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【映画掘り下げ】パッチ・アダムスはたぶん、笑顔で世界を変えた人の映画です。
笑顔によって、世界が変わる。
心からそう思わせてくれる映画でした。
掘り下げ話をリクエスト頂き
ありがとうございます。
本作で一番印象に残っているのは
ロビン・ウィリアムスが演じる
主人公のパッチが満面に浮かべる、
「笑顔」でした。
![](https://assets.st-note.com/img/1683869154499-kgQITB0ETz.png?width=1200)
実在の人物、
ハンター・”パッチ”・アダムスの人生を元に
1998年に作られた本作。
ご本人はいまだ健在で、
映画の終盤で繰り広げられる「大仕事」は
現在も継続中です。
彼の「笑顔」が今もなお
世界を変え続けている。
この記事では、
主人公を演じたロビン・ウィリアムスにしか
表せない「笑顔」が
映画においてどういう力を宿していたのか
順を追ってお伝えできればと思います。
本作を見ていない方も
楽しめて学べるよう努力してみましたので
映画を味わうように散歩気分でどうぞ。
この記事は約8000文字あります。すいません。
「笑顔」も色彩もない世界から
![](https://assets.st-note.com/img/1683532307807-QHfCXAqZDJ.png?width=1200)
冒頭、一番初めに現れた彼の表情は
憂鬱に沈んでいました。
![](https://assets.st-note.com/img/1683532336678-DileDuEE21.png?width=1200)
色彩のない世界を走るバスの中。
彼のモノローグから映画は幕を開けます。
「人生とは、家に帰り着くことだ・・・」
職場から家に帰ってきた彼は
鏡に向かいながら
![](https://assets.st-note.com/img/1683532920388-fou3FWOrwU.png?width=1200)
「吹雪の中をさまよっているようだった」
と。
笑顔が印象的すぎて、
こんな深刻な顔は
本当にロビン・ウィリアムスか?
と疑いそうになるほど。
鏡の裏には大量の精神薬が
常備されているようで
どうやら心に闇を抱えているよう。
「笑顔」と遥か遠いところから
物語は始まるのです。
きっかけと「笑顔」
彼は精神病院に入る。
最初のグループセッション。
不愛想で冷めた表情の医者と
退屈そうな患者たち。
そこでアダムスは、
緊張病で右手を上げたままの
ビリーをネタにして、大爆笑を起こす。
「天国はどこにあるんだい?」
「ヒトラーの挨拶は?」と。
![](https://assets.st-note.com/img/1683940864108-qqm750aJEl.png?width=1200)
一緒にセッションを受けていた
同居人のルディは
「今の、ものすごく楽しかった」。
アダムスは
![](https://assets.st-note.com/img/1683941408543-lZaThABs3R.png?width=1200)
ここで、初めて
満面の笑みを浮かべるのです。
何かを感じ取ったのか
その夜、一人の老人の元へ赴く。
元実業家で
人間の限界を追い求め過ぎて
精神を患ったアーサーの部屋へ。
アダムスは尋ねる。
「あの4本指の答えはなに?」
アーサーは人の前に4本指を突き出して
何本に見える?4本?イカれてるぞ!
と言い立てる老人だった。
![](https://assets.st-note.com/img/1683941802053-7b7IfVcMv6.png?width=1200)
老人が答えをしぶる間、
アダムスは紙コップに穴が空いて
コーヒーが漏れているところを見つけ、
穴をパッチ(絆創膏)でふさぐ。
それを見た老人はアダムスの手を取って
質問の答えを話し始める。
何本に見える?
・・・4本だ。
「違う、私を見ろ。問題を見つめるんじゃない。
目の前にあるものじゃなく、私を見るんだ」
![](https://assets.st-note.com/img/1683942768446-4Pi6bmJDXC.png?width=1200)
私に焦点を合わせろ。
・・・8本?
「8本!そうだ!それでいいんだ!
誰にも見えないものを見ろ。
既成概念やくだらぬ見栄を捨てて
世界を見渡せば、毎日が発見だ。
君ならそれができる。」
・・・でもどうして僕に答えを?
