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国内でブランドコンサルタントとして働いています。ブランディングやマーケティングの担当者…

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国内でブランドコンサルタントとして働いています。ブランディングやマーケティングの担当者に有益となるような情報を中心に発信したいと思っています。

最近の記事

「ブランドコンサル」という仕事の魅力・面白さ

この記事では「ブランディング」という仕事に興味を持っている方に「ブランディング」とはどんな仕事なのか、「ブランドコンサル」という仕事の面白さは何か、について書いてみたい。日本ではまだ一般的ではない「ブランドコンサル」という仕事に少しでも興味を持ってもらえると嬉しい。 「ブランディング」とはどんな仕事かまず、ブランドとは「ナイキといえばかっこいい」というように、ブランド固有の期待やイメージが顧客の頭の中に作られている状態のことである。 このような「●●(ブランド)といえば、

    • プロジェクトの初期など、粗くても良いので事業の初期仮説を考える時に、何をどの程度の粒度で情報収集するか

      コンサル案件にアサインされ、クライアントの事業の基礎情報をすぐにキャッチアップしたり、提案活動のためにクライアントの事業課題の仮説を短期間で立てないといけないことがある。一般的には、デスクトップリサーチや、ユーザーへのヒアリング、BtoC商品の場合は店舗来訪などもして、「ざっくり情報収集をして、自分なりにプロジェクトのテーマや仮説をスピーディーに立てる」ということをやることが多い。ここでちょっと悩むのが「プロジェクト初期にはどんな情報をどこまで把握すれば良いのか」という点であ

      • 商品・サービス設計で最も大切な「顧客ベネフィット」を考えるコツ

        どんな商品・サービスでも顧客の「ベネフィット」を設計することは基本である。「ベネフィット」とは「顧客がその商品・サービスを選ぶ理由となるような、顧客にとって嬉しいこと」ある。例えば、STARBUCKSであれば、「自分だけの時間を快適に過ごせる」や「他人からおしゃれに見られる」などがベネフィットである。 ベネフィットを設計するのは、ビジネスの基本であり、シンプルなので一見簡単そうなのだが、自分でやってみると案外難しい。この記事では、顧客の「ベネフィット」を考える際に、筆者が意

        • 「強み」は見つけるものではなく、デザインするもの

          会社でも個人でも「強みを活かすべき」と言われることが多い。しかし「強み」とは何なのか、「強み」をどう見つければいいのか、と考えると案外難しい。 自分自身のことを振り返ると、特に意識していなかったことを他人から強みだと言ってもらえることがある。また、お客様に「御社の強みは○○ですよね」と伝えると、「確かにそうですね。気づかなかったです。」という意外な反応を頂くこともある。このように「強み」というのは、極めて大切なことにも関わらず、自分で把握することはできていなかったりする。

        「ブランドコンサル」という仕事の魅力・面白さ

        • プロジェクトの初期など、粗くても良いので事業の初期仮説を考える時に、何をどの程度の粒度で情報収集するか

        • 商品・サービス設計で最も大切な「顧客ベネフィット」を考えるコツ

        • 「強み」は見つけるものではなく、デザインするもの

          新発売された「ノメルズ」から見えるコカ・コーラ社のブランド戦略とは?

          はじめに筆者はレモンサワーが大好きでよく買うこともあり、コカ・コーラ社から「ノメルズ」というレモネードが新発売されたと知り、すぐ買ってみた。ノメルズは3種類展開で、そのうち2種類を飲んでみたのだが、甘酸っぱくてすごくおいしかった。今後も飲むだろうと思う。  さて、筆者は「檸檬堂(※)」もよく飲んでおり、ブランディングを仕事としている身としては、下記のような疑問が思い浮かんた。それが、今回の記事をまとめてみようと思ったきっかけである。 ※コカ・コーラ社は、2019年に同社初

          新発売された「ノメルズ」から見えるコカ・コーラ社のブランド戦略とは?

          マネジメント層とメンバーの間の「埋まらない溝」と言われるものは、視界や基準の問題ではない

            はじめに企業がよく直面する組織問題の1つに「メンバーとマネジメント層以上の意識や基準のギャップが大きい」がある。例えば、業績が悪かった時に、マネジメント層以上は「メンバー1人1人のスタンスが甘い。もっと行動量を増やさないといけない。」とメンバーの問題だと考えている一方、メンバーは「あれもこれも手を付けないで、もっと選択と集中しないといけない」と会社や部の戦略の問題だと捉えている状況である。この記事では、この問題について考察をしてみたい。 マネジメント層以上とメンバーの

          マネジメント層とメンバーの間の「埋まらない溝」と言われるものは、視界や基準の問題ではない

          強みを活用したブランド拡張(2/2)

          「ブランド拡張」とは、既存ブランドを活用して新たな商品を展開することである。売上を伸ばす1つの手段として強いブランドを保有する企業で検討されることが増えている。前回の記事では、「ブランド拡張とは何か」「ブランド拡張のメリットとは何か」について執筆した。 前回記事をざっくりおさらいすると、主に下記2つのことをお伝えした。 ①「ブランド拡張」とは「既存のブランド資産を活かして新たな商品・サービスを作ること」であり、カテゴリ拡張とライン拡張の2種類がある。カテゴリ拡張とは、例え

          強みを活用したブランド拡張(2/2)

          強みを活用したブランド拡張(1/2)

