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聖書と信

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聖書はひとを生かすもの、という思いこみだけで、お薦めします。信仰というと引かれそうですが、信頼などの信として、ひとや世界を大切にする思いが、少しでも重なったらステキだな、と思いつ…
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2022年3月の記事一覧

大切にするもの、しないもの

大切にするもの、しないもの

「愛する」という言葉には、反対の「憎しみ」の意味が見え隠れすることがある。「かわいさ余って憎さ百倍」と伝えられるフレーズは、その辺りの構造をよく見通しているとも言える。
 
日本語の「愛する」には、別の機会に述べたように、「それがなくなることを思うと切なくなる」というような感覚が潜んでいると共に、「そこから離れられないためにいずれ悪い自体を招くもの」を感じさせる意味が伴っている。「愛着」や「愛執」

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とりあえず

とりあえず

とりあえず
全員
悔い改めよ
 
教会の前方に大きな文字で貼ってあるこの文字が、SNSに出ていた。かなりウケて、くすくす、というようなコメントが続いた。
 
でも待てよ。笑うというのは、これを冗談だと受け止めたのだろうか。ユーモアに満ちた表現だと思ったのだろうか。
 
だって、「とりあえず悔改めよ」って、おかしいじゃん? 別にどうでもいいから、なんか悔い改めてみなよ、と言っているみたいでさ。
 

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『シャローム・ジャスティス』(ペリー・B・ヨーダー:河野克也・上村泰子共訳:いのちのことば社)

『シャローム・ジャスティス』(ペリー・B・ヨーダー:河野克也・上村泰子共訳:いのちのことば社)

題が内容のすべてを表すようなものである。「シャローム」というのは旧約聖書の原語であると言ってよいヘブライ語で「平和・平安」、「ジャスティス」は英語の「正義」というところだろう。これらが一体化するものであるというのが、本書が一貫して主張するところである。それが、理論的概念的に展開するというのではなく、副題にある「聖書の救いと平和」とあるように、聖書の理解という意味で説かれるのが特徴であると言えるし、

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