「3Dプリンター」がビジネスを変える
vol.47
最近、「3Dプリンター」でつくられたある住宅が、ある層の方々から注目を集めているようです。
その住宅とは、スタートアップ企業「セレンディクス」が手がける「serendix」。
こちらに対して問い合わせが殺到しているのです。
現在、6000件の問い合わせを受けており、正式な契約書ではないのですが、1460棟分の「購入意向表明書」を取り付けているとのこと。
〈ENCOUNT / 2023年10月26日〉
ちなみに、最初のモデルが
この大きさと値段、そして「3Dプリンター」と聞いて、皆さん、どんなターゲットを想像するでしょうか?
恐らく、「若者」と考えた方が多かったのではないでしょうか?
まさしく正解で、実際、同社も「若者向け」に開発したとのこと。
しかし、発売以来、問い合わせの多くは60代の方々というのです。
それは、60代が老後の住環境を検討するステージにあることが理由。
現在の住まいをリフォームすると、1000万円以上かかってしまうというのが悩みの種…
そこで、「思い切って今の家を売って、郊外に3Dプリンター住宅を建てたい」と考える方が多いとのこと。
そして、今年の夏には2人で暮らせる50平方メートル・1LDK・550万円の「serendix50」も誕生。
益々、お客さんからの惹きが強くなっているのです。
結果的には大成功の同社の住宅ですが、マーケティング(ターゲッティング)としては…
…まぁ…外れてしまっているので…、深く考えたらゾクっとしますね…(汗)
一方、この記事を読んで1つの未来予測が頭に浮かびました。
それは、文部科学省の「2040年の未来予測」に書かれているテクノロジーの進化についての言及です。
どうやら2030年には
が社会実装されているであろうというのです。
こうなると、企業の商品開発は大きく変わっていくでしょう。
なぜなら、「マス的に商品を売る」ということから解放されるからです。
現状は、多くの人に売れないと採算が合わなくなります。
ですから、テストマーケティングも繰り返さないといけませんし、何より尖った商品は開発しづらい…
万人にウケる商品の方が好ましい場合が多いからです。
一方、大量生産並みのコストでカスタマイズ製品を製造できるならば、より大胆にビジネスを展開することができるようになります。
まずは小ロットで販売し、売れるようならば増産することもできるでしょう。
今回の「serendix10」のように、若者向けに打ち出して大人世代にウケたら、今まで以上に素早く商品の軌道修正をしていける。
予測不能なVUCA時代だからこそ、試してみないと分からないことも多いので、良い意味での失敗を繰り返せるこうしたテクノロジーの進化は、まさに望むところでしょう😊
今回の3Dプリンターの事例は、そんな未来の入口なのかな?と思いました。
3Dプリンターだけではなく、AIを始めとする技術革新による「カスタマイゼーション」の進化に注目したいとおもます。
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