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映画解釈・考察

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2020年9月の記事一覧

【映画解釈/考察】『ザ・スクエア 思いやりの聖域』「資本主義と倫理の間を逃走する現代美術の理性 」

【映画解釈/考察】『ザ・スクエア 思いやりの聖域』「資本主義と倫理の間を逃走する現代美術の理性 」

『ザ・スクエア 思いやりの聖域』(2017) リューベン・オストルンド監督

本作は、「フレンチアルプスで起きたこと」のリューベン・オストルンド監督作品で、カンヌ国際映画祭で、パルムドールを受賞しました。「フレンチアルプスで起きたこと」と同様に、危うい人間の理性の本質を執拗に突いてくる作品で、本作は、現代美術または、現代美術館がターゲットになっています。

そして、冒頭の場面から、この映画の主題

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【映画解釈/考察】『Love Letter』(1995) 「ラカンの"手紙(思い)は必ず宛名(相手)に届く"」

【映画解釈/考察】『Love Letter』(1995) 「ラカンの"手紙(思い)は必ず宛名(相手)に届く"」

『Love Letter』(1995) 岩井俊二監督『ラストレター』(2020) 岩井俊二監督

映画『Love Letter』の公開から25年経った2020年岩井俊二監督によって再度、「手紙」を題材にした映画『ラストレター』が、公開されました。

『ラストレター』も、とても良い作品なのですが、観たあとだと、さらに『Love Letter』が、奇跡的なストーリー(構成)で、より素晴らしく感じら

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