たったひとつの冴えない武器
小説をちゃんと書き始めて、丸1年が経ちました。
ほんの数文字で伝えられる言葉を物語にのせて、何十万字もかけて伝える行為は、とんでもない所業です。小説家って、正気じゃないと思います。
言葉ではない芸術、言葉がなくても伝わる信頼関係、とても素敵なことだと思う。言葉がいらないことは、なんだかとても善いことのように描かれがちだ。
でも私たち物書きは、言葉にしか頼れない。世の中に張り合う術が、これひとつしかない。あるときは頼りなく無力にも思える、ただの言語。たったひとつの冴えない