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「独立した人」が「稼ぐ」ための基本

column vol.763

『45歳以上の「普通のサラリーマン」が何が起きても70歳まで稼ぎ続けられる方法』の著者で、社会保険労務士の佐藤敦規さんの【資格で独立…サラリーマン時代より「稼げる人」になるために「やるべきこと」】という記事が興味深かったので共有させていただきます。

〈マネー現代 / 2022年7月14日〉

資格をとって独立した人の悩みとして、独立して数年経ち仕事をそれなりに貰えていても独立前の年収を上回ることができないということがあります。

この記事は士業の資格を取り、独立した人向けの記事なのですが、マーケティング業界の中でもクリエイターと重なるところがあります。

私の周りでも独立したクリエイターは多く、「会社にいた時の方がトータルで考えると収入が良かったかも」という声はよく聞きます。

土日しっかり休めることもなく、長期の休みも取りにくい…。

労働時間は独立する前よりも増えがちで、時給換算すると独立前よりは悪くなってしまっている人は多いのです。

ということで、佐藤さんの記事を独立したマーケター・クリエイターに照らし合わせて、本日はお話ししたいと思います。

「料金」を明確にするのが肝!

佐藤さんは

(士業は)ライターやデザイナーなどのクリエイティブ系の仕事と比較すると、サービスの違いが分かりづらいものがあります。

とお話しされていますが、クリエイターの世界もまぁまぁ曖昧です…。

例えば、パンフレットをつくるという話も、「編集から入るのか?」「デザインだけなのか?」「取材してゼロから原稿を書くのか?リライトだけなのか?」と細部を詰めるまで見積りを確定できない場合が往々にしてあります。

ですから、なかなか料金をWebサイトに明示できない場合は多いのではないでしょうか?

一方で

値段が全く分からない寿司屋に入る勇気のある人がどれぐらいいるのか?

という佐藤さんの指摘に、思わずハッとさせられます。

翻って、クリエイターの世界も同じだと思います。

「料金が分からない」という時点で、新しいお客さまを遠ざけていることになっていることは間違いなさそうです…(汗)

もしも、「新規」を積極的に獲得したい場合は、料金一例だけでもWebサイトに掲載しておいた方が賢明かもしれません。

だいだいこの人(会社)にお願いすると、相場としていくらぐらいになる。

このモノサシはとても大切な情報になり、新しく仕事を相談したい人が安心してアクセスしてもらえるようになるはずです。

「契約書(業務内容)」を明確にする

今度は見事に業務を受注した場合、きちんと詰めておきたいのが契約書です。

業務内容と言った方が良いかもしれません。

ここを曖昧にしてしまうことで、後々大変になることが多々あります。

例えば、「100万の予算内」でと言われ、何となく大まかの業務と原価で引き受けてしまい、後から「えっ!こんな作業もこちらがやるの!?」と、お互いの認識のズレに直面する場合があります。

同じ制作物でも、クライアントが変われば求められる業務内容は変わると思うことが大切で、新規クライアントほど事前に業務の擦り合わせは徹底しておきたいところです。

何より、一旦業務内容と単価が確定すると、その後、増額の方向に舵を切ることはとても難しい…。

詰まる所

案件の金額÷かけた時間

この単価を上げていくことが重要です。

独立したのに会社にいた時よりも身入りが低いと思ったら、上記計算で自分の業務の適正価格を常に確認することが大切になるでしょう。

「単価」を上げていくため大切なこと

最後は、私が最近つくづく思うことです。

私はマーケターとして、クリエイティブワークも含めて、企業の売上貢献に尽力しているからこそ感じているのですが、リーマンショック3.11以降、年々厳しくなっていた「費用対効果」への目は、コロナ以降さらに一層厳しくなっています。

そんな中、クリエイティブの単価を上げる、せめて保つためには、やはりいかに「成果を約束するか」ということが重要になります。

Webクリエイターの方はコンバージョン率など、数字と向き合うことが日常になっていますが、グラフィックをつくるなど、費用対効果が見えづらいクリエイティブワークはクライアントから「良いデザインに仕上げてくれてありがとうございます」と言われて、そのまま終了になってしまっているケースが多いような気がします。

自分(自社)が担当するようになってから「売上が変わったのか?」「問い合わせは増えたのか?」など、成果の見える化を担当者と行うことが肝要です。

その成果の見える化を積み重ねていくことで、次の新規獲得の時の信頼づくりに大きく寄与するからです。

やはり、「このデザインにしたことで売上が○○%伸びました」など成果を添えると、相手の目の色がガラッと変わってきます。

もしも、自分がつくったもので成果が出なかった場合は、出なかった理由担当者の意見を素直に聞きながら、分析していく。

当社でも全社で成果の見える化を図るためにスプレッドシートに、各プロジェクトリーダーには施策ごとに記入してもらっていますが、これが新規を獲得する上で非常に大きな武器になっています。

独立している方々の中には釈迦に説法のような話かもしれませんが、もしも参考になるところがあれば、ふんわりと取り入れていただければ幸いです!

「稼ぐ」ための基本、私も常に胸に留めておきたいと思います。


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