ぴょん吉♀

付き合い上手の内向型。 男児1人の子育てアラサー女が、日常で感じたことを綴ってます。 …

ぴょん吉♀

付き合い上手の内向型。 男児1人の子育てアラサー女が、日常で感じたことを綴ってます。 仕事:本をつくること / 趣味:旅行、紅茶、イギリス、ミステリ、リアル脱出ゲーム

最近の記事

育児は最も距離が近くて、最も壮大な推し活

好きなことを追求できる子になってほしい。 賢い子になってほしい。 相手の気持ちを考えられる子になってほしい。 一度決めたらやり抜く子になってほしい。 好奇心の強い子になってほしい。 親が子どもに望むことをあげたらキリがないだろう。 じゃあ、親はどんな育児をすればいいのか。 子どもを産んでから「叱らない育児」という言葉を知った。ふむふむ、なるほどね、できないことに目を向けるんじゃなくて、できたことを見つけて積極的に褒めるのか!と思っていたら、今度は「ほめない育児」というのに

    • 息子とのこんな日があったことを忘れたくない

      小学生の作文以来、朝家を出てから帰るまでの出来事を全部紹介するような文章なんて書かずにきた気がするけれど、この日ばかりは時系列で全てを取りこぼすことなく書き連ねたいと感じるような、そんな一日だった。 2歳3ヶ月の息子と一緒におでかけをした。夫が休日出勤で家にいなかったので、友達のAちゃんとその息子Bくん(3歳半くらい)を誘って、室内の遊び場に繰り出したのだ。 何度も行ったことのある遊び場。家族3人だけで行ったこともあったけど、基本的に他に友達家族を誘って行くことが多い。

      • 物理的向上心の高い息子と、はじめての愛を知るわたし〈子育ての記録:0歳後半~1歳ちょっと編〉

        タイトルに「0歳後半」と書いているものの、子どもが6〜9ヶ月くらいの頃の話はざっと飛ばさせていただく。というのも、この時期は、おそらく女性ホルモンのせいなのだけど、終始イライラが止まらず、まるで別人格になったかのようでとにかく生きづらく、思い出したくないからできるだけ思い出さずに過ごしていたら、わりと本当に思い出せなくなった……。 「育児のあれこれを忘れたくないから」という理由で書き始めたnoteなのに矛盾しているけど、人間なんてみんな矛盾だらけよね、うん。でも、子どもの成長

        • 産後、寝られないよりもつらいこと〈子育ての記録:0歳前半編〉

          最初の3ヶ月の何がつらいかって 今振り返ると、もっと周りに大変なことを伝えて、甘えて、頼ればよかったと思う。最初の1ヶ月は、母に毎日、わが家に通ってもらい、だいたい12時〜18時の間滞在してもらっていた。 母は、家事は全部やってくれたのだけど、わたしに気を遣っていたのか、赤ちゃんのお世話はノータッチだったので、わたしもなんとなく「さすがに赤ちゃんのことは全部やるべきだよなぁ」と思っていた。オムツ替えなんて即効で飽きていたし、沐浴は身体があちこち痛くて、本当はそのへんも全部や

        育児は最も距離が近くて、最も壮大な推し活

          「母子ともに健康」のリアル〈子育ての記録:はじめての出産編〉

          このnoteを書こうと思ったのは2022年の年末。年末というのはただでさえ一年を振り返りたくなるものだが、それに加えて、子どもが1歳を迎えたものだから、総おさらいをしたい気持ちがすごかった。 というか、当時すでにおぼろげになりかけていた記憶たち。今きちんと振り返っておかないと何もかも忘れてしまうんじゃないか。たった3年前に行った楽しすぎた海外旅行さえ、ボロボロと記憶が落ちてしまっていて、帰ってきてすぐに記録しなかったことを後悔した。 はじめての出産、子育て……あまりにも特殊で

          「母子ともに健康」のリアル〈子育ての記録:はじめての出産編〉

          妊婦になってはじめて福祉を知って

          中学生のとき、とても仲良しで大好きな憧れの友人Nがいた。いつでもどこでも自分の感情に正直で、それを自然と表現できる彼女は魅力的だった。 楽しんでるときの笑顔は少しも飾らず純粋に明るくて、唇を尖らせて怒る顔は嫌味がなくて、悲しいときや感動したときには、きっと抑えられないんだろうな、恥ずかしがることもなく大粒の涙を流す……。感情表現が苦手なわたしにとって、彼女の見せるいろんな表情はどれもきらきらしていて素敵だった。 「Nは家でよく言ってるのよ、ぴょん吉ちゃんは頭もよくて、努力家

          妊婦になってはじめて福祉を知って

          「いつまでも変わらない関係」のなかにある努力

          私には小学校からの幼馴染みが2人いる。しょっちゅう3人で一緒にいたけれど、その時々で4人や5人にもなったし、ひとり別行動もしたりした。そもそもわたしたち3人は性格が全然違い、それゆえ、よくある女子のグループみたいなややこしさはなく、すっごくさっぱりとした付き合いだった。 中学を卒業して以来は、会う頻度は愕然と減ったし、互いの近況を母親経由で聞くことも多かった(ママ友コネクションは、どこよりも情報が速い……)。 それでも、ひとりがイタリアに留学に行くと言えば、わざわざパスポー

