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“3番目”の人を意識する

column vol.1235

「仕事の悩みの8割は人間関係」と言われていますが、逆に人間関係を豊かなものにできれば仕事は8割も楽しくなるわけです。

…しかし、世の中そんなに上手くはいかない…

だからこそ、みんな「コミュニケーション」やら「心理学」やら「リーダーシップ」などなど、様々な本やセミナーから学ぶわけです。

…それでも永遠の課題とも呼べる人間関係ですが、個人的に最近、大切にしている考えがあります。

それは、“3番目” の人を意識することです。

嫌いな人がいるから得をする

3番目とは何なのか?

それは誰かとの関係で嫌なことがあった場合は、自分その人2人だけの関係で見ないということです。

例えば、ワガママな人あなたを困らせたとします。

どんな気持ちになるでしょうか?

腹が立つと答えたあなた!

私も同感です…(笑)

もちろん腹は立つし、今後もされたら嫌なのだけど、こう思うようにしています。

まぁ…、こういうワガママな人がいるから、自分の株が上がっている部分もある。

そうなのです、ワガママな人自分にだけそうした態度をとっているわけではない

他の人にも迷惑をかけている可能性が高いわけです。

仮に自分にだけワガママな人がいても、周りの人がそれを見たらどうでしょう?

恐らく、「この人とは当たり障りなく付き合おう」と思う人は多いのではないでしょうか。

『武器としての土着思考』の著者で、人文系私設図書館「ルチャ・リブロ」主催者の青木真兵さんは、「プロレス的思考」という言葉で、このように仰っております。

相手がいるからこそ僕たちは闘うことができる。相手がいるからこそ僕たちは生きていくことができる。この考え方こそ、巷で「茶番」の比喩として使われるのとは全く異なる、本当の意味での「プロレス的思考」です。馬場がいたから猪木があった。長州藤波小林佐山山田佐野棚橋中邑も同様でしょう。決して二人ではなく、武藤、橋本、蝶野などといった三人の場合もあるかもしれない」

プロレスは闘う相手があるからこそ成り立つ

つまり、二人一組(時に複数人)の物語を観客(第三者)は見ているわけです。

プロレスを知らない方にも分かるように説明すると、悪役レスラーがいるからこそヒーローが際立つ

翻って、人生も悪役がいてこそなのではないでしょうか😊

“介して”心を掴む

「3人目を意識する」というのは人間関係のトラブルだけはありません。

誰かの心を掴む時も同じです。

『超効率的に結果を出す テレアポ&リモート営業の基本』の著者であり、らしさラボ代表の伊庭正康さん

「御社の○○さんから教えていただいたのですが…」

という言葉は「魔法のフレーズ」だと仰っています。

〈PRESIDENT Online / 2024年6月14日〉

伊庭さんは

「先日、**営業所の**さんから教えていただいたのですが……」
「え、そうなの?」
という会話をできるようにしてみてください。
現場のことに関心のないキーマンはいません。やらない手はないでしょう。

という風に語っていらっしゃるのですが、自社の様々な人に目を向け、耳を傾けている協力会社さんの言葉は貴重なわけです。

他にも、私の知り合いからこんな話を聞いたことがあります。

家族ぐるみでお付き合いしている夫婦がいて誕生日には贈り物を贈り合っているそうなのですが、

旦那さんが全く欲しいものがなくいつも困っていたそうです。

そこで、知り合いの夫婦が考えたのは旦那さんではなく奥さんが喜ぶものをあげるようにしたとのこと。

すると、旦那さんは喜んでくれたそうです。

奥さんが喜んでいる姿が嬉しい

…もちろん、吉と出るか凶と出るかは夫婦関係次第なので一概には言えませんが、3番目の人を意識するという一例としては受け止めていただけるのではないでしょうか〜

わらしべ長者が教えてくれること

今回の話の総決算として最後に語りたいのが「わらしべ長者」の話です。

えっ…??……。何か唐突…

…と思った方…、もう少々お付き合いくださいませ🙇🏻

この物語は主人公が観音様に「幸福を授けてください」とお願いすることから始まります。

するとお堂の中から観音様が出てきて「このお堂を出て最初に拾ったものを大切にしなさい」と告げられ、主人公がお堂を出て1本のわらを拾います。

それが

わら→みかん→反物→馬

と、より主人公にとって喜ばしいものに交換でき、最後は「屋敷」を手に入れて幸せになる

この物語について、『最高の未来に変える 振り返りノート習慣』の著者で、株式会社ダイジョーブ代表取締役の山田智恵さんは、このように仰っております。

「わらしべ長者」の主人公の旅のはじまりは、「1本のわらを拾う」ことでした。道端に落ちている1本のわらなんて、ゴミみたいなものです。拾ったときには、「ただのわら」にしか見えなくて当然でしょう。でも、最後にお屋敷までつながると、1本のわらが、最初に大事なきっかけを作ってくれていたのだということがわかり、「あれは、ただのわらではなく、黄金のわらだったのか!」と見方が変わります。つながった先を見ることで、「1本のわら」に潜んでいた価値がはじめて見えてくるのです。

〈東洋経済オンライン / 2024年6月6日〉

抜粋した部分は「モノ」にフォーカスしていますが、これは「ヒト」にも当てはまります。

欲しいものが違う人がいるから、わらは屋敷に化たとも言えます。

欲しいものを価値観に変換してみると、まさに会社の人間関係に通ずるものがあるでしょう。

つまり、それぞれが違うから活かし合える

そしてもう1つ、わらはいきなり屋敷になったわけではありません。

その間に3人の人がいたからゴールに辿り着けたわけです。

でも、人間は近々のことを覚えているものの、それ以前の人のことはついつい忘れてしまう

サッカーでいえば、ゴールを決めた人アシストした人に注目がいき、攻撃の起点になった人を忘れてしまうのと同じです。

屋敷と交換してくれた人馬と交換してくれた人、その先の3番目以降の人に対しても感謝の念を忘れないことが本当は大事なわけです。

考えてみると、人は生まれてから星の数ほどの人と出会っていますが、結構多くの人を忘れています

けど、出会った全ての人がいたから今の自分がある

究極的には、その全ての人たちが感謝の対象になるわけです。

…いやいや、それは大袈裟ですが…、それでも今付き合っている人これから出会う人、そうした今と未来の付き合いについては一つ一つ感謝してみても良いかもしれません。

感謝する人は愛される人

色々な人と出会ってきましたが、今のところの私の肌感覚です。

もしかしたら、人間関係が少し豊かになるかもしれませんよ😊

〜ということで、本日は【“3番目”の人を意識する】と題して、少しでも人間関係が豊かになるようなヒントをお届けさせていただきました。

何か感じるものがあったとしたら、嬉しいです!

本日も最後まで読んでいただき、誠にありがとうございました🙇🏻

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