「公式キャラ」って、難しい…
vol.58
「ヤン坊マー坊」が岐路に立っています。
〈産経新聞 / 2023年12月4日〉
ご存知の方も多いかもしれませんが、ヤンマーホールディングスが、マスコットキャラクターを刷新しようとしています。
A案〜C案まで3案考案し、今月7日まで一般の人気投票を実施。
最も票を集めた案が新デザインとして来年の1月にお披露目されるのです。
ご存知でない方もいらっしゃると思いますので、新しいデザインの候補はこちらとなります。
私のようなアラフィフの人間からすると、非常に “変わった感” を感じます…
特にC案なんかは、今回の記事を読まずにいきなり登場したら、ヤン坊マー坊であると認識できなかったと思うのです…
ちなみに、新デザインは何と9代目。
8代目までの変遷は以下の通りになります。
私が生まれたのは昭和51年。
ですので、生まれて初めてみたヤン坊マー坊は3代目になります。
4代目以降とは目の様子は違えど、言われなければ気づかないレベルの変化と言えます。
一方、今回の9代目は多くの方々から「大幅なイメージチェンジ」と捉えられているはずです。
実際、新デザイン案に対して
などといった「ショックの声」も広がっているそうです…
そうなのです、キャラは企業が思う以上に「みんなのもの」になっていることを今回の事例は教えてくれています。
ヤン坊マー坊よりも歴史の浅い「ドンペン」(ドン・キホーテの青いペンギンのキャラクター)でも、変更の方針を示した際、多くの方々から反対にあい、キャラ交代を撤回…
実は、私のクライアントの中にもキャラをやめた企業があるのですが、その際も、多くのクレームがあり、悩まされたそうです…
長らくマーケティングの仕事をしていると、さまざまなクライアントから「公式キャラクターをつくりたい」と相談を受けることがあるのですが、私はいつも慎重なスタンスを示しています。
キャラは愛されば愛されるほど、無形資産としての価値を持ちますが、…その分、公共性も生まれやすいということは認識しておきたいところです。
企業は生物なので、時代とともに、そして会社の方向性や状況の変化により、公式キャラクターのトーン&マナーが合わなくなる場合があります。
ですから、もしもキャラをつくりたい場合は、相当長期的な視点に立って考慮した方が良い…と、経験上、実感しております…
とはいえ、ヤン坊マー坊に関しては生まれ変わるわけですので、10年先、20年先から振り返った時、「あの時、変えて良かったね」と言えるような未来になると良いなと、誠に勝手ながらに思っています。
これから「公式キャラクターをつくりたい」と思っている方は、ぜひご参考にしていただけると幸いです😊
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