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人違いです・・・採用広報チームに入れてはいけないライターがいます

採用広報の仕事をしていると「うちでも頼むよ」以上にいただく話が「なんかうちのライターがおかしい気がする。診て」です。医者か何かと思っていただけているのかもしれません。徳を積むチャンス。

◆採用広報ライター、チェンジ?この症状が出たら黄色信号◆

聴いてみると症状としてはこんなものが出ているようです。

●社員の魅力が文章で表現されていない
●「ライターが思う魅力」になっていて、求職者が感じる魅力が出ていない
●修正を求めても「私はこれでいいと思います」と応じない
●疲れた
●夜眠れない
●なのに明け方起きてしまう

4つ目以降が一番深刻ですね。ほんと、採用担当者✖️スタートアップがかけ合わさると寝てないひとが多すぎです。ネテクダサイ。

◆採用広報ライターの採用ミスは「人違い」が9割◆

これらの症状の原因は「その方はライターではありません」です。「人違いです」が9割なんですよね。

今回も「ちょっと診て」と言われて見たライターの方(WAさんにします)の公開プロフィールページには「自分以外のことを書いている」形跡がないのです。「私がライターをはじめて人生を変えた理由」といった趣旨のものだったり「いまWebライターになるのはあり?なし?」といったものだったり。

「なんでこのひとを採用したんですか?」と聞いたら「SNSのフォロワーが多くて、共感される文章を書けそうだから」でした。

またか・・・数字の魔力・・・フォロワーの数は結果であって、見るべきはその原因です。つまり「何を書いてフォロワーが集まってきたか」です。

私、WAさんのTwitterとInstagramを見てきました。するとWAさんについて書いている内容が9割でした。「●●が9割」が好き。

「自分のことを書いてひとを集める」は採用広報ライターとは別の能力なんですよね。インフルエンサーやアーティストといった「自分を深く抉って、自分をコンテンツにする職業」のひとの能力です。

なので、このWAさんに活躍いただくには「自由に会社に来ていただいて、魅力だと思ったことを好きに書いてください」と伝えることです。そうすると、この方の主観=フィルターを通じて会社の魅力が発信されるようになります。

これで眠れる夜を過ごせます。ネテクダサイ。

◆「自社の魅力を引き出せる」採用広報ライターの特徴◆

でも、相談してくださった方はまだ眠れなそうです。「主観で書かれたら困っちゃうよ〜また早朝覚醒しちゃうよ〜」と唸っていました。

なので、真逆のライターを採用する必要があります。「自社の魅力を客観的に引き出す」ライターですね。

そんなライターかどうかを確かめる基準はシンプルです。「自分以外を書いた実績があるか」です。例えばインタビューや取材です。書評や商品レビューもその実績に入ります。

さらに踏み込むと「魅力」も深掘りする必要があります。採用担当者が思う魅力を優先しない方がいいんですよね。優先すべき「魅力」は、求職者にとっての魅力です。

だから、「良い」採用広報ライターを見極めるには「自分以外のことを書く経験の多さ」と「採用したい層が思う魅力を理解しているか」です。しかも、優先すべきは後者です。どう書くかよりも、何を書くかを理解していることの方が大事です。どう書くか=Howはすぐに身につきますが、何を書くか=Whatは人間理解の領域なので、すぐに身につきません。

◆採用広報ライターはライターである必要はない◆

というようなことを相談してくださったひとと話していると「てことは、採用広報ライターはライターじゃなくて良くない?」と鋭いご指摘を。そうです。採用広報のコンテンツをつくるときには、必ずしもライターという肩書きで仕事をしているひとが必須ではありません。

理由は前述した通りです。どう書くかよりも何を書くか、つまり「採用したい層が思う魅力を理解している」ひとであるかが最も大切な採用広報ライターを採用する基準になります。

