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テロメニア魔導記2『天空を貫く尖塔』紹介文

はじめに

 2024年1月1日。つまり新年早々に、テロメニア魔導記 第2巻『天空を貫く尖塔』をリリースしました! 第1巻『陽が昇らない峡谷』を出版してから9ヶ月。私としては仕事をしながらでも、年1冊のペースで新作を出したいと考えていたので、何とか間に合ってよかったです。ちなみに専業になったので、今年はもっとペースを上げていきます。専業と言うからにはシリーズ物だけでなく、単発の作品と合わせて読み応えのある長編を、年3冊以上は出版したい。今年も変わらぬご支援のほど、よろしくお願い致します。
 さて、この記事ではその最初の作品として、テロメニア魔導記 第2巻『天空を貫く尖塔』の魅力を、出来るだけ分かり易くお伝えします。


これが テロメニア魔導記2『天空を貫く尖塔』の表紙だ!

テロメニア魔導記 第2巻『天空を貫く尖塔』

 まずこの表紙をご覧ください! 12月8日に発表されたスペイン語版カドルステイト物語の為に、内山一樹さまが描いて下さった新しい表紙も素敵でしたが、この硬派なファンタジーを表現したGPMさまの表紙もまた格好いい! 男女の冒険者でしょうか? 男性は金髪の長髪で武装は弓、女性は烏の濡羽色のつややかな髪。しかもこの出で立ち、おそらくあの種族に違いありません! 一体どんな冒険が待ちうけているのでしょうか? 今からとても楽しみですね!
 なおテロメニア魔導記は全6巻構想で、現在3~4巻を執筆中。出版ペースは年2冊程度を目標に進めています。最後の美しい結末まで綺麗にしっかり書き切りますので、どうぞご期待ください。

私のファンタジーの原点は「美しい物語」

 私は「美しい物語」を書きたい。私が子供の頃に読んだファンタジー小説がそうであったように、どんな苦境にあっても希望を与えてくれるような、救いのある、心の支えになる物語を書きたい。私は常にそう考えています。
それは高尚な理念とかでなく、ただ私がそういう物語が好きというだけの話。私は子供の頃、今じゃ考えられないような苦境に立たされていましたが、そんな時、美しいファンタジー小説が私の心の支えになっていました。だから私は、美しいファンタジー小説を書きたい。何をもって「美しい物語」というかは人それぞれですが、私が目指す「美しい物語」は、主に次の3つの要素に集約されています。

・読んで良かったと思える元気が出る物語
・年齢、性別、国籍、文化に関係なく、共感できる物語
・失敗して、喧嘩して、敗北する。それでも前を向いて進む物語

 テロメニア魔導記を端的に表現するなら、「現代的な価値観で描く、古典的なファンタジー」です。それは決してお伽噺や絵空事などではなく、現代にも通ずる現実的な物語。「美しい物語」といっても、非現実的な綺麗事は要りません。私は泥臭い厳しさの中に、「美しい物語」を見出したいと考えています。

それは誰も見たことのない、全く新しい世界

一日中陽が昇らない巨大な塔と塔の狭間にある『峡谷の村』

 かつて栄華を極めた魔法王国テロメニア。しかし今は見る影も無く、老人ばかりの荒廃した国になっていた。カータは囚われのカルディアナを救出する為に、マーヤと共にレートの塔を上り始める。恐るべきモンスターの襲撃をかいくぐり、雲の上に栄えた天空都市に辿り着いたカータはそこで、この国における冒険者ギルドの実態と、魔法王国が衰退した意外な原因を知ることになるのだった。古典的な作風を現代的な価値観で描く、新時代の長編ファンタジー小説、第二弾。

・魔法が使える人間『目覚め人』が統治する魔法王国
・魔法が使えない人間『眠り人』は国から必要とされず貧困化
・為政者は国の外部から『目覚め人』を募る政策を推し進める

