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認知症に関連する書評

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認知症に関する書評をまとめています。
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記事一覧

運動+認知トレーニング+ビタミンDの補給を組み合わせると認知機能は改善するか(論文)

運動+認知トレーニング+ビタミンDの補給を組み合わせると認知機能は改善するか(論文)

要旨

 カナダでの研究です。65~84歳の軽度認知障害を持つ高齢者175人が、運動、認知トレーニング、ビタミンDの補給の効果を調べるために、異なるグループに分けられました。
運動だけ、運動と認知トレーニング、ビタミンDの有無など、様々な組み合わせで治療が行われました。
 結果として、運動を含むグループは、運動しないグループよりも認知機能が改善しました。特に、運動と認知トレーニングを組み合わせたグ

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認知症診断後の空白の期間の支援

認知症診断後の空白の期間の支援

みなさん、こんにちは、てつです。
認知症ケア事例ジャーナルという本をご存じでしょうか?認知症ケア学会を運営しているワールドプランニングが編集している雑誌です。年4回発行されます。
今回は、特集 診断初期における「空白の期間」の支援を読んでみました。

この特集の位置づけ

この特集は、認知症の当事者の藤田和子さんのインタビューから始まって、診断後の支援について主に、地域活動について記載されています

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医学会新聞新年号特集「認知症とともに生きる」を読んで(感想文)

医学会新聞新年号特集「認知症とともに生きる」を読んで(感想文)

特集の紹介

2023年に日本で制定された「共生社会の実現を推進するための認知症基本法」は、認知症の有無にかかわらず全ての人が基本的人権を有することを目指し、共生社会の実現を目指しています。この法律は、認知症に対する新しい政策的規範・価値の定義付けを行い、認知症の人々の参画を重視しています。

認知症になると、一般的には重度の状態を思い浮かべがちですが、実際には、認知症になっても自立した日常生活を

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仕事と介護の両立支援(読書感想文)

仕事と介護の両立支援(読書感想文)

仕事は辞めない!働く×介護 両立の教科書
日経BP (2023/9/15)
https://amzn.asia/d/dMV4dQm

この本の良い点は、介護について人に頼ることを肯定的にとらえている点だ。介護は家族でするものという2000年代までの考え方と一線を画している。介護は家族だけでやるものではないと明言している。

また、介護休暇は、休んで介護するためのものではなく、仕事と介護の両立体制

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認知症のわたしから、10代のあなたへ(本の紹介)

認知症のわたしから、10代のあなたへ(本の紹介)

最近は、認知症の人の体験談も多く出版されています。今回、読んでみたのはさとうみきさんの著書です。さとうみきさんは、43歳で若年性アルツハイマー型認知症と診断されました。

みきさんは、大学病院や電気メーカーで秘書として働いた後、結婚し出産し、専業主婦として生活していました。2018年に認知症を扱ったテレビドラマがきっかけで認知症を疑い、専門医を受診し、診断を受けました。現在は、夫と息子、2匹の犬と

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知っトク介護 弱った親と自分を守る お金とおトクなサービス超入門(読書感想文)

知っトク介護 弱った親と自分を守る お金とおトクなサービス超入門(読書感想文)

みなさん、おはようございます。
だんだん寒くなりましたね。
昨日は地域の会合でしたが、咳をしている方が2名ほどおられ、苦しそうでした。インフルエンザも流行っていますし、乾燥する季節ですのでご自愛ください。

さて本日は、知っトク介護 弱った親と自分を守る お金とおトクなサービス超入門(KADOKAWA)の感想文です。

ズバリ言うと、「仕事と介護の両立支援」の本といえます。本書は、両立するポイント

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