           「ブランド拡張」とは、既存の強いブランドを活用して新たな商品を展開することであり、売上を伸ばす1つの手段として既に強いブランドを保有する企業で検討されることが多い。例えば、カップラーメンが「カップ飯」を作ったり、メルカリが「メルペイ」を展開することが挙げられる。この記事では、ブランド拡張に興味がある方に向けて、ブランド拡張のメリットや検討のステップとポイントを整理してお伝えする。    全2回に分けてお伝えしたい。この記事では主に「1. ブランド拡張とは」「2. ブランド

          強みを活用したブランド拡張(1/2)

          結局「誰が言うか」が大事な理由

          若手~中堅の苦悩自分は仕事を始めたばかりの頃、自分が発言したことに対するお客様や上司の反応を見る度に「結局誰が言うかじゃん・・・」と(勝手に)失望したことが何度もあった。同じように、若手のビジネスマンの方には下記のような悩みを持つ人もいるのではないかと思われる。 ・そもそも発言ができそうな雰囲気になく、自由な発言を促してくれたり、若手ならではの素朴な意見に耳を傾けてくれる空気がない。 ・にも関わらず、「社内の会議で発言しないのは悪」というようなことを言われ続け、「何でもい

          結局「誰が言うか」が大事な理由

          「認知」とは?「まず認知向上」は当たり前か?

          はじめにマーケティングやブランディングの戦略や方針を立てる時に「まず認知を広げないとね」とか「買われるためにはまず認知を広げよう」と言われることは多い。「認知を広げる」は当たり前のように重要とされる。これは概念としては分かるし、重要であることも間違いないのだが、いざ「認知を広げる」ための施策を考えようとすると「そもそも認知されている」とはどのような状態なのか、「なぜ認知を上げることが重要なのか」ということに対する理解が浅かったということに気づかされる。マーケティングにおいて

          「認知」とは?「まず認知向上」は当たり前か?

          顧客理解をちゃんとしている人とは?

          はじめに「顧客を理解すること」は全ビジネス活動の最重要事項と言われることが多いが、これを徹底的に丁寧に実行できている人はどれだけいるだろうか。マーケティングの分野では「価値観マーケティング」「ファンマーケティング」「熱狂マーケティング」、等「○○マーケティング」という言葉が言われ、新たな概念が次々と出てくるが、その中身を見ると「顧客をどのような視点から捉えて、どんな関係性を築いていくべきか」という問いに対する考え方が微妙に異なっているだけであるように思う。つまり、”顧客の捉え

          顧客理解をちゃんとしている人とは?

          「ターゲット」という概念をちゃんと理解する

          はじめに「ターゲット」という概念はビジネスで最もよく使われる重要な概念の1つである。学生の時から概念自体は知っていたし、仕事してからもなんとなく分かっているような気でいたが、マーケティングやブランディングを職業としている身として、実際に普段の業務で有効なターゲット設定ができているか問われると正直ずっと今まで自信が持てていなかった。色々調べていると「ブランドターゲット」「マーケティングターゲット」など色々な概念があり、余計に混乱してしまっていた。自分のようにターゲット設定の本質

          「ターゲット」という概念をちゃんと理解する

          ブランドが目指すべきは「競合と比較されないこと」

          どんな商品・サービスであっても「競合の商品・サービス」が存在する。これが消費者にとって意味することは、「別にこの商品・サービスではなくても良い」ということである。企業がブランディングに力を入れるのは、「別にこの商品ではなくても良い」から「この商品でないとダメ」と思われるためでもある。また、「この商品をもっと売るためにどうするべきか」という問いは、「競合よりも自社が選ばれるためには何をするべきなのか?」という視点から考えると方向性が見えてきやすい。今回は「競合とは何か?」「自社

          ブランドが目指すべきは「競合と比較されないこと」

          新規事業アイディアの模索【失敗例】

           コロナウィルスの影響によってビジネスを取り巻く環境が大きく変わり、新しい事業の展開を構想している人や企業が増えていると思います。よく巷で紹介される手法を使って新規事業を考えている方も多いと思いますが、自分も今回トライしてみました。結論からいうと、あまりうまく発想できておりません。そこで今回は、なぜうまくいかなかったのか、をまとめました。新規事業プロジェクトで真面目に考えている人というよりも、個人でぼんやりと新規事業ネタを考えている人を意識して書いています。  まず、前提の

          新規事業アイディアの模索【失敗例】

          ブランド体系の整理とは目に見えない資源の活用と蓄積を考えること

          自社のブランド体系を見直す企業が増えている。企業規模がまだ大きくない場合、「企業のブランドの関係性がどうあるべきか」よりも「主要なコアブランドが市場にどう受け入れられるか」が重要な問いとなり、戦略を考えたりアクションを実行するケースが多いように思う。つまり、単一のブランドの短期的成長をシンプルに追求し、サービス名、ブランド名、デザイン等について、自社の他ブランドとの影響を考慮したマネジメントをしない。単一のブランド視点では、その方が成長させやすく、ブランド数が少ない企業ではあ

          ブランド体系の整理とは目に見えない資源の活用と蓄積を考えること

          休日をとると、どんな良いことがあるか

          休日をとれるとなると、純粋に「やったー」という感覚を持つ方が大半ではないでしょうか。一方で日々ハードワークしている人の場合、逆に「休日をとること」はなおざりになりがちです。どちかというと自分もそうです。しかし、休息や休日をとることで、良いアイディアが生まれた、視界が変わった、という話もあるように、「どう休日をとるか」「休日に何をするか/しないか」は、仕事で成果出す上ではクリティカルに大切な問題だと感じているので、今回は「休日」がどのような効用があるか、個人的に思ったことを2つ

          休日をとると、どんな良いことがあるか