らしいと思います。

一方、私は “地に足着いていないおじさん” と思われても、夢を持ち続け、語れる自分でありたいと願っております(笑)

本日も最後まで読んでいただき、誠にありがとうございました。

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