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詩20230626-

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詩 20230626-
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#音楽

詩:音楽家志望の耄碌

詩:音楽家志望の耄碌

呆けた老人が言う

私はピアニストになりたい
ピアノなんて家にないよ
と私が言う
にこやかに黙る老人

私はギタリストになりたい
ベースならあるよ
と私が言う
にこやかに黙る老人

私は音楽をやりたい
なぜ今までやってこなかったの
と私が言う
にこやかに黙る老人

詩:失恋した時はとびっきり悲しい音楽を聴く

詩:失恋した時はとびっきり悲しい音楽を聴く

失恋した時はとびっきり悲しい音楽を聴く
悲しい音楽を聴くと悲しんでいる顔が浮かんでくる
ぼくは悲しんでいる音楽を抱きしめ慰める
それはすなわち
悲しいぼく自身を慰めることとなる

詩:日記・バンドの音

詩:日記・バンドの音

ドラムの音にあわせて元気よく
シンセの音にあわせて元気よく
ベースの音にあわせて元気よく
ギターの音にあわせて元気よく
そして
力強いボーカルが朝を彩る

耳に流れてくる
美しいバンドの音は
気分が上がるね

詩:坂本龍一さんに捧ぐ

詩:坂本龍一さんに捧ぐ

今日はあなたの一周忌

かつてあなたが込めた想いを

私はまた静かに聴く

あなたの好きだった雨

雨の音があなたの音楽を奏でるように

美しく

儚く

散りゆく音符

あなたの苦痛はどんなものだっただろう

あなたの恐怖はどんなものだっただろう

私にはまだわからない

私はあなたの遺した音楽を聴く

散りゆく花を愛でるように

あなたはなぜ死んでしまったの

あなたの音楽をもっと聴かせてほし

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詩:詩と人には音がある

詩:詩と人には音がある

    詩にも音がある
    音を感じることができる

だから
    人は詩を歌う

    歌は皆詩である

そして

    詩を歌う人も音である

    人の生も音である

そう

    人は音から生まれ音に死ぬのだ

詩:聴け

詩:聴け

聴け

我が主は音楽
この世のすべては音楽でできている

聴け

外に内に耳を傾けよ
音楽はそこにある

聴け

詩:スケッチ

詩:スケッチ

無音を雑音を音楽に求める
無音がない音楽はない
雑音がない音楽は本来ありえない
それならば
雑音も無音も曲にしてしまえばいい

 息づかい
鼓動
 残響

 声
拍手
 衣擦れ
調律
 間

詩:音楽を我等に与えたもう

詩:音楽を我等に与えたもう

音楽を我等に与えたもう

今世の中には歌が氾濫している
しかし
ほんとうに音楽が世に行き渡っているとは到底思えない
ほんとうの歌を唄いたい

音楽を我等に与えたもう

詩:死んだ言葉は響かない

詩:死んだ言葉は響かない

死んだ言葉は響かない

その言葉たちには音がない

音がなければ響かない

声に出せというわけではない

声に出してもまったく響かない言葉が

この世にどれだけあるか!

重みのある言葉だけが

言葉だけにしかできない言葉だけが

音を奏でられる

死んだ言葉は響かない

詩:音楽と自然

詩:音楽と自然

音楽が都会を奏でる

それを人は

饒舌すぎると言った

衰弱であると言った

尖端的な末梢神経の異常な膨らみと言った

自然風景に音楽する

それが芸術だと

しかし人は都会に住む以上

自然と調和することは永久にできない

ああ!このジレンマ!

田舎暮らしをしろというわけではない

人はどこでも住み生きれば自然との均衡は崩れてしまう

自然と完全には相容れない人間

だが人間もまた自然の一部

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詩:音楽はいつまでも

詩:音楽はいつまでも

坂本龍一、高橋幸宏、忌野清志郎、デヴィッド・ボウイに敬意を込めて。

音楽はのこっていく

死んでしまった人は演奏はできないが

生きている人が演奏をつなげば

音楽はいつまでもどこでも奏でられる

音楽はいつまでも……、

死んでしまった人は歌うことはできないが

生きている人が歌い出せば

音楽はいつまでもどこでもよみがえる

音楽はいつまでものこっていく

音楽はいつまでも……、

詩:さいごの音楽

詩:さいごの音楽

人はさいごにどんな音楽を奏でるのだろう

人生とは音楽である

(物語でもある)

君の音色を聴かせてほしい

音楽は自由なのだから