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コラム:本当の食欲を知った話
20代の後半に起業して、しばらくして大きめのプロジェクトが続いた。マネージメント的な仕事も多く、気疲れも多かったのだろう、あるプロジェクトの終わりには本当にクタクタになってしまった。
そのプロジェクトの打ち上げは焼き肉屋(これも自分でセッティングした)で、クタクタMAXの中でなんとなくレバ刺し(まだそのころはレバ刺しがあった)を食べた時にそれは起こった。
口中に広がる生のレバーの血の味に、目が覚
コラム:入院中の思い出(水をたくさん飲む検査の話)
小学校1年から2年生の1年半くらいの間、私は急性腎炎で地元の病院に入院していた。このことは私の性格形成に大きく影響していると感じている。今でも思い出すエピソードを書いていく。
水をたくさん飲むという検査があった。量は正確に思い出せないが0.5~1リットルくらいだったと思う。腎臓病で入院していたので腎臓の機能を検査するのだろう。そのあとのおしっこはすべて溜めておいてあとから調べていたようだ。
この
書籍紹介:生い立ちと業績から学ぶ精神分析入門: 22人のフロイトの後継者たち
私が精神分析を学ぶ上で役立った本を紹介する。
といっても、精神分析の中身の話ではなくて、そもそも精神分析とはどんな学問なのか?を意識させてくれた本だ。まえがきにはこうある。
私は理系で工学部出身であるが、例えばボーアモデルとかシュレディンガー方程式を学ぶのに、彼らの生い立ちを学んでいない。いや、読み物としてはあるし、講義でも小話程度には聞いたかもしれないが少なくとも彼らの理論の理解に、彼らの生育
コラム:溺れたことを思い出したら泳げるようになった話
高校生まで水泳が苦手だった。25mくらいしか泳げなかった気がする。小学校の少年団(サッカー)、中学(テニス)、高校(バトミントン)と部活動ではレギュラーメンバーとして公式試合に出ていたので運動神経は悪くなかったと思う。しかし、水泳だけはできなかった。水の中に入るとドキドキして焦ってしまう。練習不足だと思って、家の近くの温水プールで1人で特訓していたことを覚えている。
高校1年の夏に暑くてお風呂で
「環境としての母親」の「母」は気にしない
経営者とエンジニアの属性をもつ私が、精神分析を独学で学ぶ中で難解だった言葉や概念を書いていきます。
精神分析における「母」の扱いは、日常で使う抽象度とは違う。私は独学を始めた最初から、これは「母」ではなく別の言葉を当てたらいいのではないかと思っていたが、臨床現場の話などを読み進めると、まあ「母」としか言いようがないよな、と感じるようになった。精神分析は哲学とは違う。精神分析は人に手当をするのが目
投影、投影同一化(投影同一視)
経営者とエンジニアの属性をもつ私が、精神分析を独学で学ぶ中で難解だった言葉や概念を書いていきます。
「投影」は普段でも使う言葉だが、精神分析ではちょっとニュアンスが違う。日常では「映画の中の俳優に父を投影した」など具体的な面影や仕草を映し出している感じがするが、精神分析では、もっと心情や心のモヤモヤしたものを堪らなくなって投げつける感じだ。
例えば、友人Aに不安や恐怖(自分では気がついていない
妄想分裂ポジション 抑うつポジションにおける「ポジション」の意味
経営者とエンジニアの属性をもつ私が、精神分析を独学で学ぶ中で難解だった言葉や概念を書いていきます。
最初この言葉に出会った時、「妄想分裂」「抑うつ」という少しドキッとする言葉と「ポジション」という組み合わせに混乱したことを覚えている。
個人的には「妄想分裂」「抑うつ」という日本語訳がしっくりこないので妄想分裂(paranoid-schizoid)、抗うつ(dipressive)の略語で、PSポジ
対象(内的対象)について
経営者とエンジニアの属性をもつ私が、精神分析を独学で学ぶ中で難解だった言葉や概念を書いていきます。
精神分析において「対象」とは、心の中の話であり、あえて「内的対象」と書かれることもあるが、ほとんど「対象」という言葉で済まされる。
私が独学しているのは主には「対象関係論」であるが、これも初めて聞くと外部の対象と自分の関係を思い起こさせるし、似た言葉で「対人関係論」なんてものもあり、間違えやすい
2023年の物欲の振り返り
毎年やっている物欲の振り返りです。今回は、2023年に購入した3つのプロダクトをご紹介します。新商品というより昔からあったけど、使ってみたら良かった!というチョイスです。コロナ禍になってから物欲が、衣食住環境の整備にフォーカスしている感がありますが、今年もその傾向を引きずった形になりました。
コーヒー豆の焙煎機
コロナ禍に入る前に自宅でコーヒー豆をフライパンで焙煎することに目覚め、今も自家焙煎