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只見線のあるまちにて2021/04/13

今日は雨が降ったり止んだりしたので昔の写真を現像してみます。ちなみに2010年5月3日の会津坂下町の光景です。

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今日は天気がいいので会津坂下駅まで足を延ばしてみようかと思います。いつも一つ手前の若宮駅までは行くのですが、会津坂下駅までは行かないことがほとんどなので、少しばかり冒険心を持って自転車に乗ったのです。

そんなこんなで片道20キロはあるだろう会津坂下駅まで自転車で出かけることにしたのですが、自分の目にいきなり入ってきたのはソールだけの靴らしきもの。自分の足を並べてみたのですが、自分よりは小さいようです。こんなところにこんなものを落としたのは誰だ?というのが正直な感想なのです。

出発早々面白いものに出会えて、今日はなにの写真が撮れるのか心躍るのでした。

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会津坂下駅に行く前に、いつもの若宮駅へと寄ります。今日はGW、風っこ号が走っているのを知っていたので、どこか良いところはないかと思い、そう言えば若宮駅の前に菜の花が咲いてるなあと思って、菜の花、風っこ号、飯豊山のサンドイッチでシャッターを切ることにしたのでした。

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風っこ号が若宮駅を通過し会津坂下駅へと着くと、上りの只見線がすれ違いをしてやってきます。こんな小さな駅なのに4人も乗客がいます。一人はスケートボードを持っていて、どこへ行くんだろうとちょっとばかり気になりました。

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若宮駅で只見線を2本撮ったあと、会津坂下駅へと向かうことにします。途中なにやら水門のようなところがあって、手前には菜の花があります。危険と書かれているなら望遠で撮ればいいだろう、そう思ってなにが危険なのかわからないまま、菜の花と残雪のある山と一緒に撮影したのでした。

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古い蔵の前で桜と蔵の扉の競演を撮ってみます。少しばかりおんぼろになった蔵の扉と今を盛りとばかりに咲いている桜のデュエットが、なんとも良い感じを出しているのでした。

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さっきの蔵とわかれて少しばかり進むと、一輪車がひっくり返って置かれています。下にはポンプがあるのですが、何に使うんだろうかと考えてみても思い浮かびません。そういえば田んぼのあぜ道に時々ポンプが落ちていて、理由はわからないのですが、なぜか撮りたくなってしまうのでした。

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自転車をこいでいるとスクーターの音がします。その音のほうを眺めてみると、田んぼのあぜ道を走っているようで、小さな鳥居の前を通り過ぎていきます。もう少し望遠レンズだったら大きく撮れるのに、そう思いながらシャッターを切るのでした。

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スクーターの音がまだ頭の中で再生されているうちに、なにかゾワゾワッとしたものを感じます。よく見ると変電所があったのです。そう言えば、この「只見線のあるまちにて」は銀林みのるの「鉄塔武蔵野線」に影響を受けて始めたんだっけかと、少しばかり懐かしくなって家に帰って文庫本を見てみると、自分も武蔵野線の鉄塔を追いかけたメモ書きと汗が染み着いたのに懐かしさを感じるのでした。

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ここ会津坂下町まで来ると、磐梯山のかたちが変わって見えます。ここでも菜の花と桜とトラクタの三重奏で、シャッターを切らずにはいられないのでした。

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ようやっと会津坂下駅に到着するというところで、大きな俵に出会ったのです。ここ会津では会津美里町や会津坂下町が正月に俵引きをやるのです。でも残念なことに正月は雪が降っていて自転車では来れないのです。そんな悔しさをかみしめながら俵を撮るのでした。

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若宮駅から何キロあるのかわかりませんが、だいぶ走ったような気がします。ようやくお目当ての会津坂下駅へと到着したのです。とりあえず写真をと思ったのですが、ちょうどよいところに菜の花があったのです。これはとばかりに菜の花越しに駅舎を撮るのでした。

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会津坂下町と言ったらこれだろうというものが駅前に堂々と立っていたのです。「お富さん」などの歌で有名な春日八郎の銅像です。まさかこんなところで出会えるとも思っていなかったので、記念に一枚撮るのでした。

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今日、会津坂下町まで来たのは杉の糸桜が目当てだったのですが、それよりも先にトラクタに目が行ってしまう自分がいます。赤いトラクタは小林旭の歌で有名なようにヤンマーですが、青いトラクタはヰセキかと思ったら、なんとフォードだったのです。いいものを見せてもらった、そう思いながら一枚写真に撮ったのですが、後でまた再開するとは思ってもいませんでした。

