オオニシタカキ【文豪/IT業務ハッカー】

●文豪(駆け出しの小説家・エンタメクリエイター)/IT業務ハッカー(業務改善・自動化屋…

オオニシタカキ【文豪/IT業務ハッカー】

●文豪(駆け出しの小説家・エンタメクリエイター)/IT業務ハッカー(業務改善・自動化屋) ●北海道→名古屋 ●好き:エンタメ・IT・サイエンス・スポーツ・時々料理 ●各種リンク:https://lit.link/takakionishi

最近の記事

辿り着いた過ち ~8.真相&エピローグ~

※この作品は、短編ミステリー小説のコンテストへ応募するために執筆したものです。 前回はこちら→辿り着いた過ち ~7.決戦~ 8. 「!ほう、そんなものがあるのかね?」 薄ら笑いを浮かべながら、里中が返す。 「はい。残念ながら、副社長が何も知らないことを示すものではないのですが、代わりに専務が事件に関わっていることを示すエビデンスが、あります。」 「そ、そんなバカな…?」 それまで余裕そうな様子だった里中が、初めて動揺を見せた。美里はゆっくりと、順番を間違えないように話を続け

    • 辿り着いた過ち ~7.決戦~

      ※この作品は、短編ミステリー小説のコンテストへ応募するために執筆したものです。 前回はこちら→辿り着いた過ち ~6.つながるピース~ 7. 15分後。美里、今野、金丸の3人は、里中の役員室入口前に来ていた。 「よし。準備はいいかな?」 「はい、よろしくお願いします。」 美里の返答とともに、金丸がコンコンとドアをノックする。 「金丸です。失礼するよ。」 「はい!どうぞー。」 中から、男の声で返事があった。それを聞いた今野の表情が、一段と引き締まる。そして、無言で2人のほうを見

      • 辿り着いた過ち ~6.つながるピース~

        ※この作品は、短編ミステリー小説のコンテストへ応募するために執筆したものです。 前回はこちら→辿り着いた過ち ~5.接触~ 6. 「ん?一体、何の話だ?」 理解の追いついていない金丸をよそに、美里は今野のほうを見る。 「そっか、今野くんって犯人の声聞いたんだっけ?」 「ああ。さっきから電話越しに聞いてたけど、少なくとも金丸副社長じゃない。」 「そんな…。じゃあ、いったい誰が、社長を…?」 せっかく目星をつけた犯人候補が違うと分かり、うなだれる美里。その間に、金丸が割って入っ

        • 辿り着いた過ち ~5.接触~

          ※この作品は、短編ミステリー小説のコンテストへ応募するために執筆したものです。 前回はこちら→辿り着いた過ち ~4.内偵~ 5. 「ちょうど良かった。私も、君に聞きたいことがあってずっと探していたんだ。」 真剣な眼差しでそう言いながら、金丸はゆっくりとした足取りで美里のほうへ歩いてくる。その威圧感に押されないよう全身をこわばらせながら、美里も負けじと金丸に歩み寄る。 「はい。何でしょうか?」 「もうわかっていることだと思うが、谷山社長が亡くなった。状況からして、何者かに殺さ

        辿り着いた過ち ~8.真相&エピローグ~

          辿り着いた過ち ~4.内偵~

          ※この作品は、短編ミステリー小説のコンテストへ応募するために執筆したものです。 前回はこちら→辿り着いた過ち ~3.隠密行動、開始~ 4. バタンとドアを閉め、振り返る美里。奥にある副社長のデスクには、誰も座っていない。どうやら、金丸は席を外しているようだ。美里はスマホを取り出し、今野にメッセージを送った。 『副社長室に来ました』『誰もいないみたいです』 『何か手がかりがあるかもしれない』『少し部屋の中を調べてみてもいいかも』 確かに幸か不幸か、直接すぐ金丸を問い詰めること

