「心理的安全性」の効果と脆さ
こんにちは。TASです。数年前から「心理的安全性」という言葉をよく耳にします。関連する本も少し前からたくさん出ていますね。主に職場を想定した言葉だと思います。
社員が、「怒られるじゃないか」とか「否定されるんじゃないか」という不安を感じることなく安心して仕事ができる職場は、そうでない職場と比較して、より大きな成果をあげることができる、ということと私は受け取っています。
私は今年転職して新しい環境になり、今7か月を迎えたところですが、最近この「心理的安全性」の効果と脆さについて考えさせられる出来事が1つずつありました。
「心理的安全性」の効果
1つ目は「心理的安全性」の効果を実感した出来事です。私と一緒に働くこととなったAさんは、周囲からは仕事ができない人というような扱いをされていました。会議でも発言すると否定されることも多く、何かびくびくして本来の力が発揮できていないように私には見えました。
入社直後の私はこのような先入観を持たないようにして接し、Aさんがすごく素直な人であることが分かってきました。(ちょっと上から目線ですが)「この人は褒めて育てよう」と決め、できるだけ意見・考え方を引き出して、大きく逸れない限りはAさんの考えを尊重し続けました。
そこからのAさんの少しずつの変化に気付いてはいたのですが、最近私が別のプロジェクトに掛かりっきりで、Aさんと取り組んでいるプロジェクトになかなか力が割けない中、Aさんの仕事ぶりは目覚ましく、明らかに半年前とは別人になっていました。
私は本心から「Aさんに助けてもらって本当に感謝しています」とお話しすると、嬉しいことにAさんからは「TASさん(私)が心理的安全性を与えてくれているからですよ」との返事を頂きました。私としても、ここ最近で一番嬉しかった言葉で、とても励みになっています。「心理的安全性」というのは、一方向ではなく両方向の効果があり、さらに効果が増幅していくのだな、と思いました。
「心理的安全性」の脆さ
もう1つは、私の未熟さが原因だったのですが、逆に「心理的安全性」の脆さを実感した出来事です。別のプロジェクトのメンバー、Bさんとの間での出来事です。Bさんはポテンシャルのとても高い若手で、経験値の部分を私が補って一緒に仕事を進めていました。Bさんについてもできるだけ考えを尊重し、Bさんの私に対する信頼度が高まってきているのを私も感じていました。
これも「心理的安全性」と言えるものだと思いますが、一方でBさんは、私に対する依存であったり、突っ走って勝手なことをしても私なら許してくれるだろうという甘えも垣間見られるようになってきました。そんなとき、1つのきっかけで、私がBさんに対し強く叱るということがありました。
その日Bさんは会社を早退し、その次の日も休みました。私はBさんに連絡しました。Bさんは応じてくれて、あの時なぜBさんがあのような行動を取ったのか、そしてなぜ私が叱ったのかをじっくり話し合い、プロジェクト完了まで改めて一緒に頑張っていこうと言ってくれました。
甘えに繋がってもいけない、また一方で、たった一言で心の安全を揺るがしかねない、職場の人間関係の難しさを改めて痛感した出来事でした。「心理的安全性」というと、何か魔法のような素晴らしいもののように聞こえますが、決してそうではなく、1つ1つ信頼関係を積み上げていくことに他ならない、ある意味とても「脆い」ものと改めて考えさせられました。
最後に、私はプロフィールにも記載している通り「双極性障害」を持っています。今から振り返るとBさんを叱った当時の自分は、間違いなく”躁のスイッチ”が入っていて、攻撃的であったと思います。その点はBさんに申し訳なく、私が未熟だったと思います。今後この病気ともっと上手に付き合っていきたいです。
今日も最後までお読みいただきありがとうございました。
TAS
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