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人生を変える「自由研究」

column vol.1264

金曜日夏休みをいただき、今日まで4連休でした。

まだ夏休みは残っているのですが、恐らくまとまった休みは今回が最後

私の夏が終わろうとしています…(笑)

夏休み最後の日ということで思い出すのが、小学校の「夏休みの宿題」

いつも8月31日は絶望感が漂っていました…

そんな夏休みの宿題が今、時代の曲がり角に立っています。

今日はそんな新しい兆しと、そこから生まれる光についてお話ししたいと思います😊


「夏休みの宿題」全廃のワケ

7月現役小学校教員によるものとみられるXのポスト3500回以上リツイートされ、話題になりました。

そのポストとは

「私の勤務校、今年から、働き方改革のため夏休みの宿題なしになりました! 夏休み帳も感想文も作品募集もなし! その他細々したものもなし! 自学したい人はしてきてください、という感じ」

という喜びの声。

〈AERA.dot / 2024年7月31日〉

この投稿には

「勉強する子としない子の学力に差が出るのでは?」

という否定的なご意見

やらされてやる勉強は身に付かない

という擁護のご意見など、SNS上では賛否両論が飛び交ったのです。

「学力」ということでいえば、現在小学生の子がいる当社の社員たちの意見を聞くと、皆「いずれにせよ塾に通わないと取り残されてしまう…」という厳しい現状を憂いています…(汗)

また、変化の激しい時代という認識もあり、今年から「夏休みの宿題」の抜本的改革を始めた名古屋市立如意小学校大西健一校長

「全員一律で課される宿題に取り組むことも、ある程度学力が伸びたり、決めたことを最後まで取り組む力が身についたりと、一定の効果はあるでしょう。ただ、名古屋市も『自律して学び続ける子ども』という教育方針を示しているとおり、小学校、中学校、高校……と長いスパンで学習意欲を育てることを目指しているので、小学校の段階で学力面の成果にこだわる必要はないと思っています。また、社会の常識や情勢が1分単位で変わる今、小さいころから状況に応じた調整力や決断力を養う必要があるという実感もあります」

とコメント。

より子どもたち自主性計画性変化対応力を育むため、自ら勉強の計画を立てていくカタチに改革していきました。

具体的な内容としては、夏休み前、子どもたちは担任のアドバイスを受けながら

●音読
●鍵盤ハーモニカの練習
●朝顔の観察

といった具合に、思い思いの学習予定を書き込む。

そして休み中は、進捗状況を保護者がチェックしたり、タブレット端末を通じて担任が確認したりと、周囲の大人が見守る態勢を整えたのです。

自由研究の人気テーマとは?

先ほど、当社社員の意見が示しているように、夏休みは塾で忙しい子どもたちが多く、学校はそうした状況に配慮するケースが多いようです。

学力を伸ばす勉強は塾でしてもらい、自主的な勉強を学校が促す。

そうした中で「塾に通えない」「学びに遅れが見える」という子に対しては、個別にフォローしていくといった流れです。

ですから「自由研究」だけ、という学校も多いとのこと。

この子どもの教育ということでいえば、なかなか夏休みの宿題だけで論じることは難しいでしょう。

ただ、いずれにせよ、より主体的に人生を切り拓いていくためのアクティブラーニングが必要になっていく。

その一端が「自由研究だけ残る」という話につながっているわけです。

ちなみに今、どんなテーマが人気なのでしょうか?

国内最大級の子どもとお出かけ情報サイト「いこーよ」を運営するアクトインディ株式会社が実施した「2024年夏休み自由研究調査」によると

調査期間は2024年7月15日~25日、サンプル数は349サンプル

最も人気があるのは「工作・ものづくり」

全体の約半数の約44%を占める結果となりました。

〈ReseMom. / 2024年8月7日〉

その次が「生き物(動物、昆虫、植物など)の観察」17%

そして「絵を描く、造形などアート」13%が続きます。

ちなみに、研究の進め方としては

●「本やインターネットでの調べ物」…45%
●「自分で道具を用意したり身の回りにあるもので自由研究をする」…36%

が上位に。

興味があることを調べたり、身近にあるものを自由研究につなげている子どもが多いと言えます。

また、

●「自由研究になるようなイベント、体験などに参加する」…30%

と多いのですが、このイベントを通じて、歴史的な快挙も生まれているのです。

自由研究から世界的発見へ

今年2月、ニホンオオカミの剥製標本が発見されたと科学論文で発表されたのですが、これは世界で6体目という快挙。

この発見を導いたのは、何と中学2年生の小森日菜子さん

保管されていた剥製標本を「ニホンオオカミだ」と気づいたのは小学4年生の時だったのです…(驚)

〈Yahoo!ニュース / 2024年8月11日〉

2020年11月3日、つくば市で開催された科博の自然史標本棟見学ツアーに参加した日菜子さんは、7階の標本室の棚の下段にひっそりと置かれた一体の剥製標本に目を止めます。

そこで

「…アレ?、これ、ひょっとしてニホンオオカミ…?」

と思ったのです。

日菜子さんは3歳の頃絶滅動物を紹介する動画を見たことで、絶滅動物に心を奪われ、それ以来、絶滅動物の図鑑『絶滅動物 調査ファイル』などで自主的に勉強してきたのですが、中でもニホンオオカミが大好きとのこと。

恋焦がれたニホンオオカミ

そこで直感が働いたわけです。

そして、小学5年生の夏に、自由研究作品のレポートとしてまとめたところ、図書館振興財団が主催する「図書館を使った調べる学習コンクール」文部科学大臣賞を受賞。

さらに、2人の研究者と共同16ページに及ぶ論文を執筆したのです。

そして専門家の査読を経て、今年2月に研究論文集に掲載

世界的な発見が世の中に知れ渡りました

ちなみに、日菜子さんのお父さん

「3歳の頃から、誰に言われるでもなく、ずっと好きでやっていました。これは彼女の趣味になると思いました。絶滅動物などに関連して行きたい場所があったら、夏休みなどに予定を組んで連れていきました」

と仰っているのですが、まさにアクティブラーニングの極みですね😊

他にも、茨城県つくば市中学3年生岩本和真さんが自由研究を通して、カブトムシのオスのフェロモンの存在や、夜行性とは限らない事例など新発見を生み出しましたが、

きっかけとなったのは、小学4年生の時、つくば市が企画したオンラインの自由研究イベントに参加したこと

〈日本経済新聞 / 2024年8月10日〉

知的好奇心を育むと、人はどんな高みにも上っていける。

そんな希望を感じますね😊

私も必要に駆られて、40代の今が人生で一番勉強していますが、この年になっても自分が想像している以上の自分に近づけていると感じております。

子どもたちの自主的に学ぶ心を育む大切さを感じつつ、人生いくつになっても学習によって人生を変えられるという期待を抱きながら、生涯アクティブラーニングを心がけていきたいと思う今日この頃です。

本日も最後まで読んでいただき、ありがとうございました!

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