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口唇期、肛門期、男根期、停滞期、生殖器期

経営者とエンジニアの属性をもつ私が、精神分析を独学で学ぶ中で難解だった言葉や概念を書いていきます。


フロイトを学び始めると、この言葉はすぐに出てくるので、「うわっ」となる。あまりに言葉が生々しい。漢字が生々しいからと思って、原文を見ても同じく生々しい。私は大学生の時に、フロイトを少し読んだ記憶があるが、ここで挫折している気がする。

フロイトは、人間の乳幼児期から青年期までのリビドーの発達のモデルを考えて、性格が形成されていく過程を分析した。
(リビドーも難解なので別で扱いたいが、ここでは生きるエネルギーくらいの定義で)

口唇期は、まさに赤ちゃんの時である。肛門期は、トイレトレーニングの時期、男根期は自分の性別に気がつく時期、停滞期は子供同士の社会活動にフォーカスする時期、生殖器期というのはまさに、生殖できる年齢になった時である。それぞれの時期の不満や満足、トラウマが現在に影響を与えていると分析する。

このフロイトの発達論の区分は、以後の流派によって、否定されたり修正されながら発展を遂げている。現在は心の発達段階を説明する便利な理論となり、人間のライフサイクルになぞらえたりしてたとえば心理学では重要分野になっている。独学しているとフロイトのモデルは現代の理論からすると、大変古臭い理論として見えてしまう。

しかし、自分や人を分析する際に「この不安は肛門期のトラウマが原因かなぁ」などイメージしやすく、実際の臨床では十分生きている概念だろうなと感じる。

私は、この用語における二つの側面に気がつくと、生々しい単語を受け入れることができた。
一つは、身体と外界のインターフェース部分という側面。赤ちゃんのころの重要な入力・出力器官は口である。最初は全神経が口に集中する。そのあとは、おむつを卒業しないといけないので、排出器官のコントロールが重要になる。というふうに発達に応じた身体の注目ポイントとしての側面。
二つ目はこれはリビドーを中心においたモデルだということ。リビドーと呼ばれるエネルギーの発信源として、口唇、肛門などを置いている。口唇リビドー、肛門リビドー、など。それらのエネルギーは、時に合わさり、時にぶつかり、心をさまざまなパターンにする。

フロイトのクライアントは大人だったので、口唇期、肛門期などは過去の話であり、その時のリビドーが複雑に絡み合った現在のパターンを分析するためのモデルなのだ。
その人にとって口唇期がいつ始まりいつ終わった、みたいなステージの話をしているのではない。なので、○○期となっているが、リビドーの解析の話だと理解している。

私は、自分や他人の心の中にそれぞれ各部位のリビドー(色や質感が違う)が駆け巡っているイメージを持っている。独学ならではのイメージだと思うが、精神力動と言っている以上、物理的なイメージを持ってしまう。専門家はどんなイメージをもっているのだろうか。

それぞれのリビドーが動き回りぶつかったり寄り添ったりするイメージ

上のアニメーションを作っていて、矢印って完全にペニスだな、と思った。このへんもフロイトに影響されているが、まあ今は心から理解できる。
あと、友人の作ったアニメーションを思い出した。こちらのほうがイメージに近い。

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