          「いつまでも変わらない関係」のなかにある努力

          妖怪「褒メラレタ〜イ」と生きる

          先日、友人の披露宴に出席すると、席次表に新郎新婦プロフィールが載っていた。「相手の好きなところ」という欄を見ると、こう書いてあった。 「褒めてくれるところ」 斬新だ……!と笑ったと同時に、なんだかすごく腑に落ちる感じがあって「あぁ、わかる」と思った。そして、この一言に、どんな素敵な性格にも勝る「無敵さ」を感じた。 *** わたしが小学生だった頃、友だちのお母さんが「ぴょん吉ちゃんは、本当にピアノが上手だね〜」とか「ぴょん吉ちゃんは、ちゃんと勉強して偉いのね〜」と言って

          妖怪「褒メラレタ〜イ」と生きる

          ポジティブの神様

          先日ヨガに入会した。前々から興味はあったものの、お値段とお値段とお値段の関係で、踏ん切りがつかず数年……。しかし今回の私は、なぜか意気揚々と入会手続きを済ませた。清々しささえあった。 念願のヨガデビューに浮かれながら帰路につくも、私は押し寄せるある後悔の波と戦っていた。それは、「やっぱりボディクリームは、いらなかったんじゃないか」。 あれこれ書くと、どこのヨガかまるわかりだけど、別にディスってるわけじゃない(むしろ全力でヨガを楽しんでいる)から気にしない。 初回レッスン

          ポジティブの神様

          コスパの悪い人生に幸あれ

          お昼どきのカフェ。友達と2人、シェアしようと言って、マッシュルームとくるみのサラダを頼んだ。まさか本当に、マッシュルームとくるみしか入っていないとは思わずに――。 私たちが思い描いていたのは、いろんな緑の野菜(たとえばサニーレタスとか、ルッコラとかそういうの)に、なんなら厚切りベーコンが乗ってたりして、そのうえでのマッシュルームとくるみだった。 でも、出てきたのは、マッシュルームとくるみ。ただそれだけだった。味はとっても美味しかったのだけど、これはサラダなのだろうか? メ

          コスパの悪い人生に幸あれ

          サッチャーを知らなかった私は

          学生時代、私がイギリスに留学していた時のホストマザーは、なかなかにぶっ飛んだ人だった。 歌うことが大好きで、近所のうたのサークルみたいなのによく参加していた彼女は、家の中でもよく歌っていた。 ただ、正直うまいわけではなく、ある晩一緒に観ていたレ・ミゼラブルの「夢やぶれて」のシーンで熱唱されたときは、アンハサウェイの歌声がまったく聞こえなくて、名シーンがまさにビリビリにやぶかれたようだった。 そして、かなりの気分屋でめんどくさがりの性格で、手紙やメールの返信にはルーズ。ホー

          サッチャーを知らなかった私は

          「未来」を、太く、長く継続させること

          実家での正月休みを終えて、マンションへ帰宅途中。それはきんと冷たい夜だった。交差点の片隅には、小さな花束が2つ置かれていた。年末にはもっとたくさんあった花束は姿を消し、たった2つの花束が身を寄せ合うようにしてそっと並んでいた。 2018年は終わり、2019年が始まった。 その光景はなんだかとても寂しくて、目がじわりと熱くなった。 *** それは昨年、クリスマスを目前にしたある日の昼下がりだった。私の家のすぐ近く、毎日通るその交差点で、小学生の女の子が車にひかれて亡くな

          「未来」を、太く、長く継続させること

          ゼネラルであるという個性

          昔から、仕事となると、他の人よりあれこれ任され、「できなさそうな人には求めないよ。でも、ぴょん吉ちゃんならできると思うから」と言われることが多かった。 自己評価がとてつもなく低い私は「なぜ大人たちは、そんなに私ができると思っているんだ。まったくわからんし、そもそも私は仕事できないタイプだけど」と、いつも疑問でしかなかった。 昔の私は、何かひとつの仕事をめちゃくちゃ高いレベルでこなす人が「できる人」だと思っていたのだ。 そして、そういう人間になりたいと思いながら、なれない自

          ゼネラルであるという個性

          ただ「美しい」という価値

          ――東山魁夷《晩鐘》 中学の美術の教科書で初めてその絵を見た。 当時は、それがどこの風景かなんて考えたこともなかったけれど(外国なのか日本なのかさえ)、「なんて美しい景色なんだろう」と、ただ純粋に心からそう思ったことを覚えている。 *** 私は、決して美術に詳しいわけではないけれど、それなりに興味はあるので、美術館にはよく行くほうだと思う。 ルネ・マグリットの展示を見に行ったときには、彼の絵の中に哲学を見た。 《ヘーゲルの休日》という作品は、黒い傘の上に水の入ったグ

          ただ「美しい」という価値

          人生と感情と株価は同じ

          何か月も前から楽しみにしていたはずの黒部・飛騨旅行。 誰かの「みんなで旅行行きたいね」から始まって、27歳女6人がなんとか予定を合わせた。 紅葉真っ盛りの黒部渓谷をトロッコからのんびり眺め、温泉と懐石料理に癒され、翌日は世界遺産「白川郷」と飛騨高山を散策する、という何とも欲張りなバスツアーをネットで探し出したのは私だった。 しかも一人30,000円だよ! とみんなにプレゼンしたのも私だった。 飛騨牛が食べたい、としつこいくらいに言っていたのも私だった。 それなのに、今朝み

          人生と感情と株価は同じ