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[なるほど!] Facebook 広告の強さとコマースへの進出!?

こんにちは、tacox です。本日は Facebook がなぜ広告業界の二強になれたかについてお話ししたいと思います。

Facebook Shops のリリースをうけて

つい先日、5月19日に Facebook 社より small business 向けのコマース支援として、Facebook Shops のアナウンスメントがあり、記憶に新しい人も多いと思います。

僕自身は、EC業界側に属する立場として、カナダ発の EC プラットフォーマーである Shopify が Facebook Shops とのアナウンスに絡めて、パートナーシップを組んだというニュースから興味を持ちました。Shopify は SNSや外部ソリューションとの連携がスムーズなことがウリですので、Facebook Shops とのパートナーシップも自然な流れだったのかなと推察します。

人と人との交流やコミュニティ形成の場である Facebook が今回の発表で、コマースの世界に飛び出し、GAFA がこぞって進出するペイメントサービスやリブラへの展望に期待が高まります。プラットフォーム上でトランザクションが発生することによって、従来から指摘されている広告収入への依存度についても緩和できるかもしれません。

Facebook 広告の強さとは?

さて、facebook の広告の強さの秘訣は、ざっとまとめますと

・実名アカウントによるターゲティング精度(ピープルベース)

・Google に引けを取らない高度な配信アルゴリズム(関連度スコア)

・ネイティブフォーマット(インフィード、カルーセル、動画、ストリーズ等)

という風に考えられています。僕もそのように営業してきました笑。

確かに個人的な記憶でも、入社した2014年には、いいねを集める「いいね広告」くらいしかなかったところから、在籍した3年間で、急激に新機能やプロダクトがローンチし、上記の強みを実感していただき、広告主の支持を得て急成長したのは事実です。

素早いモバイル対応

しかし、成功の根底にあるのは、そもそもモバイルシフトが進む中で、どこよりも素早く(move fast!!)モバイルファースト戦略を取れたことだと考えます。

インターネットの nature は open 性です。インターネットに接続できる環境があれば、どんなコンテンツにもアクセス可能なところがインターネットの魅力です(みなさん、インターネットはタダで見るものと染み付いていますよね!)。Google の役割も、検索ユーザーが一秒でも早くグーグルドメインから外に出て、探している情報にたどり着けるようにすることです。ドットコム全盛期において、ポータルサイトが色とりどりの情報を自社ドメイン内に用意して囲い込みした戦略とは真逆です。どちらがインターネットの特性を深く理解し、自社サービスを設計できていたかは、その後の歴史を見れば、一目瞭然でしょう。

アプリがインターネットの Gateway?

モバイルの世界になると話は変わります。

・closed のサービスが成立します。モバイルデバイスがアイデンティを担保し、アカウントの役割を果たすので、closed でも UX を毀損しなくなりました

・インターネットの歴史を通じて、パーソナライズされたコンテンツをより求めるようにもなりました

・インターネットの世界につながる gateway の役割が検索エンジン一強からアプリも加わりました

・隙間時間での利用が増え、コンテンツの消費スタイルが、lean foward (自ら能動的に)から、lean back (流れてくるものを受動的に)に代わり、モバイルの根本的機能であるコミュニケーション需要の圧倒的な高まりした

以上のような背景により、Facebook は、プロダクト開発をモバイルに振り切り、広告プレースメントとして成立するためのキラーアプリ化に成功したと思います。

その上で、Cookie ベースでなく、実名アカウントだったのでターゲティングが高精度で、同じ人に二回当てたりせず、広告費を有効に活用することができました。友達のコンテンツに溶け込むようなユーザーにとって関連性の高い内容の広告が、フィードのデザインに溶け込む自然なフォーマットで表示されることで効果が上がりました。スマホの画面は小さく、広告に占有されるので、関連性を担保するアルゴリズムと洗練された広告フォーマットとクリエイティブは不可欠だったのですが、Facebook はそれらの点を正しく抑えることができました(ちなみに、今でもそうですが、モバイル広告の主流はフローティング広告です。画面の下にかぶさって広告が出るタイプです)。

ゲームとデーティング、そしてコマース

当時、Facebookでもっとも出稿の多いカテゴリは、ゲームとデーティングでした(現在は知りません)。ゲームもデーティングもソーシャル性が強く、ある意味、SNS 的なコンテンツです。Facebook 上のコミュニティでは難しい交流をextension する形で、ゲームアプリやデーティングアプリの広告がフィードに流れ、シームレスに広告からスマホにダウンロードして、コミュニティを extension することができ、非常にダウンロードされました。ダウンロードされるので、広告主は予算を Facebook にさらに振り分けます。Faceook はデーティングサービスを Match Group に対抗してリリースしていますが、コミュニティは明確に分けるのが消費者動向なので、今後も 3rd party のデーティングサービスが使われ続けるのではないかと想像します。 

冒頭に触れた Facebook Shops と Shopify などのEコマースプラットフォーマーとのパートナーシップにより、今後 facebook 上のコミュニティにおいて、どのようにコマースの正解が add on されるのか興味深いです。デーティングやゲームと違い、コマースはコミュニティの棲み分けが起こらないと考えますので、知り合いの連絡や交流手段が enhance され、コマース的な場に発展していく可能性を秘めています。Covid-19 において、オンラインでのビジネスの需要も高まっていますので、世の中にある small business の素晴らしい消費品やサービスを発見し手に入れることができるのは素晴らしいことだと思います。

本日は、以上となります。ありがとうございました。

コンテンツ
1. はじめに(キャリアの作り方連載します)
2. チャンスをつかむ必勝法とは
3. 検索連動型広告との出会い
4. Google 面接と転職
5. Google での英語の苦労と学習法
6. Google で学んだ仕事術
7. 目標管理ツール OKRs について
8. 35歳からの営業職への転身
9. GAFAはなぜ企業文化を大切にしているか?
9. Facebook への転職とモバイルシフト
10. Facebook は広告の強さとコマースへの進出!?
11. 決済とはマーケティングだ!
12. 変化とグロースの世界で生き抜く方法


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