          辿り着いた過ち ~3.隠密行動、開始~

          ※この作品は、短編ミステリー小説のコンテストへ応募するために執筆したものです。 前回はこちら→辿り着いた過ち ~2.避難~ 3. 『ところで犯人が具体的に誰か、当てはありますか?』 こんなしがない製薬会社でも、社長以外に役員は十人弱いる。しかし、顔が見えなかったとはいえ風貌から重役と推測できた以上、もしかしたら少しは思い当たる節があるのかもしれない。そう思った美里は、まず今野から情報を引き出してみることにした。 『俺も役員についてはそこまで詳しくないが』『そんなに大柄じゃな

          辿り着いた過ち ~3.隠密行動、開始~

          辿り着いた過ち ~2.避難~

          ※この作品は、短編ミステリー小説のコンテストへ応募するために執筆したものです。 前回はこちら→辿り着いた過ち ~1.ことの始まり~ 2. 少し安全な場所へ移動できたこともあって、一気に全身の力が抜けた美里はそのまま入口のドアにもたれかかり、ずるずるとしゃがみ込んだ。スマホ片手に首を垂れながら、ぐるぐるしている頭が落ち着くのを待つ。 (一体、何が起きているんだろう?私、これからどうすれば…) そんなことを考えていると、ふと胸元についている作業着のポケットに目が留まった。よく見

          辿り着いた過ち ~1.ことの始まり~

          ※この作品は、短編ミステリー小説のコンテストへ応募するために執筆したものです。 1. 「うー…ん…。」 (あれ…?私、寝てた…?ここは、どこだろう…?) 床で横向きに眠っていた美里が、目を覚ます。頭はぼんやりしており、なぜ自分が眠っていたのかも分からない。 ゆっくりと体を起こし、辺りを見回してみる。そこにあったのは、見慣れた高級なデスクと肘掛けチェア、そして応接用のテーブルとソファだった。 (ん…?ここは、社長室…?そうだ、私、さっきまで仕事してなかったっけ…?) 紛れもな

          辿り着いた過ち ~1.ことの始まり~

          【妄想シチュエーション#15】バレンタイン「ドキドキの、初チョコ渡し」

          ※この記事は、知人のSHOWROOM(URL:https://www.showroom-live.com/118951049549)で不定期に開催されている企画「妄想シチュエーション」に応募したラジオドラマ作品です。 … (モブ女子サクラ)「そうそうナオミ、明日一緒にチョコ買いに行かない?」 (ナオミ)「いいよー。じゃあ、いつものように名駅の金時計集合で行く?時間はどうしよう?」 明後日は、バレンタイン。 ウチらのグループは毎年、女子同士で集まって、チョコ交換するのが恒例

          【妄想シチュエーション#15】バレンタイン「ドキドキの、初チョコ渡し」

          神様は、意外と僕たちを見てくれているのかもしれない。

          サムネイル:写真ACより(URLはコチラ) これは、端から見れば大したことはないかもしれない、しかし本人からしたらまるで神様が見ているかのごとき奇跡の連続としか思えない、虫歯との文字通り1mmを争う攻防戦の記録である。 1.ことの始まり「これは知覚過敏ですね…ん、ちょっと待って? あの…今すぐ麻酔して削ってみてもいいですか?」 いろいろあって以来、きちんと自分を幸せにしよう、と心に決めてはや半年。 歯列の矯正中なので虫歯に一層気をつけなければならない時期というのもあるが

          神様は、意外と僕たちを見てくれているのかもしれない。

          【妄想シチュエーション#14】クリスマス「頑張ってるあなたへの、クリスマスプレゼント」

          ※この記事は、知人のSHOWROOM(URL:https://www.showroom-live.com/118951049549)で不定期に開催されている企画「妄想シチュエーション」に応募したラジオドラマ作品です。 … (モブ女上司)「オカダさん、まだできてないんですか?こうなる前に相談してくださいって、前から言ってますよね?」 (オカダ)「はあ…すみません。」 (モブ女上司)「もういいです。で、いつ終わるんですか?私、予定あるんで、定時で帰りますけど。」 (オカダ)「え

