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そこに愛はあるのか?

column vol.1277

ヒット商品ロングセラーなど、「お客さんから支持される商品って何だろう?」ということを突き詰めていくと

やはり

そこに愛があるのか?

ということに行き着くのではないかと感じています。

“愛” というと少し重いかもしれませんが…、要はお客さんのことを想像しながら、創造することが大切だということです。

消費者にとっての価値は何なのかを掘り下げ、消費者の欲求を満たす手段として製品サービスを提供すること」

これはピーター・ドラッカーさんの名言ですが、そのことを物語る事例は溢れている。

プライドポテトなどヒット商品を生み出している湖池屋野間和可奈さん

自分の子どもに自信を持って勧められるポテトチップスをつくること

信条としています。

これは、母の愛商品づくりに重ねていることで、顧客が本当に求めている価値に到達できているわけです。


値上げにも“愛”が必要

商品づくりだけではなく、値付けも同じです。

今は物価高もあり、値上げが続いていますが、ここにも “愛” があるかを考えていかないといけません。

値上げ売価を改定するということ以外に、もう1つタイプがあります。

それが、シュリンクフレーションです。

〈Wedge ONLINE / 2024年8月24日〉

これは、内容量を減らすことであり

「実質値上げ」
「ステルス値上げ」

と呼ばれています。

メーカーとしては、こっそり自社にとって適正価格(内容を減らす)にしておきたい。

気持ちは非常に分かりますし、「物価高だからしょうがないよね」という理解があるのですが、…やはり普通に値上げするよりもマイナスに受け止めてしまう方も多いはずです…

一方で「嬉しいと思える値上げ」もある。

1979年発売開始以来、42年間も価格を維持してきた国民的駄菓子「うまい棒」ですが、物価上昇に耐えきれず、ついに2022年4月1日値上げに踏み切ります。

定価が10円から12円

この2円は同社において熟慮に熟慮を重ねた末の金額

実は20円という案もあったぐらいなのですから…(汗)

しかし、20円にすれば、子どもがお小遣いの100円を握りしめて駄菓子屋に行き、今まで10本買えたものが半分の5本になってしまう。

そこで、同社の方々は

「子どもには限られたお小遣いの中でさまざまな商品を手にとり、あれやこれやと金額や食べ合わせを考えながら選ぶ楽しさを感じてもらいたい」

と考え、企業努力を重ねて2円の値上げに留めることに。

そこには、子どもたちへの愛があったというわけです。

誇りがあるから愛もある

「英断」ということであれば今月、街ぐるみ力を合わせて行った「愛の決断」がありました。

ウィーン8日から10日にかけて予定されていたテイラー・スウィフトさんのコンサートテロの脅威で直前に全てキャンセルされましたが、実はその後、感動物語があったのをご存知でしょうか?

中止になって落ち込む彼女のファン少しでも元気づけようと、同市の複数の文化施設が無料で開放したのです。

〈ARTnewsJAPAN / 2024年8月15日〉

MUMOKなど複数の美術館が集まる文化地区、ミュージアム・クオーターでは、10日11日、コンサートのチケットを持つ来場者向けに英語ドイツ語による無料ガイドツアーも実施しました。

こうした同市の愛が溢れる対応に、ファンたちは大喜び

コンサートで着るはずだった衣装を身に纏って続々と来場したそうです。

さらに、8日から11日までの間、2万人以上のテイラーファンを迎え入れたアルベルティーナ美術館では粋な演出が。

「ステートルーム」と呼ばれる古典的な設えの部屋があるのですが、通常はクラシック音楽が流れているところ、何とこの4日間だけはテイラー・スウィフトさんの曲に。

来訪した大勢のファンがそれに合わせて歌っている様子TikTokで拡散されました。

同美術館のアイステラーさん

「お金のことはまったく考えていませんでした。重要なのはメッセージを送ること。コンサートを楽しみにしていたのに、襲撃計画という恐ろしい理由で中止になって失望しているファンたちに、私たちは少しでも希望を与えたかった

とコメント。

これは察するに、多くの関係者の皆さん地元愛と、ウィーンの芸術文化に誇りがあるからこそ、テイラーファンの気持ちに寄り添えたと思うのです。

愛は誇りに近いところにある。

企業で考えても自社愛が顧客愛を生み出す源泉だと感じるからです。

顧客愛の源泉は「自社愛」

こちらは、先日【「自律→幸せ→利益」の好循環】でも書きましたが

幸せだと感じている社員はそうではない社員と比べて創造性が3倍、生産性が1.3倍高い

という話に通ずる話。

働いていて幸せを感じるからこそ、顧客の幸せを考えられるからです。

言い換えれば、会社からの愛を感じているからこそ、愛を与えることができるということでしょう。

これまでも社員の幸せをつくり出す企業として、伊那食品工業積水ハウスの取り組みを紹介してきましたが、最近そうした企業が増えています。

最近ニュースになっていたのが、パナソニック インダストリー株式会社です。

同社では、「MAKE HAPPY 風土活性課」という課を設立。

〈日本の人事部 / 2024年7月16日〉

社員に挑戦の機会新しい仲間とのつながりの場を提供し、チャレンジを応援して変革を楽しむ風土をつくり出す。

その風土は、一人ひとりが主体的にHAPPYを生み出せるからこそ生まれると言います。

同課課長の村社智宏さん

自らの想い会社の文脈すり合わせることも大切です」

と仰っていますが、自己愛自社愛重ねることで、お客さんを喜ばしたいというエネルギーが大きくなっていく

これは、創業者である松下幸之助さん

「感謝報恩は真の幸福の根源」

という名言からも深く理解することができますね😊

自己愛自社愛顧客への愛顧客からの愛

を感じ、感謝しながら循環する。

…と、こんなに愛という言葉を使ったのは人生初ですが(笑)、

やはり、お客さんの喜びを生み出していくには

「そこに愛があるのか?」

という問いかけは必要ですね。

私も仕事において、その辺を意識しながら取り組んでいきたいと思います😊

本日も最後まで読んでいただき、誠にありがとうございました!

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