とアダムス。
「絆創膏を貼ってくれた。
あだ名を付けてやろう。”パッチ”だ」
![](https://assets.st-note.com/img/1683943246228-T9nHF01CVT.png?width=1200)
何かのきっかけを得たように
柔らかい「笑顔」を浮かべて
”パッチ”・アダムスはその時、生まれた。
リスにバズーカで「笑顔」
パッチはそのあと部屋に戻り
ベッドに入るが、同居人ルディの
体を揺す音がうるさくて寝られない。
![](https://assets.st-note.com/img/1683944546532-EwtiwvBoIA.png?width=1200)
「いつまでやってる?寝られないよ」
「でもトイレに行かないと」
「行けよ。トイレはすぐそこだ」
「でもリスが怖くて行けないんだ」
ルディは存在しないリスに怯え続ける
統合失調、強迫症を患っている。
「リスなんか怖くないだろ。
ほら、一緒に行ってやるから」
「でも、そこにいるんだ。怖い」
動けないルディに対して
笑顔で何かを思いつくパッチ。
![](https://assets.st-note.com/img/1683944402942-nUgOnVmD4A.png?width=1200)
手で作った銃を
何もいない空間に向けて
「バン!」
あそこにも!
バン!
今度は天井だ!
バン!
パッチは銃を連射銃に持ち替えて
「ダダダダダダダ!」
ルディは笑顔で
リス退治を応援する。
要塞だ!要塞を作れ!
ベッドを横倒しにして
二人並んでリスを偵察する。
![](https://assets.st-note.com/img/1683944882626-kUINdQYjLu.png?width=1200)
ルディ
「まだ油断できない」
パッチ
「そうか、いいものがあるぞ。これだ」
両手でバズーカを抱える仕草をして、
「バーーーン!!」
![](https://assets.st-note.com/img/1683945043270-vf0xL0o2mm.png?width=1200)
「よし!突っ込めえええ!」
二人でトイレに突進して
ルディはやっと、用を足すことができた。
・・・
見えないリスと死闘を繰り広げたあと
ルディをトイレに見送ったパッチは
![](https://assets.st-note.com/img/1683945303536-yPlGXIVEyE.png?width=1200)
この上なく満ち足りた「笑顔」を
浮かべることになった。
「ルディの心に触れた気がしたんだ」
あくる朝、担当医に語るパッチ。
嫌味を言ってくる医者にも構わず、
退院を決意する。
「人を助ける仕事をしたいんだ。」
「笑顔」が生まれた理由
アダムスは同じ患者からあだ名をもらい
”パッチ”になって病院を後にした。
冒頭でご覧いただいた
暗くて深刻な顔の男はもういなくなったのです。
本作ではこの後に続く物語で
ずっと「笑顔」が強調されて進んでいく。
ここでいったん立ち止まって
パッチが生んだ「笑顔」について
掘り下げて考えてみます。
精神病院の場面では、大きく3つの
「笑顔」が見受けられました。
![](https://assets.st-note.com/img/1683951156700-PdCREJcIav.png?width=1200)
右手が下げられないビリー。
![](https://assets.st-note.com/img/1683951221796-qTf6rEydBu.png?width=1200)
4本指の謎を誰かれ構わず問いかけるアーサー。
![](https://assets.st-note.com/img/1683951327229-3gpxIzx390.png?width=1200)
見えないリスに怯えるルディ。
全ての「笑い」に共通するのは
相手の「個性」に乗っかったということ。
下げられない右手をネタにして冗談を言う。
4本指の謎を真剣に問う。
見えないリスを一緒に退治する。
パッチは、精神障害と呼ばれる症状を
頭のおかしな行動として見るのではなく
ひとりの人間の個性として扱って、
楽しく「笑い」に変えた。
3人の患者は病院という鬱屈した環境の中で
「個性」は冷たく引き剥がされていて
ほとんど人間としては
見られていなかったのではないか。
そこへパッチが自分の「病状」を
「個性」として真剣に向き合ってくれた。
パッチはただ面白いことをやったのではなく
忘れられていた、人間としての個性を
思い出させることによって、
「笑顔」が生まれたのだと思うのです。
個性に乗っかって
もう少し、「笑顔」を掘り下げてみます。
笑いを起こしたことによって
患者の病状が良くなったかどうかは
描かれていません。
でも明らかに、笑う前よりも
生きる希望を、生気を
取り戻したように見える。
それはパッチ自身にも言えます。
![](https://assets.st-note.com/img/1683960157751-AzODu0dv1F.png?width=1200)
患者を笑わせたあとは
もれなくパッチも「笑顔」になって
自分自身も癒されたと言っています。
そして生きる道しるべを得たのです。
この後の物語は、ここで経験した
「相手を癒し、自分も癒される」という
笑いが持つ素晴らしい力を原動力にして
世界を変えていくというお話なのです。
本来、患者を治療するためにいる
医者は、ここではどんな表情だったか?
