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瞑想のルーツを知る③

瞑想のルーツを知る①はこちら

瞑想のルーツを知る②はこちら


ヨガの伝統的瞑想法である
ヴェーダ瞑想を実践する(指導する)ときには
2つのポイントがあります。



①客観視力がついてから行う

過去の記憶に対する認知を
健やかなものにするためには
色眼鏡を外し
ニュートラルな目線で
その記憶を観る必要があります。

つまり
主観的に過去の映像を観るのではなく
客観的に
たまたまTVをつけたときに放送されていたドラマのワンシーンを
「ながら観」するくらいの気持ちで
記憶という映像を観る必要があります。

それが出来ないと
「嫌な出来事を、そのまま嫌な出来事として観るだけの時間」
になってしまいます。

好きや嫌い
良いや悪い
を決めるのは主観です。

この主観的な目線で記憶を観ているだけでは
冷静な判断が出来なくなるだけでなく
怒りや憎しみといった陰性感情を
倍にすることもあります。

ですから
このヴェーダ瞑想は
客観視力がついてから行う必要があるのです。

そして
その客観視力というのは
「アーサナ」や
「プラーナーヤーマ」で
養われます。

ポーズをするときに
肉体の感覚や変化に
どれだけ意識が向けられているか?
呼吸法をするときに
どれだけ呼吸に意識を向けられているか?
ここが基準となるのです。

こういった「意識化」というのは
主体(自分)と客体(意識の対象物)に分ける作業
と言い換えることも出来ます。

この主体と客体を混同せずに
分けて意識を向けるというのが
ここで言っている客観視なのです。

ヨガは順番を大切にします。
いきなり瞑想をするのではなく
まずはアーサナやプラーナーヤーマを実践することが
重要だという事ですね。


②ポジティブな着地が出来るお題にする

ヴェーダ瞑想の最初のフェーズは
『シュラヴァナ(聴聞)』
でしたね。

実はこのヴェーダ瞑想は
『シュラヴァナ瞑想』と呼ばれることもあります。

つまり「瞑想のお題を聞く」というフェーズが
とても重要で
そのお題は
ポジティブな感情で終わるものにするというのが
基本です。

映画やドラマも
ハッピーエンドの方がスッキリするのと同じで
瞑想という過去の自分のストーリーを観るときも
必ずハッピーエンドになるお題になるようにします。

例を挙げるとこんな感じ↓

▪ダメなお題
「これまでの人生で、大変な想いをした経験を思い出してみましょう」
▪良いお題
「これまでの人生で、大変な想いをしたけれど、そのおかげで良い結果が得られたという体験を思い出しましょう」

このように
辛い記憶や苦い記憶を
健やかな記憶へとアップデートするためには
そこに導くための適切なお題が必要です。

ここが上手く設計されていないと
ただ悪い記憶を呼び起こすだけになりかねません。

また
このお題の設計がちゃんとできているのにも関わらず
それを無視して
ネガティブな着地で終わらせようとする人も
実習者の中ではわりと多くいます。

こういう方は
先ほどの①で挙げたような
客観視力が弱いことため
過去の記憶を主観的に観て色づけしている状態なので
やはりまだ瞑想実習の段階ではないのかもしれません。



一歩一歩

ヨガの学びは長距離走です。
フルマラソンに例えるのなら
瞑想は38キロ地点から行う技法です。

最後の最後
あともう少しでゴールが見える!という段階の技法ではありますが
ゴールテープを切る上では一番重要な技法でもあります。

今回お伝えしたポイントを抑えていれば
簡単にできるものでもありますので
まずは「今日1日を振り返る」といったような
簡単なヴェーダ瞑想から始めるのも良いと思います。

おわり

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