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小売業の「人材不足」を救うDX

column vol.800

3連休もあっという間に最終日。

明日から、また仕事が始まります。

ということもありまして、本日は私の専門分野である「小売業」についての話題をお届けしたいと思います。

小売業といえば「慢性的な人材不足」が課題になっていますが、テクノロジーの力を使い、各社解決を目指しています。

そんな業界各社の改革がとても分かりやすく解説している記事があったので、ご紹介させていただきます。

JDIR【人手不足の小売りの現場を「AIが救う!」】です。

〈JDIR / 2022年9月26日〉

AIが売れ残りを無くす

こちらの記事は、勤務シフト輸送発注などをAIの力を使って最適化していくというバックオフィス支援の観点で書かれているのですが、人員の穴埋めどころか、業務の質向上に大きく寄与していることが分かります。

例えば、イオンリテールが昨年7月に導入した「AIカカク」は、AIが適切な価格を決め、売れ残りを防止してくれます。

最適な価格を算出するために、気象情報カレンダー情報地域のイベント情報に加え、どの店舗で何時何分に売れたかを単品別に記録した販売データセール情報を基幹システムなどと連携して収集。

さらに、各商品がいくつ売り場に残っているかを入力すると、客数予測と、1000人来店した場合の購入数を示す「PI値」を活用し適切な割引率が分かるという仕組み。

店員が、ハンディ端末を総菜パックのバーコードに向けると、例えば「10%」などと最適な割引率が表示されるのです。

ポイントは、割引率が総菜の在庫数に応じて変わるということで、こうすることで閉店時間までに売り切ることを目指します。

同社は「AIカカク」を導入した店舗については、販売価格をどの程度変えたのかを示す「売変率」が2割ほど改善したとのこと。

ローソンでも店舗利益向上食品ロス削減を目的にAI活用に着手し、6月28日から9月下旬までの期間、都内162店舗「値引き実験」に取り組んだそうで、「AIによる最適価格の設定」に今後ますます期待が集まりそうです。

「無人の古着店」が話題に

人材不足解消の究極の形「無人店舗」になると思うのですが、古着屋でそれに挑戦している方がいらっしゃいます。

無人の古着専門店「セルフルギ」を運営するAVEND(アベンド)代表の南雲宏樹さんです。

〈繊研新聞 / 2022年10月7日〉

1号店東京・池袋に路面店で、2号店東京・昭島のSC、ザ・ビッグ昭島店にそれぞれ出店し、今後、直営フランチャイズで多店舗化を目指しています。

扱い商品はスポーツカジュアルを中心にレディス、メンズ、キッズを揃えております。

そして面白いのが、売れ残った商品は約2ヵ月経過した時点でNPO法人を通じて寄付しているそうです。

南雲さんはセルフルギを立ち上げた理由を

コロナ下で非対面・非接触で、安心して買い物をしてもらえることや、衣料品の廃棄削減などのサステイナブル(持続可能な)ファッションの実現、人件費を抑えるために無人店舗にする。

と語っております。

これまでの実績としては、昨年12月にオープンした1号店が「24時間365日営業」で、開店1ヵ月で黒字を達成しています。

そして2号店の役割は、「SC内でのチェーン化の可能性を探る」という事業拡大のための実験店舗という位置付けらしいのですが、熊本に開設したフランチャイズ1号店の状況もみながら、FC展開を全国に向けて本格化していこうとされています。

南雲さんは合理化されたビジネスモデル構築に自信を覗かせつつ、「目指すは衣服の廃棄ゼロ社会で、古着の仕入れルートを広げていきたい」と社会的意義を含んだセルフルギの展開に意欲を見せています。

今後の動向が楽しみですね。

ロボットも「リアクション」がカギ

最後は小売業の肝である「接客」の未来について考えさせられる記事で締め括りたいと思います。

対話の中で非常に大切なのが「リアクション」です。

相手の話の内容や感情に合わせて反応することでコミュニケーションは円滑なりますが、ロボットでもそれを実現する試みが進行しています。

〈NHK / 2022年9月28日〉

人の笑い声の特徴を分析して一緒に笑い声を出す機能を搭載した人型のロボット京都大学の研究グループが開発。

同グループは、高齢化社会が進む中、会話や感情を読み取れるロボットの実現を目指しています。

ロボットは、実際に人が交わした82の会話のデータを搭載し、人の笑い声を周波数などで判断

相手の声に同調する仕組みになっていて、声の大きさや特徴に応じてロボットが大きな笑い声や抑えたトーンの笑い声を出してくれるそうです。

最近Meta社が、新たなゴーグル型のVR端末について、表情の変化や目の動きを瞬時にアバターに反映する機能などを追加することを明らかにしましたが、やはりそれだけ「リアクション」が重要ということでしょう。

〈時事エクイティ / 2022年8月26日〉

こうしたリアクション技術が本格化した時、小売の世界でもロボット接客が一般化するのかもしれませんね。

テクノロジーの進化とどう共存していくのか?

進化に合わせたリテラシー向上も大切だなと思う今日この頃です。


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