 冒険者ギルドの誘致によって、魔法王国テロメニアは喫緊の課題だった目覚め人不足の問題を解消したものの、一攫千金を目的に集まった質の悪い冒険者が多く流入した結果、治安が著しく悪化。更に魔法学院の閉鎖によって眠り人は永遠に眠り人となり、この国で子供を産み育てる者が更に少なくなっていった。それはまさに、誰の目から見てもそれと分かる緩慢な滅びの道だったが、高い知性を持つはずの賢者達は、まるでその事を直視していないようにさえ見えた。

連なる塔の屋上に栄えた天空都市『ゼストアゼシア』

 乱立する冒険者ギルドの経営者達は、彼等が運営するギルド繁栄の為に、外部から『目覚め人』を誘致する政策を推し進める賢者達に莫大な資金を提供している。これらの資金は、この政策に反対する勢力を弱めると同時に、レグナムオン共和国を支える重要な資金源にもなっていた。冒険者ギルドの経営者達から提供されている莫大な政治献金は、彼等に便宜を図る為の賄賂だと指摘する声もあるが、賢者達はそれを無視し続けている。彼等は国益に基づいた代理戦争と、冒険者ギルドとの癒着によって腐敗。それでも自分の面子を保つことばかりに執心し、政策の失敗を認めるどころか、あたかも高い成果が得られているかのように装い続けていた。

『テロメニア魔導記』の見どころ

「冒険者=良い人?」

 異世界ものでは定番の冒険者ギルドと冒険者が、何故か「良い人」の集団になっていますが、実際にはまっとうな仕事に就けず一攫千金を狙う「ならず者」の集団ではないでしょうか? 『テロメニア魔導記』では、そんな一般人の視点から見た冒険者の姿が描かれます。

「喧嘩」

 今では殆ど見掛けなくなってしまいましたが、昔はよく物語の中で、気心の知れた者同士の喧嘩が描かれていました。ドラえもんとのび太でさえ喧嘩をしたし、教育TVの道徳番組でも、仲直りをテーマにした物語が放映されていたものです。しかし近年、それら仲間同士が衝突する描写は、ほとんど見掛けなくなってしまいました。
 現代人はもう、喧嘩をしないのでしょうか?
 意見が対立した時、どうしているのでしょうか?
 そして喧嘩をした後、どうやって仲直りしているのでしょうか?
 『テロメニア魔導記』では、たとえ気心の知れた仲間同士であったとしても、時には意見が食い違い、相手を理解できなくなり、或いは誤解を招き、激しくぶつかり合います。相手を理解しようとせず、一方的に相手の行動を変更させようとする愚かさは、そういった人と人の心の衝突からしか描けません。『テロメニア魔導記』では、自分の過ちを素直に認め、自分を変えること、すなわち自浄作用の大切さが丁寧に描かれます。

2巻では、1巻よりも更に難しい心の行き違いが?

「負けるかもしれない」

 主人公が常に勝ち続ける物語なんて、果たして面白いと言えるでしょうか?「この敵は今までと違う?」「今回は負けるかもしれない!」と思うからこそ、物語は面白い。リスクが高いからこそ、人は戦いを回避しようとするのです。スポーツでもそうですが、強力な敵が目の前に現れた時、自分の力不足が原因で勝てない事はよくあります。死んでしまっては元も子もありません。命を懸けた戦いなら尚の事、次の勝利を信じて、逃げなければならない時もあるでしょう。
 逃走は、リスク以上のリターンを得る為の第一歩です。

今の力では絶対に敵わないような強敵も登場?

「冒険しよう!」

 昔から親しまれている冒険物語。
 だけど、冒険ってなんだろう?
 危険を冒さなきゃ冒険じゃない。
 ワクワクしなきゃ冒険じゃない。
 この後どうなるのか分からない。
 一歩先は闇、それが冒険なんだ!

クレジット

『テロメニア魔導記』第2巻『天空を貫く尖塔』
配信日:2024年1月1日
価 格:1080円(Kindle Unlimited 読み放題対応)
文字数:15.4万文字
挿 絵:18枚(差分込み)
著 者:守下 尚暉
発行所:パブフル
地 図:トレジャーポット
イラスト:GPM
表紙デザイン:波野 發作


読者の感想



第1巻、『陽が昇らない峡谷』も、よろしく!


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