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「高速移動」の未来

column vol.1199

今年3月にANAJALNEC成田空港で、ある実証実験を行いました。

それは、顔認証で搭乗手続きができる「Face Express」の利用登録を旅客のスマートフォンで行うというもの。

これが実装されれば、空港での手続きにおける所要時間を大幅に短縮できることになります😊

〈日本経済新聞 / 2024年5月10日〉

非常に楽しみなトピックなのですが、「時短」といえば、もう1つワクワクしているのが、超音速旅客機「オーバーチュア」の進捗です。

今月、AMPで記事になっていたので、こちらに共有させていただきます。

〈AMP / 2024年5月1日〉

今後、ますます期待が集まるであろう「空の高速移動」

〜ということで、本日はオーバーチュアを皮切りに、これから実現する夢の航空機技術をご紹介いたします。

ぜひ最後までお付き合いくださいませ。


マッハ1.7の超音速移動

まずはオーバーチュアについてお話ししたいと思います。

こちらは、アメリカの民間スタートアップ「ブーム・スーパーソニック」が開発する旅客機なのですが、その速度はマッハ1.7(時速約2,100キロメートル)。

これは、現在の大型旅客機の約2倍の速さとなり、

●ニューヨーク~ロンドン間が3.5時間
●東京~ホノルルが4時間
●シドニー~ロサンゼルスが8.5時間

で移動できると言われています。

計画が順調に進めば、2029年の商用化が見込まれており、すでに米ユナイテッド航空アメリカン航空が同機を発注。

JAL20機までの優先発注権を確保しています。

第1号機の乗客定員は65~80人

全席ビジネスクラスを予定しており、価格も現在のビジネスクラス程度のものになりそうです。

ちなみに、元祖超音速旅客機といえば、2003年まで就航していた「コンコルド(乗客定員100人)」が思い出されますが

ファーストクラス以上の値段で、ごく一部の富裕層しか利用できないという価格設定でした。

それに比べると、オーバーチュアの方が一般的に利用されていくでしょう。

コンコルドの時は莫大な燃料費で採算が合いませんでしたが、この辺りも改善。

しかも、サステイナブルな航空燃料(SAF)だけで作動するように設計されているので、まさに次世代航空機と言えるでしょう。

実用化が楽しみな話題の1つです😊

「宇宙経由」の高速移動

そして、航空ということで今、一番ホットな話題といえば「宇宙空間」を使った移動手段なのではないでしょうか?

P2P輸送に注目が集まっています。

P2P輸送とは、地球上の一点から別の点へ、宇宙を経由して移動するというもの。  

地球の片側からもう一方の側までロケットでピューンと飛ぶ

と考えると分かりやすいかもしれません。

地球の回転を利用して目的地に素早く到達するというわけです。

この先駆者の一人といえば、イーロン・マスクさんでしょう。

スペースXは100人乗りのスペース・プレーン「ビッグファルコンロケット」を開発。

同社によると、従来は15時間かかっていたニューヨーク・上海間の航空機によるフライトを、約39分に短縮できると表明しています。

また、日本でも、IHIの子会社「IHIエアロスペース」が、ロケットとジェットエンジンを併用する無人機の飛行実験を、北海道大樹町の海上で実施しました。

〈日本経済新聞 / 2024年2月8日〉

実験を成功しなかったものの、次なる一歩になるでしょう。

ちなみに同社では、P2P輸送などで使える機体の開発文部科学省の計画に沿って、40年以降の事業化を見込んでいます。

こちらも今後の展開が楽しみですね😊

再使用型ロケット開発への一歩

P2P輸送といえば、エンジンが要になりますが、日本のスタートアップ企業とアメリカの企業の協力も見られます。

将来宇宙輸送システムは、米ロケットエンジン開発企業「Ursa Major Technologies社(UM)」と協業し、再使用型ロケット「ASCA-1(アスカ-ワン)」を開発すると発表。

2028年頃実用化を目指し、段階的に有人宇宙飛行に挑戦する開発ロードマップを策定しているのです。

〈電波新聞 / 2024年4月5日〉

開発ロードマップでは、ASCA-1シリーズでは100キログラム級の人工衛星打ち上げサービスを28年頃までに実現。

32年まではP2P輸送を可能にする高性能化、超軽量化した「ASCA-2」シリーズを開発します。

そして40年までに、高頻度・大量・安価な利用が可能な単段式往還型宇宙輸送システム「ASCA-3」の開発を目指しているのです。

再使用型ロケットの開発に向けて、日米ロケット開発ベンチャー同士が連携する試みは同プロジェクトが日本初

今回のパートナーシップを通じて、UMが製造販売するロケットエンジン「HADLEY(ハドレー)」を購入

今後はアメリカ国内で飛行実証実験に取り組み、実証を通じて得られたデータの共有を通じたエンジンの改良など、日米ロケット開発ベンチャー同士が連携して宇宙産業をさらに発展させていく方針を示しています。

こちらも次なる展開が非常に楽しみですね😊

〜ということで、本日は超高速航空について、お話しさせていただきました。

航空業界全体の需要については、長期的な成長を予想する向きが強く、IATA(国際航空運送協会)は2023年12月のレポートで、2024年の旅客輸送量(旅客キロ:RPK)が前年比で40%増加し、パンデミック以前の水準まで回復すると予想。

2040年までにRPKは倍増するとの見通しを示しています。

また、国際空港評議会も2024年2月のレポートで、世界の総旅客輸送量が2042年に200億人近くに達し、2024年から倍増すると予想しているのです。

高速移動になることで、ビジネスや旅行が圧倒的に変わるでしょうね。

老後はゆっくり海外旅行をしたいと思っていましたが、長旅に耐えられるのかと心配なところもありました。

そうした、懸念も航空テクノロジーの進化によって、晴れそうです。

未来が非常に楽しみになる。

そんな期待が膨らむ今日この頃です😊


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