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【現代経済学の直感的方法】経済学の初心者と上級者を繋ぐ中級者のための一冊

オススメ度(最大☆5つ)
☆☆☆☆☆


〜初心者と上級者を繋ぐ一冊〜

経済学というものを勉強し始めたのは、僕はここ1〜2年の事である。
「Y = C + I」や、デフレ・インフレ、貿易、ドル、など様々な用語が経済学関連の書籍には出てくるが、その本質はよくわかっていなかった。
正直なところ、それぞれについて専門的な経済学の書籍を開いても数十ページ読み進めると、途端に理解できなくなっていき、読むのをやめてしまっていた。

要するに、経済学初学者と上級者を繋ぐ本が見つからなかったのである。

この本はまさにその2つを繋ぐ一冊であり、経済学の書籍で疑問のまま通り過ぎていた様々な疑問が読み終わった後に一気にクリアになった。

もちろん、今までの経済学の歴史だけでなくブロックチェーン、仮想通貨に関するトピックも含まれているため、まさに現代の経済学を一気に抑えるのに最高の一冊だ。


〜理系学者が書いた経済学〜

そもそも、僕は学生の頃から経済学というものが文系に分類されている事に全く納得出来なかった。
僕は理系出身なのだが、経済学には数学や数式が散々出てくるというのは知っていた。むしろ、僕は経済学を勉強したいと思っていたが、それが文系学部だということで、叶わなかった。

大人になってから経済学に関する書籍を読んで経済学を勉強しようと思ったが、度々出てくる数式について、その意味を詳しく解説してくれる本に出会った事はなかった。

そんななか、この本の著者はなんと物理学者である。また、本人は経済分野に携わった事は無いという。

この本を書いた経緯として、「経済的に変革や発展がある時には理系分野の活躍がある」「理系人が経済について無知で良いという事はない」という信念から、門外漢である経済学に関する書籍を20年かけて書いたそうだ。

理系である著者が数字を動きや流れをイメージしやすい例や図で解説してくれる本書は、元・理系人間である僕にとっては非常にわかりやすかった。

経済だけでなく世界史に絡めた経済史も語られ、得られる知識は幅広く、教養を深める一冊として非常に素晴らしい本だった。


〜自宅本棚に標準装備しておきたい一冊〜

僕は、かならずこの本を度々読み返す事になるだろう。
ニュースなどで気になるトピックが出て来るたびに、この本を読み直し、より深く経済社会について考察するだろう。
著者も、おわりにこの本がそのような本になる事を願っている。

多少、著者のシニカルな表現や独特の表現はあるものの、肌が合えば読み物としても非常に楽しめるし、得られる知識量・情報量は計り知れない。

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