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トラクタの誘惑に負けてしまった自分ですが、後ろ髪をひかれる思いで目的地である杉の糸桜に着いたのです。その辺をぶらりとしていると、観光客の人でしょうか写真を撮ってくださいとカメラを渡してきたのです。Nikonか・・・使ったことないのに大丈夫かなと思いながら承諾しシャッターを押すのでした。

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さっき写真を撮った人たちの後を追いかけるように、自分も階段を上って行ったのですが、少しばかり急なせいか、おじいさんとおばあさんが手をつなぎながら上って行きます。さっきは借りたカメラで撮ったので勝手がわからなかったけれど、今なら自分のカメラで撮れる、そう思うや否やシャッターを切るのでした。

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坂を登ると出迎えてくれたのは寺の小僧さんらしき人と六地蔵でした。少しばかり息を切らせながら六地蔵を撮るのですが、なにも考えずに撮ったらレンズが開放f値2.8だったらしくピントが浅かったのですが、とりあえずこれで良しとすることにしたのでした。

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ここまで上ってくる間、桜が見えていたので杉の糸桜も咲いているんだろうなと思っていたら、写真の通り最後の花びらがわずかについているだけだったのです。桜の下にはスイセンが咲いていて、まあとりあえずせっかく来たんだから撮っておこう、そう思ってシャッターを切るのでした。

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お目当ての杉の糸桜が散っていたとなると、ちょっとばかり物寂しさを感じてしまい、他に撮れるものはないだろうか?そう思って探してみます。そうすると口に何かをくわえたお稲荷様がいました。お稲荷様がくわえてるものってなんだ?ちくわじゃないよな?そう思いながらシャッターを切るのでした。

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お稲荷様を撮ったあと時計を見てみると、上りの只見線がやってくる時間が近づいています。どこから撮ろうか、そう思ったのですがなんとなく下ってくる只見線の姿も気になって、桜の近くの田んぼのあぜ道で撮ることにしたのです。ちょうどカーブになっているところで、只見線が警笛音を鳴らしたのを合図にカメラを構えるのでした。

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上りの只見線が会津坂下駅に着くと、すれ違いで下りの只見線がやってくることはわかっていたのです。上りを撮ったまま田んぼのあぜ道にいると、さっき誘惑されたトラクタがやってきて田んぼを耕し始めました。これはいい、そう思ってトラクタと下りの只見線の競争をカメラに収めるのでした。

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青いトラクタと別れた後、若宮方面へと向かうことにします。農道らしくトラクタがまき散らしたであろう泥が道路に落ちています。そんな中、猫がゆっくりと歩いていきます。猫は泥など気にする様子もなくゆっくりと歩いていくのでした。

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さっきの泥をまき散らしたのかもしれないトラクタがいました。知り合いに出会ったようでなにやら話をしています。今夜、桜を見ながら一杯どうだい、そんな話なのかどうかはレンズ越しには聞こえてきません。お茶でも飲んでけ、だったのかもしれないのでした。

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今朝、見送った風っこ号が上りになってやってくる時間です。ここらへんでいいか、そう思い磐梯山をバックに撮ることにしたのです。やっぱり春は気持ちまでウキウキしてしまいます。風っこ号がやって来るのかカンカンカンという音がかすかに聞こえてきます。たまには形の違う磐梯山もいいなと思ったのでした。

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若宮駅まで戻ってくると道は手慣れたものです。ここを曲がればあそこに出る、そんなことさえも楽しくなってきます。そんな気分で自転車を走らせていると、目の前をケリンチョに乗った女の子が通ります。遠くに見える踏切も遮断器がなく警報機だけです。のどかだなぁ、思わず口をついて出た言葉がそんな一言でした。

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いつもとは違う道を自転車を走らせていると普段は気づかないものが目に入ってきたのです。「いっぷくつけらんしょ、さんぽの方もお茶」とあります。近くにコンビニはありますが、自分は先を急いでいたのでお茶は飲まないのでした。

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軽トラが田んぼから藁か何かを積んで道路に上がろうとしてるのですが、重すぎるせいか上れないでいます。運転席から女の人が降りてきました。こちらに気づいたようで、今上るので待っててみたいな合図を送ってきました。

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男の人も加勢してなんとか軽トラを田んぼから上らせます。そんな積み方じゃあ途中で落ちてしまうんじゃないかと思うと同時に、その後姿の勇姿をカメラに収め、今日の写真散歩はこれまでにして家路につくのでした。

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