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瞑想のルーツを知る②

瞑想のルーツを知る①はこちら

記憶は変えられる

ヨガ経典では
このように伝えています。

「過去の経験が今の意識に映し出されたものを記憶という」
(ヨーガ・スートラⅠ-11)

つまり
経験と記憶は違うのです。

経験・・・過去の話→変えようがない事実
記憶・・・今の意識の話→意識なので変えられる

ヴェーダ瞑想では
記憶という一つの意識作用(心の動き)を
健やかなものにアップデートすることによって
今を生きる自分自身を
より健やかなものにしていくという技法なのです。

ただし
これは見方を変えれば
一種の心理療法と言えます。

当然ですが
心理の世界には心理のプロフェッショナルがいます。
一歩踏み込めば
そこはとても繊細で
とても難しい専門領域になります。

ですから
そもそもの
ヨガ指導者の立ち位置を
明確にしておきましょう。


ヨガの立ち位置

僕たちヨガ関係者は

『ヨガ指導者は心理の専門家ではない』

ということを把握しておかなくてはなりません。

僕もそうですが
ヨガ指導者は自分が体験して得られた
ヨガの恩恵を
「こんなにいいものなんだから人に伝えたい」と思って
指導者になる方が多いです。

このモチベーションは
とても素晴らしいことですが
一方で
気をつけなくてはいけないのは
「その恩恵の受け取り方やタイミングは人それぞれ違う」
ということです。

特にヴェーダ瞑想のような
心の領域に入っていく技法は
当然
うまくいく人と
うまくいかない人が
出てきてしまうのです。

うまくいく人はそれでいいのですが
うまくいかなかった人はどうなるでしょう?
この人は
ただ過去の嫌な記憶を思い出すだけの時間になってしまい
おそらくヨガの瞑想に対して
強い抵抗感を抱くと思います。

それだけではなく
いわゆる「地雷を踏む」という事故も
起こしかねません。

つまり
今まで封印していた嫌な記憶のフタを
無理矢理開けてしまうという状態です。

果たしてこのとき
この人の精神状態は
ヨガが目指している
健やかで安らぎに満ちたものに
なっているのでしょうか?

ヨガの実践のベースには
常に『安全』がなくてはなりません。
効果的な技法があったとしても
リスクに対する責任を負えないようであれば
その技法は指導してはいけません。

その安全を考慮する上で
ヴェーダ瞑想を実践する(指導する)ときには
2つのポイントがあります。

つづく

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