![](https://assets.st-note.com/img/1683961227095-mm2suwwbLj.png?width=1200)
パッチが入院して最初の診断。
目も合わせず資料だけを見ている。
右手が下げられないドリーで
大爆笑が湧いたときも
![](https://assets.st-note.com/img/1683961386525-86V2dUeSPK.png?width=1200)
不機嫌そうな顔でパッチを叱り
職員を呼んでセッションを中断させる。
ルディと一緒に
見えないリスと戦ってるとき
騒ぎを聞きつけた職員は
![](https://assets.st-note.com/img/1683961469520-BfWGph8vnC.png?width=1200)
扉の小窓から覗くと
無表情で不機嫌そうに去っていく。
パッチがこの後「笑顔」で世界を
変えていくにあたって
戦っていくべき相手を
「笑顔」とは真反対の表情によって
わかりやすく描いているのです。
・・・
本作の一番肝心な要素だと思う
「笑顔」について掘り下げてお伝えしてきました。
ここまで、映画では16分しか経っていませんが
パッチがこのあと進めていく人生の
根本の道しるべが、ほとんど示されたと言っても
言い過ぎではないと思います。
精神病院を退院したあと
大学に入り直して医者になっていくのですが
一貫して、どんなときも
「笑顔」を忘れずに生きていく。
必ず、相手の個性に乗っかって。
この後に続く物語は
パッチが医療界に対して
どのように「笑顔」をもたらしていったか?
というお話として見れば
綺麗に一本の筋が通ってきます。
以下、やや駆け足で
その様子を見ていきましょう。
患者に「笑顔」
パッチは勝手に病院に忍び込み
重病を患っている子供の患者を見つける。
![](https://assets.st-note.com/img/1684034337482-K1j2JLiW57.png?width=1200)
浣腸用のバルブを鼻につけて
おどけたピエロになって
![](https://assets.st-note.com/img/1684034390298-j4cESLPXJJ.png?width=1200)
子供達を笑わせる。
ナースたちが対応に困っている
頑固で偏屈な患者に対しては
![](https://assets.st-note.com/img/1684034491624-Mek86QfpNU.png?width=1200)
「死」についての定義を
あえて難しい言葉や、詩的な言い回しによって
意義づけしていく。
患者もそれに乗って
楽しげに定義を出していくと
![](https://assets.st-note.com/img/1684034768911-1Xyea0UG51.png?width=1200)
根負けしたように笑う。
サファリパークで
動物を銃で撃ちまくりたいという
夢をもった老人には、
夜に忍び込んで
![](https://assets.st-note.com/img/1684035389766-gD1QKTsETE.png?width=1200)
風船で模した動物を
ゴム鉄砲で撃ってもらう。
![](https://assets.st-note.com/img/1684035464329-jsHjtud72s.png?width=1200)
夢が叶って本当に嬉しいよ、と。
・・・
こんな具合に
患者を次々と笑顔にしていく様子をみていると
見ている私たちまであたたかい気持ちに
なってくる。
パッチの魔法がこちらまで届いてくるように。
学生に「笑顔」
パッチの目指す医者の姿は
多くの学生にとっては
受け入れがたいものでした。
物語の重要な役回りで
パッチが恋をする相手、カリンも。
![](https://assets.st-note.com/img/1684038930683-4peWQcONUF.png?width=1200)
最初は明るく話しかけても
「勉強の邪魔だから話しかけないで」
と振られる。
![](https://assets.st-note.com/img/1684112665938-fHf1Tl2pHN.png?width=1200)
実習中にも骸骨の模型を使って
笑わせようとするが
![](https://assets.st-note.com/img/1684112877621-YZSd6InYPH.png?width=1200)
笑顔を見せるのは
入学時に友達になったトゥルーマンだけ。
すごく面白いギャグなのに。
ちなみに彼はパッチの考え方に好意的で
このあとの大仕事にもおおいに協力する。
パッチと一緒によく笑う相棒になる。
勉強に集中したいカリンに対しては
試験の結果が張り出されたあとを狙う。
