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「目標達成の練習」としての高校野球

 こんにちは。ご無沙汰になってしまいました。
 私もいろいろと進展があったりなかったり。大学院の括りでは、夏休みも後半に差し掛かってきています。そして、いよいよ就職活動が始まっています。研究関係の勉強と就職活動の2本立てでなかなか忙しい日々です。笑
 近くに素晴らしい先生方がいらしたり、実際に職場で働いている人のお話を直接聞くとみているだけではわからないことや、雰囲気を感じることができますよね。そういう環境の中にいるってすごく貴重だし、大事にしたいなーと思います。「百聞は一見に如かず」です。
 忙しいとか言っておきながら、中学女子軟式野球の全国大会のお手伝いをさせていただいたり、母校の野球部の合宿に帯同したり、甲子園を見に行ったり。いろんなイベントがありました。これこそまさに「百聞は一見に如かず」!
 「百聞」の中に含まれるような気もしますが、一冊紹介させてください。いろいろなSNSでも紹介させていただいているので、ご存知の方も多いかとは思いますが。京都大学野球部さんのお話です。選手以外の部分にも広く触れられていますし、勉強も!野球も!という点で参考になる部分がたくさんあると思いますので、多くの方に是非読んでみてほしいなと思っています。当時京都大学野球部アナリストだった三原くんのおこぼれを頂いて、僕のこともぽつぽつ書いてくださっています。ついに書籍にも書いていただける機会を頂けて嬉しく思います。

 甲子園も感動しましたね。慶應義塾高校さんの107年ぶりの優勝で閉幕した今年の夏の甲子園でしたが、準優勝の仙台育英高校さんをはじめ、皆さん素晴らしいなと思い、刺激を受けました。立命館大学で一緒にやっていた選手たちはこんな中プレーしたんだと思うと、近い存在でありながら遠く感じます。
 さて、そんなわけで今回のテーマは「高校野球」です。


母校の試合を見て

母校・開智未来高等学校

 先日、母校・開智未来高等学校硬式野球部は6年目の夏を迎えました。私が高校3年生のときが1年目。卒業してから、2年目、3年目と後輩たちがつないでくれています。昨年の埼玉県大会でテレビ中継していただいたときや斎藤佑樹さんがいらしたときにそうだったように、硬式野球部の初代キャプテンということで表に立たせていただく機会があります。
 野球部の監督は、私が高校生の間ずっと、そして今も監督です。僕は、監督さんの背中を追って、一生懸命にやってきたなと、思います。監督さんは、先に挙げたような機会があるたびに、学校からも恩返しと言ってくださいます。本当にありがたい限りです。
 そういうわけで、愛着のある野球部ですので、母校の話から入ろうと思います。

6年目の夏

 先にもチラッと書きましたが、今年で硬式野球部創部6年目。本当に新しい野球部です。少し前には部員が少なく、連合チームとして出場したこともありました。そして、今年は、教育実習の時に一緒に練習した後輩たちが、主力として臨む試合になりました。感慨深いものです。
 結果は、この記事のヘッダーにもある通り、5-6で敗戦。(画像は、バーチャル高校野球より)

 僕が在学していた時は、公式戦2試合ともコールド負け。その事実から考えるとものすごくいい戦いをしてくれるようになったなと嬉しく思います。一方で、もっとできるだろうという期待もあるからか、ここは何とかならないのだろうかと思う部分もありました。後輩たちには「ありがとう。もっと頑張れ!」と伝えたいです。

合宿に帯同して

 母校の合宿は関西で行われたのもあり、お手伝いさせていただきました。とはいっても、急に来た存在ですから、ちょっと立ち回りは難しいなと思っていました。しかし、気づいたら、メモ帳にスコアを書き始め、選手にこうなってるよ、こうしてみたらどう?と話していました。やっぱり、これが好きなんだなと思いました。
 そして、親バカに似た感覚かもしれませんが、後輩たちは僕が話したことについての吸収力が非常に高く、実際にやってみようとするのです。後輩たちの強みだと思っています。笑 
 一方で、チームを支える側が不足しているという点で、彼らの武器になるものを潰しかねない状況なのかもしれないと感じました。これは、監督の力量どうのこうのではなく、多岐にわたる様々なことが原因だと考えています。きっとそういうチームも多いのではないでしょうか。
 学生野球もそう考えると非常に難しいですね。課題について考えると、「学校の先生」や「教育機関」という根本の部分に立ち返ってくるようにも思えてきます。

