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2023年12月の記事一覧

カオスで意味がわからなくて、センスオブワンダーのあふれた世界

カオスで意味がわからなくて、センスオブワンダーのあふれた世界

エリザベス・ムーン著、「くらやみの速さはどれくらい」(早川書房)を読んだ。SFのタイトルってかっこいいものが多い気がする。「くらやみの速さはどれくらい」って単純にかっこよくないですか。ネットで他の方が「原題は"The Speed of Dark"だから直訳すると"くらやみの速さ"のばずなのにそれに"どれくらい"を加えるのが粋」みたいなことをおっしゃられってて確かにな~と思った。

たくさんの方が作

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金融初心者

金融初心者

神谷俊彦監修、「図解でわかる金融のしくみ いちばん最初に読む本」(アニモ出版)を読んだ。私はほとんど金融の知識がないので、さすがに資本主義社会で生きている一人の人間としてそれはどうなんだ、ということで最初の一冊目としてわかりやすそうな本書を買った。なんせタイトルに”いちばん最初に読む本”と入っているから、文字通り(高校の政経の教科書はノーカウントとして)金融についての本として一冊目に読んだ。

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研究とは呼べない自由研究

研究とは呼べない自由研究

松崎有理著、「シュレディンガーの少女」(東京創元社)を読んだ。本作は短編集で、テーマとしては「ディストピアxガール」らしい。それぞれの短編の女性主人公がディストピアでどのように生きていくのかを書いている。個人的には長編と短編集だと少し読み方というかが変わる気がする。私は長編だと一度集中すると大体そのままがーっと最後まで行ってしまうことが多い。一方短編集だとお話がいくつか入っているのでそれぞれの話が

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結構ぶっ飛んでた

ミランダ・ジュライ著、「最初の悪い男」(新潮社)を読んだ。前回、数学の本を読んで頭がひーひー言ってたので、今回は小説だからさらさら読めそう~とか思ってたけれど、甘かった。特に個人的には前半が読みにくく感じた。後半は物語の続きが気になって夢中になって読み進めることが出来ました。本についてた帯によると、第9回Twitter文学賞[海外編]一位の作品らしい。どんな賞なのか詳しくは存じ上げていないのだが、

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線形代数

私は一年に一回くらい数学に感動して数学の勉強にとてもモチベーションが上がる時期がある。だけどこれは一過性のもので残念なことにしばらくすると、やはり数学の難しさから勉強をしたくなくなり、いつのまにか数学をしなくなっている。
今年もそんな時期が夏頃にあった。いつのまにか勉強しなくなっていて、また来年頃勉強するかなとか思っていた。
が、なぜか最近、馬場敬之著のマセマの線形代数を読んだ。別に今数学へのモチ

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読んでもわからんかった

ベンジャミン・カーター・ヘット著、「ドイツ人はなぜヒトラーを選んだのか 民主主義が死ぬ日」(亜紀書房)を読んだ。
私は高校生のときに真面目に勉強していなくて、今でも少し後悔しているのだが、そのおかげで世界史の知識はほとんどないのである。最近YouTubeでTryの世界史の映像授業を少しずつ見ていて第二次世界大戦が終わって冷戦のときにインドが独立するところまで見終わった。余談ですけど、YouTube

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短気すぎだろ!

ピーター・トライアス著、「ユナイテッド・ステイツ・オブ・ジャパン」(早川書房)を読んだ。表紙と最初の数ページに描かれているロボットの絵がかっこいいですね。海外のロボットのデザインは苦手なときもあるのだが、今回のロボットのデザインは個人的に好きだ。

ここから先はネタバレ。

舞台は第二次世界大戦で日本がアメリカに核爆弾を落とし、日本とドイツが勝利した世界だ。主人公のベンは日本軍に所属し、アメリカに

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価値観の変遷

チェ・ウニョン氏の「明るい夜」という小説を読んだ。出版社は亜紀書房。恥ずかしながら存じ上げていない出版社だったので少し調べてみると海外、特に韓国の翻訳ものを多く出している出版社らしいことがわかった。
韓国の本はもしかしたらずっと昔に読んだことがあるかもしれないが、もう記憶にないくらいなので初めて韓国の小説を読む気持ちで読み始めた。

ここからはネタバレを含むかもしれません。嫌な方はこれ以上読み進め

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