          【妄想シチュエーション#14】クリスマス「頑張ってるあなたへの、クリスマスプレゼント」

          【妄想シチュエーション#??】紅葉「紅葉狩りから始まる、運命の出会い」

          この記事は、知人のSHOWROOM(URL:https://www.showroom-live.com/118951049549)で開催されている企画「妄想シチュエーション」に応募予定だったラジオドラマ作品です。 ※不定期の配信になったことに伴い、本記事が初発表です … ブン、ブン、ヴィーン…。 いま、オレは1人バイクに乗って、紅葉がきれいな秋の山道をツーリングしている。 本当は家で寝っ転がってたいところなんだけど、こうでもしないとなかなか落ち着かない。 てかなんなんだよ、

          【妄想シチュエーション#??】紅葉「紅葉狩りから始まる、運命の出会い」

          ―それ以来、僕は「人助け」することをやめた。

          ―いまから話すことは、とある人間の、話すのも恥ずかしい、いや、できることなら誰にも知られたくない、墓場にまで持っていきたい昔話と、その人間が今どうしているのか、という話である。 秋か、もしくは初冬の夜長か、そういう時の暇つぶしくらいで聞いていってもらえればと思う。 … そいつは、昔から困っている人を手助けするのが好きだった。 大学の同期が課題で分からないところがあれば、進んで自分が分かっている箇所を教えてあげた。 バイト先の同級生が仕事を抱え込んでしまうところを見ると、積

          ―それ以来、僕は「人助け」することをやめた。

          【妄想シチュエーション#13】ハロウィン「凸凹夫婦&娘、ハロウィンへ行く」

          ※この記事は、知人のSHOWROOM(URL:https://www.showroom-live.com/118951049549)で毎週水曜日に開催されている企画「妄想シチュエーション」に応募したラジオドラマ作品です。 前作はこちら→【真夏の妄想シチュエーション#5】文化祭で気になるあの子と…胸キュン「身長差男女の学祭マジック」 … 今日は、ダンナの会社のハロウィンイベント。 娘のアイも初めての参加ということで、前日から大はしゃぎだ。 (アイ)「お父さん、お母さん、似合っ

          【妄想シチュエーション#13】ハロウィン「凸凹夫婦&娘、ハロウィンへ行く」

          【妄想シチュエーション#12】理想の秋デート「美女と野獣、初めての遠出」

          ※この記事は、知人のSHOWROOM(URL:https://www.showroom-live.com/118951049549)で毎週水曜日に開催されている企画「妄想シチュエーション」に応募したラジオドラマ作品です。 前作はこちら→【妄想シチュエーション#7】最高の修学旅行「不器用のち、青春の修学旅行」 … 今日は、2人で行く、初めての遠出デート。 部活の試合より緊張してる。夜も全然寝れなかった。 眠い目をこすりながら、集合場所の高速バス乗り場で待っていると、いつもの制

          【妄想シチュエーション#12】理想の秋デート「美女と野獣、初めての遠出」

          【妄想シチュエーション#11】お月見「月が、綺麗ですね」

          ※この記事は、知人のSHOWROOM(URL:https://www.showroom-live.com/118951049549)で毎週水曜日に開催されている企画「妄想シチュエーション」に応募したラジオドラマ作品です。 … 今日は、私の送別会。 離れて暮らす親の体調が思わしくないため、急遽いまの会社を退職して地元に帰ることになった。 会もお開きになって、同期の子たちとも「ミヅキ、また連絡するね。」みたいな感じで別れ、1人さびしく家に帰ろうとすると、かつての先輩が声をかけて

          【妄想シチュエーション#11】お月見「月が、綺麗ですね」