目標と目的

目標

 見事、107年ぶりの優勝を勝ち取った慶応義塾高等学校さんですが、大村主将は「日本一に」という目標を立てたとインタビューで話していました。このタイトルはなかなか攻めたものになってしまいました。要は、チームでも個人でも「こうなりたい」と立てた目標に対してどうするかというのが問われているのが高校野球だと考えています。今回は高校野球がホットな時期の記事になりましたので、高校野球にしましたが、何かに取り組むそれがまさに同じように考えられることだと強く思います。

目的

 こんなことわかってるよという感じかもしれませんがもう少しお付き合いください!!
目的は、「目標を達成した先に何を見るか」です。例えば、「偏差値の高い有名大学に入る!」と目標を立てたとしましょう。その先に何を求めているのでしょう。「自分自身をもっと成長させたい」とか「大企業に入ってお金持ちになりたい」とか目標を達することによって得たいものが目的です。

私の目的と目標

 ずいぶんと偉そうに。ごめんなさい。笑
 ここからは、自分に置き換えて話を進めます。僕の人生の最も大きな括りの目標は「世界一の野球アナリストになること」です。それは、「データ分析を通じてスポーツ界を豊かにする」という目的のためです。非常に簡潔にまとめてしまっていますので、もう少し詳細に説明しますね。

「データ分析を通じてスポーツ界を豊かにする」

 実は、ここまでに分かりにくい伏線を張ってきましたが、「支える」人の価値が見直されつつあるのではないかと考えています。私の場合は、アナリストですので、よりその方向に着眼点を置くわけですが。
 これまでは、「根性だ」と、いわゆる根性論、精神論でスポーツ現場は展開されることが多くありました。しかし、一気にそのような指導が糾弾されるようになり、新たにこんな指導が良い、あんな指導がダメと現在のように体罰を厳しく取り締まったり、人格者の指導がメディアに出て評価されたりするようになりました。今後、数年したら現在とは違う「こんな指導がいい」「そんな指導はもう時代遅れだ」と時代の変化に合わせて想像を超える変化を遂げていくのではないかと思います。
 さて、時代の変化に合わせて変わる現場の話ですが、現在は、どうでしょう。私は、なによりテクノロジーの発達が目覚ましいと感じざるを得ません。そしてこれからはどうでしょう。心理面のサポートでしょうか。いずれにも共通して言えることがあります。それは、支えるスタッフが必要だということです。野球について考えれば、外から見ると、閉ざされた閉鎖的なイメージがありました。あたかも選手と指導者のみでチームが構成されているかのように。チームにはその視点しかないのです。それから、トレーナーやメディカルスタッフが介入するようになりこれまでよりも立体的な視点が形成されます。今後もそのようにして、より多くの思考が必要となり、「支える」人の需要が高まるのではないでしょうか。と思うのです。
 そうすれば、選手のスキルアップにもたくさんの視点が絡んで、視野が広くなりますし、スポーツをするのが苦手な人やけがをしてしまった人も第一線で関わることのできるという醍醐味が深みを増していくと考えています。
 以上のことから、データ分析がその一翼を担えたらという思いでこの目的を設定しています。

「世界一のアナリストになること」

 これは、目標を達成するための目標ですね。そのために必要な要素はオレンジのような薄い黄色のような色がついています。自分が分かればいいやと思って作成しているので、意味わからない部分もあるかもしれませんが。
 マンダラーシートと言って、エンゼルスの大谷翔平選手が学生時代に作成したといわれる中心にある目標を達成するために同じものを書いたといわれています。「世界一のアナリストになる」という大きなざっくりとした目標はどうしたら達成できるのか、その要素を8つの項目に分けて記載します。
 私の場合、知識、人間性、伝達、経験、次世代へ、学習、柔軟性、運の8つです。さらに、それぞれの項目に関して、具体的にどうしたらよいのか掘り下げていきます。
 このようにして気づいたことがありました。自分が本当に求めていることが何なのか、視覚的に判断できるのは重要だなと。でもこの方法はほんの一例です。ただ、こうやって今の自分と将来なりたい自分を重ねて、何が必要なのか、何が足りないのか具体的にしなければ、せっかく立てた目標の意味は皆無だと大学受験で学びました。

