溢者
「不安と恐怖です」
電話口でいつも言った
明け方まで何軒も何軒も
会える先生を訪ねて回った
私みたいな溢者は
金を持たなかろうが
先生と喧嘩になろうが
何がなんでも欲しい物を
手に入れないと収まらない
不安と恐怖はそれほど手強い
「もう切らしてもらいます」
電話口で言われるようになった
一つまた一つかける処が無くなる
会える先生はただでさえ少ないのに
悪意を持った相手にしか見えない
危害を加えようとグルになって
搾取しようと狡猾になるのだ
関わる人みんなそう見える
意識が混乱を招いてるだとか
意識に人格を覚えてしまう
私みたいな溢者だから
騙してもいいのか
「ケーサツを呼びますよ」
ゴネ捲った末言われる
溢者には通用しない
好きにすればいい
こんな風だから朝にもなる
不安と恐怖は頗る手強い
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