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余命1ヶ月弱の父とその家族に、どこまで残酷な時間を与えれば気が済むんですか。神様、ねえ。

余命1ヶ月弱の父親へ向けた、罪悪感からくる保身行為ブログ①】←序章です

ついに父は、立ちあがることが出来なくなってしまった。
今までは身体を起こしてあげさえすれば、私たちの補助付きでなんとか動くことは出来た。トイレに行ったり、リビングのソファーに座ったり。

しかし昨日の昼くらいから様態が一変。
身体に全く力が入らなくなり、こちらも補助をすることが難しくなってしまったのだった。
温かいお茶が飲みたいというので、少し上半身を起こそうとしたところ、「痛い」「痛い」と苦しそうに呻きだし、そのままベッドにばたり。
シーツが汚れても変えてあげることができないので、家じゅうのタオルを総動員してなんとかお茶を濁している。

昨夜、突然黒い液体をドバドバ吐き出して、「やばい、吐血だ」と大慌てしたものの、それは朝に飲んだアイスコーヒー・・・。
ホッと胸をなでおろしたのもつかの間。今朝には本物の血を吐いてしまった。
血が混じった黒い便も大量に出ており、体のものがどんどんなくなってゆくのが目に見えてわかる。
人差し指に装着するパルスオキシメーターも、冷たくなった指先には無反応。酸素カニューレを鼻に突っ込み、闇雲に抗うのが精一杯。
薬を飲んでも吐き出してしまうので、痛みや苦しみを緩和させてあげることも出来ない。

言動も支離滅裂になってきた。
目はうつろで、自分の体の向きが横向けか仰向けかもわからないよう。
「この病気、誰かに移ればいいのに」と冗談交じりで言っていた昨日の姿はどこにもない。

一分一秒が気の遠くなるほど長く、目に映る景色が夢なのか現実なのか、いちいち嚙み砕いている自分が情けない。

小さな1家族に、ここまで残酷な時間は必要なんですか。神様、ねえ。

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