私のマンダラーシート

チームの目標と目的

 さて、チームに戻ってきました。ここまで読んでくださったあなたは、きっとイメージが湧いてきたと思います。
 チームの目的は何ですか?「理念」に置き換えられるでしょうか。これは、選手たちだけというよりチームに関わる全ての人で決めたり、トップに立つ人が決めたり、時代の流れに遅れてしまうことがあると思いますので、きっちりと据えることの重要性を感じて、ぜひ確認してみて頂けたらと思います。もしなかったら、それは、是非早速とりかかってみてください。
 重要な、「目標」です。目標はどこに置くか、いつに照準を合わせるのか、具体的な策は何なのかといったあたりの内容を考えてみるといいと思います。再度、慶応義塾高等学校野球部さんを例に挙げるなら、この夏の甲子園で日本一になる。という目標を掲げたのです。具体的に何をしてきましたというのは、すみません、わかりませんが、きっと何かあったはずです。沖縄尚学高等学校さんとの試合での狙い球を絞った話もその一部でしょう。
 次は、架空のチームについて考えてみます。

目標を決めたチームの声掛けのベクトル

 架空のチームとしましたが、このチームは、この新チームの段階で「2024年の夏の甲子園に出場する」という目標を立てたとしましょう。目標が決まりました!次の段階ですね。
 そうすると、夏に向けてやるべきことがリストアップできます。「投手」「打撃」「守備」「走塁」「チームワーク」というようにいくつかの項目に分割します。僕は野手でしたので「打撃」をもう少し掘り下げますね。
 現在は、甘く来た球を一球で仕留めることを頭に入れてバッティングしているとします。ただ、甲子園出場校の選手たちを見るとどうでしょう。本当にそれだけで追いつける位置にいるのか。きっとそんな簡単ではないでしょう。違いを挙げてみると、「スイングスピードを上げないといけない」「バットの軌道を修正しなければいけない」「配球について勉強しなければいけない」「追い込まれるまでは自分のスイングをできるように待たなければいけない」と上がったとしましょう。そして春先の練習試合。あるバッターの初球、アウトコース低めに逃げていくスライダーをバットの先で当ててポテンヒットを打った時、周囲はそれをどう認識したらよいのでしょうか。ナイスバッティング!でしょうか?私は違うと思います。夏にそれができていなければ甲子園に出場できないと設定したわけですから、それを良しとしていては一生そのままです。むしろ、得意なコースに張っていたストレートが来たと思って、自分のスイングをできた。しかし、結果はチェンジアップで空振り。その方がよっぽど目的意識の上では正解だし、そこで「そうそう、次!」と声かけるべきなのではないかと思うのです。中には、声掛けが分からず、何でもかんでも「ナイススイング」「ナイスバッティング」という子も見かけますが、それに気づいたならそれはスルーしてはいけない重大なことだと考える必要があるのかなと思います。

データの出番

 ようやくきました。データの出番です。
 上では、目標が決まったチームの声掛けについて述べました。あくまで、声掛けは試合中の話で、どうしてもデータ(数字)で出すことは難しいでしょう。
 そこで、データを使って、目標に対する達成度を明確化することの重要性が生まれると考えています。
 極端な例ですが、「この一週間の試合は、ストレートにだけ手を出そう。変化球は全部捨てる。その代わり、ストレートの空振りはなし」とチームで目標を立てたとします。声掛けをした印象的でいろいろとわかることもあるかもしれません。しかし、それは、最後に結果が出てしまえば、確実に試合のすべてを記憶していません。その時、チーム全体では何%ストレートを見逃している、何%ストレートを空振りしている、個人ではどうかと振り返っていけば、その目標に対してどんな状況にあるのか分かってくることが必ずあります。例えば、チーム全体で、ある試合ではストレートの空振り率が20%だったけれど、この試合では35%だな。個人を見ても同じように上がっているな。あ、この試合の投手は、球速帯が前の試合よりも高かったのか、そこが今のチームの課題として練習すべきだなというように。スタッフもプレーヤーも指導者も一緒に目標の達成に向かうことのできる環境が形成できるのではないかなと思います。

さいごに:「目標達成の練習」としての高校野球

 「目標達成の練習」としての高校野球という題でしたがいかがでしたか?
 目標や目的の持ちようを私なりに考えている結晶です。笑
 自分個人でも全く同じですし、その重要性を強く感じています。高校野球はもちろん勝つためにやることが大事なことかもしれません。それでしか学ぶことはできないこともたくさんありますから。でも勝つことは目標。その先にある目的は、目標達成をできるようにその道しるべ的な位置づけでとらえられるのではないでしょうか。
 何はともあれ、まずは目的、目標を強く意識すること。そのためにどうすべきかをよく考えることがスタートラインですよね。
 もしよかったら、参考までに実施してみてください!

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