パッチは学年で上位の98点をとった。
79点だったカリンに対して
「成績で判断しなくていい」と声をかけて
![](https://assets.st-note.com/img/1684113193706-c74SAnLiAp.png?width=1200)
得意の話術でおどけた格好をさせて
初めて笑わせることができる。
とどめのサプライズもあった。
勉強会をすると嘘をついて
カリンを部屋に呼び出すと、
そこは風船だらけの誕生日会。
![](https://assets.st-note.com/img/1684113807044-ADP1qEtCLn.png?width=1200)
![](https://assets.st-note.com/img/1684113894756-kjKE3FfiE0.png?width=1200)
溢れかえった風船が廊下に流れ出て
その場にいた多くの学生を笑顔にする
というのが象徴的。
これでほとんどの学生を味方につけたのです。
その様子を見送って
カリンにもキスをしてもらったパッチ。
![](https://assets.st-note.com/img/1684114307259-SzPQ39Sxiv.png?width=1200)
いつもの満面の笑みが
印象的でした。
医者と「笑顔」
冒頭の精神病院のシーンで
ご覧いただいた通り、
笑顔と最も遠い存在は医者でした。
![](https://assets.st-note.com/img/1684114633161-LPJ8c91lqd.png?width=1200)
ウォルコット学部長は
逆光で現れることが多い。
ついに一度も笑いませんでした。
「我々は人間ではなく医者になるのだ」と
学生に話していて、
患者を病名と呼ぶことに疑いを持たない。
パッチの破天荒なふるまいに対して
2度も退学を言い渡す。
物語上、対極に位置している存在です。
でも全部の医者がそうかというと
笑顔を見せる医者もいました。
産婦人科の学者を招いて
研究セミナーが開かれるとき、
パッチが学生代表で迎える立場になると
![](https://assets.st-note.com/img/1684115491857-MZddPLErST.png?width=1200)
入場口に大仕掛を施し
「よこうそ子宮頸部へ」
と壮大なギャグで迎え入れたのです。
学部長は怒り心頭でしたが
![](https://assets.st-note.com/img/1684115763165-f6vColrdzp.png?width=1200)
笑わずにはいられない医者もいました。
病院について実習の期間になると
その医者は
![](https://assets.st-note.com/img/1684116040615-BonCRt5FxB.png?width=1200)
「君には感謝してるよ。
君を見てると初心を思い出す。
世界を変えてやると燃えていた時期を。」と。
パッチが考える医療の方針は
何かが間違っているわけではなく
現状では実現が難しかったのだ。
医者にも味方はいた。
このあとパッチは病院の設立という
大仕事を仕掛けていくのだが
「医療界」という最大の壁が立ちはだかる。
お元気で病院
ご覧頂いた通り、
パッチはどんな相手であっても
必ず人間としての個性に乗っかって
「笑顔」を生んでいった。
とくに助けを必要としている患者に対しては
友達のように接して、心の健康と幸福感を
なにより大事にして医療に取り掛かった。
しかしパッチがそう願えば願うほど
現状の医療制度では
実現が難しく、反発も多い。
医者を権威として扱う
業界全体の空気だったり
患者を単なる病名として見るシステムや
保険制度による高すぎる患者負担。
今のままでは
自分が志す笑顔の医者にはなれないと
パッチは思い悩んでいた。
・・・
きっかけは学生食堂のテーブルの上にあった。
![](https://assets.st-note.com/img/1684133619345-6Fjf98JvK5.png?width=1200)
ナプキンのケースと
いくつかのおもちゃを見て思いつく。
「カリンに言わなきゃ!」
深夜に呼び出されたカリンが見たものは
![](https://assets.st-note.com/img/1684133952144-AH3K8gEEGg.png?width=1200)
新しい病院のアイデアでした。
自然の中にある
鼻がついた無料病院だ。
パッチはあふれるアイデアを
カリンに早口でまくしたてる。
今までにない新しいもの。
秘密の通路やゲームの部屋があったり
ユーモアを使って患者の苦しみを和らげる。
肩書きや上下関係はなし。
生きる喜びを追求するコュミニティを作るんだ。
愛こそが究極のテーマだ!
