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2分で読めるヨガのお話

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2021年3月の記事一覧

正しいインストラクション練習法

正しいインストラクション練習法

以前こんな生徒さんが居ました。

「こないだ電車の隣の席に座っていた人がヨガの本と単語帳を持っていて、チラっと見たら、その単語帳を使ってアーサナの名前を暗記していました。私たちもやった方がいいですか?」

とのこと。
僕は「やらなくていい」と回答しました。

ヨガは暗記する類の学問ではありませんし
アーサナの名前というのは
どこかの誰かが後から付けた
うわべのインフォメーションに過ぎないので
それ

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制限を武器に変える

制限を武器に変える

昨日は
全米ヨガアライアンス認定講座
(子育てママ限定コース)
の卒業式がありました。

コースを受講されたママたちは
育児中の孤独感や
終わりが見えない不安感を
いつもいつも心のどこかに持っていました。

ヨガを学びたい
資格をとりたい

という想いは
向上心というポジティブの固まりのように見えますが
実はその背後には
孤独感や不安感が少なからずあって
その反動から生まれているものだったりもしま

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待っているだけで本当に得られるか?

待っているだけで本当に得られるか?

ヨガの教えには
「アステーヤ(※盗んじゃダメよ)」という
基本の教えがあります。

これはもちろん
人から物を盗んじゃダメという教えなのですが
それだけではなく
必要以上に物を持ちすぎることは
「広い意味で盗みにあたるから気をつけなさい」
という教えです。

そして同時に
「本当に必要なものは必要なタイミングで得られる」
という教えでもあるのです。

待っているだけで本当に得られるか?「必要なもの

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身体感覚を更新する

身体感覚を更新する

身体の変化に気づけない人は
心の変化に気づくことは出来ません。

心の変化に気づけない人は
生き方を変えることは出来ません。

フランスの哲学者メルロ=ポンティは
『身体こそ意識である』
と言っていました。

これは
「心と身体は繋がっている」
と考えるヨガの思想にとても近いです。

身体=意識

身体の扱いが上手になればなるほど
心(意識)の扱いが上手になります。

ヨガのアーサナは
身体を柔ら

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ヨガインストラクターに必要なもの

ヨガインストラクターに必要なもの

ヨガは学べば学ぶほど
『挑戦する勇気』と
『受け入れる柔軟性』が
セットで身に付いていきます。

ヨガを学べば学ぶほど
その『勇気』と『柔軟性』は
同じ意味だ
ということにも気がつきます。

ヨガインストラクターに必要なものここ5年くらいで
ユーチューバーという職業が生まれたのと一緒で
ヨガインストラクターという職業も
ここ10~15年くらいで生まれた
まだまだ新しい職業です。

僕が妻の実家で結

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瞑想のルーツを知る③

瞑想のルーツを知る③

瞑想のルーツを知る①はこちら

瞑想のルーツを知る②はこちら

ヨガの伝統的瞑想法である
ヴェーダ瞑想を実践する(指導する)ときには
2つのポイントがあります。

①客観視力がついてから行う過去の記憶に対する認知を
健やかなものにするためには
色眼鏡を外し
ニュートラルな目線で
その記憶を観る必要があります。

つまり
主観的に過去の映像を観るのではなく
客観的に
たまたまTVをつけたときに放送さ

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瞑想のルーツを知る②

瞑想のルーツを知る②

瞑想のルーツを知る①はこちら

記憶は変えられるヨガ経典では
このように伝えています。

「過去の経験が今の意識に映し出されたものを記憶という」
(ヨーガ・スートラⅠ-11)

つまり
経験と記憶は違うのです。

経験・・・過去の話→変えようがない事実
記憶・・・今の意識の話→意識なので変えられる

ヴェーダ瞑想では
記憶という一つの意識作用(心の動き)を
健やかなものにアップデートすることによっ

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瞑想のルーツを知る①

瞑想のルーツを知る①

瞑想と聞くと
座禅やマインドフルネスなどを
思い浮かべる方も多いと思いますが
歴史を見れば
瞑想のルーツはヨガにあることがわかります。

そのヨガの伝統的瞑想法に
「ヴェーダ瞑想」と呼ばれるものがあります。

ヴェーダ瞑想が経典に記されているのは
2500年くらい前ですが
そのルーツを辿れば
古くは5000年前にも遡り
インダス文明の担い手であった
インドの先住民たちの文化に
こういった瞑想という

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制感(せいかん)とは②

制感(せいかん)とは②

制感(せいかん)とは① はこちら

良い言葉の対処法

経典では
他人から頂く良い言葉に対しても
心が惑わされないようにしなさい
と教えられています。

もちろん感謝の言葉や
お褒めの言葉は
素直に受け入れて良いと思います。

そこから派生する
ポジティブなモチベーションは
更なる活力を生み出しますよね。

しかし
注意しなくてはいけないのは
「他人の評価に執着してしまうこと」です。

他人からの

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制感(せいかん)とは①

制感(せいかん)とは①

制感力
ハタ・ヨーガの代表的な経典である
『ゲーランダ・サンヒター』の第4章は
プラティーアーハーラ(制感法)についての章になっていて
文字通り「感覚器官のコントロールの重要性」
について述べられています。

その中でこのような1節があります。

賞賛であろうと、悪口であろうと、心地よい声であろうと、恐るべき声であろうと、それらのものから心を引っ込めて、心を自己の統制下におくべし。

自分に向けら

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内側の光

内側の光

ヨガの経典では

外の悲しみを内側の光に変えることで、心が安定する
(ヨーガ・スートラ1-36)

と言っています。

僕は子供の頃
なかなか欲しい物を買って貰えなかったという
ちょっとだけ苦い過去があります。

「友達は持っているのに、僕は持っていない」
という状況がよくあったように記憶しています。

でもこういった経験があったから
「持っていない人」の気持ちがわかるし
そんなことなんか1ミリも

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ヨガ哲学の学び方③

ヨガ哲学の学び方③

ヨガ哲学の学び方①はこちら

ヨガ哲学の学び方②はこちら

これまで
ヨガ哲学の学び方のコツを
お話してきましたが
簡単にまとめると
「ヨガ哲学は固く考えすぎちゃダメだよ」
という一言に要約できるような気がします。

ですから
柔軟に拡大解釈していくくらいの気持ちが
大事なのですが
その柔軟な拡大解釈をするためには
「ヨガ哲学の目的」を
明確にしておいた方が良いと思います。

ヨガ哲学の目的ヨガ哲

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ヨガ哲学の学び方②

ヨガ哲学の学び方②

前編はこちら

コツその2「ルールにこだわり過ぎない」

ヨガの経典では

戒律への執着はヨガの学びを破壊する。
(ハタ・ヨーガ・プラディーピカー1-15)

と説かれています。
つまり
「ヨガ哲学のルールにこだわり過ぎるのは良くない」
と言っているのです。

ヨガを学んでいる皆さん方なら
よくわかると思いますが
ヨガの教えはとても柔軟です。

頑丈な型にはめられて
どんなときでもビクともしない

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ヨガ哲学の学び方①

ヨガ哲学の学び方①

よく「ヨガ哲学は難しい」
と言われますが
確かにその通りだと思います。

インドという
(いい意味で)ヘンテコな国の
思想や宗教観を学問にしたものが
ヨガ哲学ですから
難しいのは当然です。

ただ
理解するコツさえ掴めば
そのヨガ哲学を
自分のポッケにしまって
いつでも取り出して
日常生活で使えるようになります。

ヨガ哲学は
超実践的な教えなので
得るものと言うよりは
「使用するもの」です。

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