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麦な酒

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ビールとか、ウイスキーとか。麦焼酎はふくまない。
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#バレルエイジング

のろわれしモノ

のろわれしモノ

稀少な故に、勿体ながっていつ飲もうかと逡巡してしまい、開け時を逸して何年何年も手元に残り続けるビールたち。

ビール愛好者の多くは、そのような「飲めないビール」を大量に抱え、冷蔵庫を唸らせていることだろう。

「飲めないビール」はビール愛好者にとって呪いであり、ビール愛好者とは須く呪われし者なのだ。

幸い私はビール専用冷蔵庫を所有していない──つまり"まだ""ただ"のビール好きだ──ため、呪いの

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ちかごろの? クラフトビールの? けいこう? ~2019年、夏の終わり~

ちかごろの? クラフトビールの? けいこう? ~2019年、夏の終わり~

飲みに行ったり買いに行ったりする時間と心の余裕が出てきたので、また少しずつビアバーとかリカーストアとかに通いはじめた。

前回から4ヶ月、くらい。
今年も早3分の2が過ぎてしまった絶望感と焦燥感に苛まれつつ、ビールのけいこうはどんなもんかな? なにか変化はあったかな? と思いを巡らせてみた。

けいこう?相変わらずニューイングランドIPA(NEIPA/ヘイジーIPA)は人気のようだ。ヘイジーはIP

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ちかごろの? クラフトビールの? けいこう?

ちかごろの? クラフトビールの? けいこう?

※2019年4月28日ブリュットIPAについて書き漏れていたので追記した

このところのクラフトビール界隈の様子をあまり覗えていない。取り残され感も甚だしく、さみしい限りである。

一昨年辺りから流行っていたニューイングランドIPA(NE IPA)ないしヘイジーIPAの勢いは、まだまだ続いているのだろうか。

IPAの流れなら、その前くらいに、ベルギーの歴史あるブルワリーがアメリカン・スタイルにイ

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好きブルワリー好きビール(6)ミッケラー

好きブルワリー好きビール(6)ミッケラー

(5)ローベルビア

デンマークのミッケラー Mikkeller は、自前の醸造所を持たないファントム・ブルワリーだ。
そのビールの多くはベルギーのドゥ・プルーフ醸造所 De Proefbrouwerij で造られている。

非常に多産なブルワリーで、ひとつひとつの銘柄の醸造量は多くないが、既に世に送り出したビールは1000銘柄を超えるようだ。
他ブルワリーとのコラボレーションも活発で、エクスペリ

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好きブルワリー好きビール(4)ブラッセルズ・ビア・プロジェクト

好きブルワリー好きビール(4)ブラッセルズ・ビア・プロジェクト

(5)ローベルビア
(3)BFM

ベルギーの革新的ブルワリー。
面白げなビールをたくさん造っている。

トワイライト・ゾーン・シリーズ Twilight Zone serieモンスターの名前をつけられた、バレルエイジング・シリーズ。
●ミノトール Minautore:インペリアル・レッドエールをブルゴーニュ・ワインの樽でエイジング
●レヴィヤタン Leviathan:ベルジャン・ダーク・ストロン

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好きブルワリー好きビール(3)BFM

好きブルワリー好きビール(3)BFM

(2)ヌウグナ=エウ
(4)ブラッセルズ・ビア・プロジェクト

スイスのBFMだ。
正式には Brasserie des Franches-Montagnes という。
すばらしいブルワリーだ。

ラ・クヴェ・アレクス・レ・ルジュ La Cuvée Alex le Rouge アールグレイ茶葉とバニラ、黒胡椒で香りつけしたインペリアルスタウト、ABV10.276%。

アールグレイとバニラが、イン

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好きブルワリー好きビール(2)ヌウグナ=エウ

好きブルワリー好きビール(2)ヌウグナ=エウ

(1)ブリュードッグ
(3)BFM

ヌウグナ=エウ Nøgne Ø はノルウェーのブルワリーだ。

いまはヌグネという呼び方が公式で定着しているようだが、カタカナ表記が定まっていなかった頃の読み方のひとつであるヌウグナ=エウの方がエキゾチックで好きだ。
そしてもちろん私にとってヌウグナ=エウは、インペリアルスタウトとバレルエイジングのブルワリーである。

なお、このブルワリーはヨーロッパで唯一の

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好きブルワリー好きビール(1)ブリュードッグ

好きブルワリー好きビール(1)ブリュードッグ

(2)ヌウグナ=エウ

パンクIPAでお馴染み、みんな大好きブリュードッグ BrewDog だ。

このところよりレアでよりマニアックでよりエクストリームなビールがどんどん輸入されてきているが、その流れに全くついていけておらず、2年くらい前から取り残されたまま、昔飲んだビールを懐かしむという、昔は良かった老人のような日々を過ごしている。

ブリュードッグといえば強烈なインパクトのIPAが真っ先に思

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ビールとウイスキーとコーヒーと、そのほかのいろいろ。原料や製法でつながる、好きなものたち。

ビールとウイスキーとコーヒーと、そのほかのいろいろ。原料や製法でつながる、好きなものたち。

ビールとウイスキーとコーヒーが好きだ。
その好きなものたちがすべて、バレル・エイジングで繋がっていることを最近知った。

ウイスキーに使われた樽をビールのエイジング/フィニッシュに使う。さらにこのビールに使われた樽をウイスキーのエイジング/フィニッシュに使う。樽の循環!
これはジェムソン(ジェイムソン)をはじめとするいくつかのディスティラリー、そしてそれに呼応するブルワリーで行われていることは過去

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世界一強いビールとビールのアルコール度数を高める方法

世界一強いビールとビールのアルコール度数を高める方法

世界で最も強いビールは、スコットランドの Brewmeister という醸造所で造られた Snake Venom というビール。ABV67.5%、一般的な蒸留酒をも上回るアルコール度数だ。
現在ではもう造られていないっぽいが、今のところ、これを超えるビールはまだ現れていないようだ。(2018年11月6日時点)

醸造によるアルコール度数の上限は20%程度であるという(酵母が保たない)。
ではいかに

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天使の分け前とか、悪魔の取り分とか。

天使の分け前とか、悪魔の取り分とか。

アルコール飲料を木樽に貯蔵しておくと、貯蔵期間に応じて液量が減少することはよく知られている。

木の樽は呼吸しており(詩的な表現)、アルコール分や水分が蒸発して、減るのだ。
その減った分を天使の分け前、エンジェルズ・シェアと言う。

一方、樽に染み込んだまま残ってしまう分があり、これを悪魔の取り分、デヴィルズ・カットと言う。のだそうだが、この概念は今のところ、ジムビームしか提唱していない。っぽい。

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ビールの樽で熟成したウイスキーに、興味がある。

ビールの樽で熟成したウイスキーに、興味がある。

ウイスキーの樽でエイジングしたビールは、もうさほど珍しいものではないですね?

ビールの樽でエイジング(ないしフィニッシュ)したウイスキーはまだ珍しいかな?

ビアバレルエイジド・ウイスキー。
今日本で普通に買えるのは、アイリッシュウイスキー、ジェムソン(ジェイムソン)のカスクメイツというやつ。そのスタウト・エディション。たぶんこれだけ。
スタウトは Franciscan Well という醸造所の

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