「実現できるわけないわ」とカリン。
パッチは精神病院にいた頃の患者友達、
あの4本指の謎を教えてくれたアーサーに
話を持ち込み、土地と建物を手に入れる。
![](https://assets.st-note.com/img/1684134435649-jlKb1APwFY.png?width=1200)
ボロ小屋だった空き家を
みんなの力で、もれなく笑顔で
新しい病院に作り変えた。
![](https://assets.st-note.com/img/1684134645651-E9mY3op9c5.png?width=1200)
名前は「お元気で病院」。
ちなみに、実在のパッチ・アダムスが
実際に建てた「お元気で病院」がこちら。
![](https://assets.st-note.com/img/1684134926388-GFBrEz6w2U.jpg)
あのナプキンのケースで作ったアイデアと
すごくよく似ています。
・・・
順調に見えたパッチの夢は
同業であるはずの医者によって
妨害されることになるのです。
![](https://assets.st-note.com/img/1684136446685-LfPGiCkDC1.png?width=1200)
パッチを目の敵にしてきた
医学部長によって
「当校にふさしくない」
「医師免許を持っていないのに
病院を建てて医療行為をしている」
との理由で退学を言い渡される。
パッチは同級生に助けを求め
医学委員会に不服の申し立てをして
集会に出席することになる。
患者が医者を笑顔にする
![](https://assets.st-note.com/img/1684137842992-J3bK3NACiW.png?width=1200)
ここでの議題は
パッチ・アダムスが医師免許を持たずに
診療所(お元気で病院)で
治療行為をしたかどうか。
していたなら、違法行為にあたるので
パッチは退学処分されて、医者になれなくなる。
「治療行為をしていたのかね?」
パッチは
「うちへ来る患者を治療しました。
同時に、うちへ来る人は全員医者です。
![](https://assets.st-note.com/img/1684139891989-VNTAja8X2c.png?width=1200)
患者は他の患者を助けています。
食事を作ってあげたり、お風呂に入れてあげたり。
真剣に話しを聞いてあげる。
その意味では医者です。」
ここで「医者」の定義について
疑問を問いかける。
権威があって先生らしい者だけが医者ですか?
パッチは続けます。
「病人を訪ねて、治療する友達という定義で
十分ではありませんか?