なので、採用したい層の性格に近い社員の方を採用チームに入れるのが一番いいんですよ。社員の方にいませんか?やたら他者目線がある方が。


最後に、相談してくださった方はとても納得した顔をしてこう言いました。「佐野さん、うちが中途採用したいひとがどんな会社に転職したいか、わかる?」と。

きた、お仕事オファー。

佐野答える。

「さっぱりわからないですね〜」。

こうしてまた仕事獲得のチャンスを自分で消しました。

でも、これで相談者の方はこれから採用広報ライター候補の方に「書けますか?」とは聞かず「求職者の気持ちを理解できますか?」と聞くようになるはずです。

そしたら、眠れぬ夜を過ごすこともなくなるでしょう。おやすみなさい。

仕事よりも徳を優先する。また採用広報チームをひとつ救ったぜ。

診断サービス、始めるか。

◆トップ画像はトウユウジさんのイラストです◆

トップ画像はトウユウジさんのイラストをお借りしました。採用広報チームに適したライターかを診断するサービスとして「プロフィールを見たら◯か✖️かが浮かび上がってくる・・・見える・・・」みたいなことしたいですね(笑)。

素敵なイラストをありがとうございました。

CM〜team「最高の会社の辞め方」、退職学グループをはじめました〜

「最高の会社の辞め方」を通じて、個人が「働きたい(貢献)、暮らしたい(大切な人との時間)、遊びたい(純度の高い自分に戻る時間)」を実現しながら会社にも貢献する働き方を模索しています。

詳細はマガジンで更新していきます。

アルムナビさんで連載もはじまりました!ご意見、ご感想、質問、リクエストお待ちしています。祝、ランキング1位!(になっていたときもある笑)

◆第一回目:退職は「仕事・生活・遊び」を諦めない働き方をつくる絶好のチャンス/最高の会社の辞め方 Vol.1

◆第2回目:「あの人にしか依頼できない」オンリーワン人材になる「退職デザイン」とは/最高の会社の辞め方 Vol.2

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日本の退職の歴史と個人と会社の関係(Organization Relationship)の仮説を立て、退職学をはじめました。

「働きたい(貢献)、暮らしたい(大切なひととの時間)、遊びたい(純度の高い自分になる時間)」を叶える「守りのキャリア論」を展開していきます。

そのチームのグループと運営チームができましたので、興味を持ってくださった方はご連絡ください。ご招待します〜!アルムナイや退職市場に興味ある方、ぜひ。

現状は17名のメンバーで運営しています。人事、研修、マーケティング、営業、ライティング、編集、コンサルタント、コーチング、調査、エンジニア、会計のプロフェッショナルが集まっています。年齢も20代〜60代と幅広いです。

〜自己紹介〜noteを毎日更新して220日目〜

佐野創太 

サービス・採用広報チーム・Webメディアの編集長、聴き手です。
「届けたい相手へのメッセージを無理なく届け続ける」発信体制を立ち上げています。

最近は退職学の研究者として、「最高の会社の辞め方」をチームで発信しています。

その他の活動としては、ミュージシャンのインタビュアーをしています。ゴールデンボンバーやキズといったヴィジュアル系バンドや、ちゃんみなさんのお話を伺ってきました。結論、ミュージシャン最高。

プライベートではソロ男からの妻ファーストな共働き夫、1児の父です。「睡眠不足の魔の8段階」の最終フェーズに入ったような気がします。

経歴は荒れています。就活迷子→会社員→転職→早期退職→無職→出戻り→独立→複業編集フリーランス(今)です。もう正社員市場、人材市場には相手してもらえなくなりましたなぁ。

ざっとまとめるとこうなります。

【所属、複業先、属性】
◆人間関係をテーマにしたオーネットのオウンドメディア「おうね。」編集長
◆社員シェアリング・複業トレーニングのTonashiba編集長
◆「共感資本社会」を目指す株式会社eumo編集長
◆HED(一般社団法人 法人営業デジタル化協会)編集長
◆日本で唯一のeKYC対応のデジタル身分証アプリを提供する株式会社TRUSTDOCKの採用広報・立ち上げメンバー
◆フリーランス向け報酬即日払いサービス『先払い』を展開するyup株式会社のメディア立ち上げメンバー、サービス編集長
◆"愛"に寄り添うテクノロジー紹介メディアLove Tech Media副編集長
◆退職の手紙で「最高の会社の辞め方」プロジェクト発起人・退職学の研究者
→インタビューしていただきました

→連載がはじまりました

◆共働き小説を婚活アドバイザーの方と執筆中(完全原稿あり)
◆ヴィジュアル系深読みライター(神谷敦彦)の『ヴィジュアル系の深読み話』
◆ソロ男からの妻ファースト、1児の父 New!
◆産休中の妻の付き添い中(里帰り出産中)→出産入院中の妻の帰り待ち→共働き育児中 New!

→インタビューしていただきました

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