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「イマーシブ」が市場活性のカギに?

column vol.1044

最近ちょっと忙しかったこともあり、6月が今週で終わることに今気づきました、、、(汗)

ヤバい、ヤバい、1年がもう半分終わろうとしています…(汗)

いやいや、そんな切ないことを考えるのはやめて、「そろそろ夏休み!」と明るく7月を迎えたいと思います…!

夏休みの話題といえば最近、小学校高学年の子どもたち対象の興味深いプログラムを知りました。

それは「きんてつ駅のお仕事体験2日間 in大和上市駅」です。

〈ITmediaビジネスONLINE / 2023年6月14日〉

こちらは小学4~6年生を対象にした1泊2日の職業体験

「イマーシブ」がキーワードです。

実はこのイマーシブがマーケティング業界ではカギを握っていると言われています。

そこで本日はこちらをテーマに最新のトピックスをご紹介させていただきます。

「没入型」の就労体験に目がキラリ

ちなみにイマーシブとは「没入感」

例えばマンガなど、まるでその世界に飛び込んだような体験をすることです。

今回近鉄が行ったのは、まさにそんな就労体験

2日間をかけて一日駅長の任命辞令式や、改札業務・列車監視などを体験します。

そして、極め付けが夜の仮眠体験

これは駅舎の仮眠室で睡眠をとるというもの。

就寝は午前0時

起床は午前4時30分頃…という小学校高学年の子どもには少しハードな体験が用意されているのです…(驚)

もちろん、基本的には旅行商品として企画されているものなので、プログラムとして任務(体験)以外の時間は自由行動。 

駅周辺を観光したり、食事や入浴したりと自由に過ごしてもらう想定をしているそうです。

それでも仮眠というハードな体験を入れた理由について、近鉄は

実際の駅員の動きを忠実に再現するため、最終列車の見送り始発列車の監視を計画した

と語っており、そうしたリアルを味わうことで子どもに対して鉄道業に愛着を持って欲しいと願っています。

もちろん、子どもたちの体調面を丁寧に観察した上で、無理のない範囲で実施するそうです。

あくまでも私個人が「自分が子どもだったら」と想像すると、「本当の駅員」になる感覚で非常にワクワクするだろうなと感じました。

ただ、7月29~30日と8月19~20日の2回実施するのですが、1日1組限定(保護者を含め4名まで)ということで当然ながら定員に達し受付は終了

…ということで、次からは今からでも楽しめるイマーシブ体験をご紹介させていただきます…!

名画に没入!イマーシブ美術館

最初は、福岡で開催中の「Immersive Museum FUKUOKA」です。

〈Immersive Museum FUKUOKA / Webサイト〉

こちらはNHK WEBでも取り上げられています。

〈NHK WEB /2023年6月16日〉

エンタメ型商業施設「BOSS E・ZO FUKUOKA」内で行われている催しなのですが、プロジェクションマッピングなどを使って、名画に没入する体験を楽しんでもらおうという企画。

こんな感じの世界観です。

NHK WEB

ここでは印象派を代表する画家で、フランスの巨匠、クロード・モネ「睡蓮」など、約80点の作品の映像が、音楽照明とともに壁や床一面に映し出されます

訪れた人たちはあたかも絵の中に入り込んだような体験ができ、写真を撮ったり、クッションに座って友人とゆっくり話したりしながら映像を楽しめるのです。

普段美術館に行くことのない方も、イマーシブ体験ということで興味が出て足を運んでいるパターンもあるそうです。

最初は不思議体験から入って、そこから美術を好きになっていく

アートの間口を広げる一助になっていることが分かりますね。

劇の登場人物に!イマーシブレストラン

NHK WEBの記事では、他にも西武遊園地「没入型ドラマティック・レストラン~豪華列車はミステリーを乗せて~」についても取り上げておりました。

これは、食堂車を再現したレストランで食事を楽しんでいると、店内が1つの舞台となり、ミステリー劇が始まるというもの。

しかも、単に鑑賞するだけではなく、自分が登場人物の1人としてその劇に巻き込まれてしまうのです。

名探偵たちと一緒に殺人事件を解明する。

突然、登場人物にこのように話しかけられることもあるのです。

NHK WEB

こうした体験型の演劇は「イマーシブ・シアター」と呼ばれ、アメリカ・ニューヨークのブロードウェイを始め、海外で人気が高まっています。

同遊園地としては、こうした演出を新たな集客の手段として活用したいと考えているのです。

そして遊園地といえば、あの人気作品のイマーシブ体験施設が今月ついに開業いたしましたね。

超人気作品の世界へ!イマーシブ映画施設

そうです!

「ハリー・ポッター」シリーズの世界を体感できるエンターテインメント施設「ワーナーブラザーススタジオツアー東京-メイキング・オブ・ハリー・ポッター」です。

〈産経新聞 /2023年6月16日〉

場所は東京練馬区

そうです、「としまえん」の跡地に出来ました。

●9と4分の3番線に停車するホグワーツ特急
●ホグワーツ魔法魔術学校の大広間や魔法省

などがリアリティをもって再現されております😊

もちろん、ただただその世界に浸るだけではなく、魔法のほうきに乗れたり、魔法界の飲み物「バタービール」を味わうなど、お試し体験もあります。

さらに、魔法動物の解説などもあり、制作の舞台裏を知ることができるので、ファンにはたまらないことでしょう。

他にも、さまざまなイマーシブ体験がこの夏、目白押しです。

金沢工業大学虎ノ門大学院の北谷賢司教授は「イマーシブを始めとしたこの数年間の技術的な進歩がエンターテインメント業界に大きな影響を与えている。産業規模は今後拡大していくだろう」と話しています。

その上で

VR=仮想現実やAR=拡張現実のほか、手触りや感触を再現する技術や3Dのプロジェクションマッピングなどの技術を融合させることで人間の感性を刺激する体験ができるようになった。トレンドが “没入型” にシフトしてきているため、対応できなければ、市場から取り残されてしまう可能性もある

と指摘。

さらに人口減少による国内需要のシュリンクなどに鑑みて、今後は海外市場込みで考えていくことが肝要であり、その誘因力として「イマーシブ」期待の種であると仰っているのです。

最近主流になりつつある「ファンマーケティング(共創価値)」も、企業側の立ち位置をどうイマーシブさせていくかということなのかもしれません。

よなよなエールの「ヤッホーブルーイング」が実施している「超宴」というイベントでも、お客さんからさまざまな要望を聞き出す仕掛けをつくることで、「擬似社内会議」を演出しているとも見られるわけです。

リアルとフィクションの垣根をなくすように、顧客と企業の間をシームレスにするための擬似体験をどのように用意するのか?

イマーシブの持つエッセンスを抽象化していくと、新しい発見がまだまだありそうですね😊


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