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こころ

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ひとのこころ、見つめてみます。自分のこころから、誰かのこころへ。こころからこころへ伝わるものがあり、こころにあるものが、その人をつくり、世界をつくる。そんな素朴な思いに胸を躍らせ…
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2022年2月の記事一覧

一里塚

一里塚

私は、国立大学に属したことがない(通ったことはある)。なまくらな理系信者は現役の時に落ち、一校しか受けていなかったので浪人となった。金銭的負担をかけたくなかったのもあり、宅浪をした。それは文系に転じたせいでもあったが、結果、翌年も届かなかった。後に、国立大学の大学院を受験したが、これも嫌われた。もとより、それに見合う論文ではなかったから、評価は適切だったと思う。
 
行ってもよいということで受験し

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『モチベーションの心理学』(鹿毛雅治・中公新書2680)

『モチベーションの心理学』(鹿毛雅治・中公新書2680)

2022年1月発行。私も、曲がりなりにも子どもたちに勉強をさせようとする仕事に就いている限り、このタイトルは見過ごせない。サブタイトルには「「やる気」と「意欲」のメカニズム」とある。そんなメカニズムが分かっているなら、とっくに世界で知られているだろうという反発心もあったが、そこは著者も、そんなものはない、と結論していたので安心する。当然ではある。人それぞれ、違うのだ。だが、およそどういう脈絡が研究

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キボウと孤独

キボウと孤独

藤田麻衣子さんの歌で、「wish~キボウ~」が、NHK「みんなのうた」で2019年に流れていたそうだ。この「みんなのうた」は、ここのところ過去の歌を拾う企画が進められており、その中で私も認識した。
 
いい歌だ。
 
著作権の関係でここに歌詞をすべて載せることはできないため、お手数をおかけしますが、見つけて戴きたい。
 
初めは、アメリカの精神科医ジョージ・ウェインバーグの言葉から始まる。「希望は

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金子みすゞの「土」

金子みすゞの「土」

テレビ番組「100分de名著」で、金子みすゞの新たな面をじっくり聞くことができた。改めて味わってみたいと思い、詩集を求めた。やがて、「土」に出会った。
 
 
こッつん こッつん
打(ぶ)たれる土は
よい畠になって
よい麦生むよ。
 
朝から晩まで
踏まれる土は
よい路(みち)になって
車を通すよ。
 
 
詩はこれが半分であることは、後半がうっすら目に映るから分かる。私はここで目を上げて、後半を

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お騒がせしました

お騒がせしました

先日、買う物を間違えた。家族に頼まれたものをドラッグストアで探したのだが、方式の異なる詰め替えものを買ってしまったのだ。容器はそっくりなのだが、ちゃんと見れば、区別はできるように書いてある。たまたま見落としたのだ。
 
困ったねえ、と言いながら、家族は、仕方ないからそれを使うか、とあまり気にした様子は見せなかった。いや、それは大問題だ。私は翌日、ドラッグストアに電話することにした。レシートがあれば

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