患者来たら、世話をして暖かく迎えてあげる。
それが治療なら、私は治療しました。」
医学委員長は
「自分の行動がもたらす結果を考えてみたまえ。
患者が死んだらどうする?」
パッチ
「死は生きた結果です。
死は人間の敵じゃありません。
死より重い、無関心という病と
戦いましょう。」
後ろを振り返り、
傍聴している医学部生に向かって
続けます。
![](https://assets.st-note.com/img/1684139638884-720J3VlIzG.png?width=1200)
医者はもっと患者と触れ合うべきです。
死の予防だけが目的ではない。
患者の人生の質を高めること。
君たちを医者にするのは教授じゃない。
患者だけが医者にしてくれる。
・・・
「ですから僕は心から医者になりたいんです!」
委員会が審議に入ろうとしたとき
部屋にぞろぞろと
パッチが笑わせていた重病の子供達と
その保護者が立ち会いにやってきた。
ポケットから取り出し
その笑顔にとり着けたのは
![](https://assets.st-note.com/img/1684192952700-XX9UDKKiG1.png?width=1200)
あの真っ赤なピエロのつけ鼻。
![](https://assets.st-note.com/img/1684193539309-ZgRR7K9aH8.png?width=1200)
会場は穏やかな笑顔でつつまれて
審議の結果を待つことに。
・・・
委員会が戻って来て席についた。
「君は公衆の面前で伝統医学に培われた
医療システムを非難した。」
しかしだ。
![](https://assets.st-note.com/img/1684194045589-YhuT5iggHr.png?width=1200)
「患者の人生を向上させたいという
君の意欲には、なんの反論もない。
患者への愛情は尊敬に値する。」
「したがって我々に君の情熱を阻む必要はない。
卒業を許可しよう。」
![](https://assets.st-note.com/img/1684194976059-TE3pgWL9ip.png?width=1200)
患者の笑顔と
それを生んだパッチの笑顔が
世界を変えた瞬間でした。
![](https://assets.st-note.com/img/1684195145585-HVYoQ2UvHl.png?width=1200)
![](https://assets.st-note.com/img/1684195217820-0QKaMhdHOv.png?width=1200)
![](https://assets.st-note.com/img/1684195187704-YkfKnUyXm6.png?width=1200)
多くの拍手と笑顔に見送られながら
卒業式では
![](https://assets.st-note.com/img/1684205124180-RoTSFJd16T.png?width=1200)
「正装」を身につけて
![](https://assets.st-note.com/img/1684205174493-tYt0S60dKI.png?width=1200)
笑顔で学校を後にした。
まとめ
ここまでお読み頂き
ありがとうございました。
映画を見ながら、
パッチがここまで自分の信念を強く持って
真っ直ぐに突き進んだ原動力は
なんなんだろう?と考えたとき
どこを見ても「笑顔」があったんですよね。
もうそれは良い意味で、
ほんとクドいくらいに。
そういう意味でもパッチ役は
様々な色合いで笑顔を表現できる
ロビン・ウィリアムスでしか
成し得なかったのだと思えてきます。
残念ながら、
彼の笑顔はもう映画でしか見ることが
できなくなってしまいました。
2014年に他界されています。
でも彼によってあまねく広められた
新しい医療の形は現実の世界で
いきいきと進行しているのです。
![](https://assets.st-note.com/img/1684206322650-d3PDgrHU5D.jpg?width=1200)
パッチ本人は今もまだ健在で
ウェストバージニア州を中心にして
世界中で笑顔を生み続けているのです。
お元気で病院の公式サイト↓
ロビン・ウィリアムスが表現した笑顔によって
1000人以上の医者(公開当時)が
パッチに力を貸して、
多くの患者を幸せに導いています。
この場を借りてご冥福をお祈り申し上げます。
・・・
今回の掘り下げ話は
ロコさんよりリクエストを頂戴して
書かせて頂きました。
ここで個人的な感想を添えると、
「人と違ってていいんだ」と
心から思えてきたということです。
人との違いが個性であって
世界を変える原動力にもなり得るのだと
本作から教えてもらった気がしてます。
おかげさまで
リクエストがきっかけになって
書けば書くほど清々しい気持ちになれました。
またすごく長くなってしまい、
お待たせしてしまいました。
(すいません)
この場を借りて感謝申し上げます。
ありがとうございました。
この記事が参加している募集
ここまでお読み頂きありがとうございました。 こちらで頂いたお気持ちは、もっと広く深く楽しく、モノ学びができるように、本の購入などに役立たせて頂いております。 あなたへ素敵なご縁が巡るよう願います。