見出し画像

制感(せいかん)とは①

制感力


ハタ・ヨーガの代表的な経典である
『ゲーランダ・サンヒター』の第4章は
プラティーアーハーラ(制感法)についての章になっていて
文字通り「感覚器官のコントロールの重要性」
について述べられています。

その中でこのような1節があります。

賞賛であろうと、悪口であろうと、心地よい声であろうと、恐るべき声であろうと、それらのものから心を引っ込めて、心を自己の統制下におくべし。

自分に向けられた
お褒めの言葉も
厳しい言葉も
両方とも聴きつつも
心は揺れ動かないようにコントロールしなさい
と言っています。

崇高なヨガ経典が
わざわざ「他人の声の処理」について述べているということは
やはり他人の声というのは
自分の心を乱す大きな原因となるからです。

ここで注目すべきところは
「悪口や恐るべき声・・・」だけならわかりますが
「賞賛や心地よい声」にも注意をして心をコントロールしなさい
と説かれているところです。

これはいったいなぜででしょうか?
シンプルに他人から頂く
「良い言葉」と「悪い言葉」
というように分けて考えていきましょう。


悪い言葉の対処法

他人からの言葉によって
傷ついてしまったことや
それを引きずってしまい
モヤモヤした気持ちになったという経験は
誰でもあると思います。

ヨガ経典では
そういった聴覚情報に心がついていかないように
コントロールしなさい!と言っているのですが
こういうケースでは
「課題の分離」という考え方が有効的です。

課題の分離とは
アドラー心理学の言葉ですが
ものすごく簡単に言うと
「相手がどう思うかは相手の問題であって、自分には関係がない」
という考え方です。

例えば
僕のヨガクラスに参加したAさんが
「このクラスはつまらないから二度と来ません」
と言ってきたとしましょう。

実際に言わられたらショックを受けそうな出来事ですが
このとき課題の分離という考え方が
そのショックをやわらげてくれます。

つまらないと感じるのは
Aさんの心であって
それを他人である僕自身がコントロールしようとしていること自体が
おかしな話なのです。
これはまぎれもなくエゴですね。

Aさんがどう感じるかはAさんの問題であって
僕自身には関係がない。
という課題の分離が出来れば
心を穏やかに保つことが出来ますね。

これはとっても使える
心のテクニックだと思います。

つづく

画像1

画像2


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?