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映画の感想

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観た映画の感想です。不定期更新。
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#映画エッセイ

映画エッセイvol.14

映画エッセイvol.14

クイーンヒストリー 1973-1980クイーンヒストリー2 1980-1991

ボヘミアンラプソディの大ヒットという現象
同じクイーンを扱った作品に「ボヘミアンラプソディ」という作品がある。

言わずと知れた大ヒット作品だ。昨年の11月に上映された本作だが、TOHO日比谷では未だに応援上映のチケットは毎回売り切れているようだ。

ボヘミアンの場合は、物語としての構成が非常に巧妙で、クイーンを知ら

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映画エッセイvol.13

映画エッセイvol.13

ねことじいちゃんあらすじ世界的に知られる動物写真家・岩合光昭が初めて映画監督に挑み、ねこまき原作の同名コミックを落語家の立川志の輔主演で実写映画化したヒューマンドラマ。とある小さな島に住む70歳の大吉は、2年前に妻に先立たれて以来、飼い猫のタマと2人きりで暮らしている。生まれ育ったこの島には幼なじみの巌をはじめ多くの友人や猫がおり、穏やかな日常が流れていた。東京で暮らす息子・剛はひとり暮らしの父を

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映画エッセイvol.12

映画エッセイvol.12

誰がために憲法はあるあらすじ芸人・松元ヒロが舞台で演じ続けている1人語り「憲法くん」をベースに、日本国憲法とは何かを改めて見つめなおすドキュメンタリー。戦後35年目にあたる1980年、初恋の人が疎開先の広島で原爆により亡くなっていたことを知った女優の渡辺美佐子が中心メンバーとなり、ベテラン女優たちと33年にもわたり続けてきた原爆朗読劇が2019年で幕を閉じる。鎮魂の思いを込めて全国各地を回り公演を

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映画エッセイvol.11

映画エッセイvol.11

ROMA ローマ 編 Part2

どこか懐かしくまた、新しい観客に訴えている映像力、この描写は何を示唆しているのだろうという思考にさせてくれるこの映像たちはなんなんだと、そこに強く惹かれた。
映像は全てモノクロ。1970年代を映しているというのに、解像度の高い映像とそこには確かなノスタルジー。セットも当時を再現するために作成したという徹底ぶり。主人公のクレオという女性が彼氏のフェルミンとともに映

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映画エッセイvol.10

映画エッセイvol.10

ROMA ローマ

あらすじ
「ゼロ・グラビティ」のアルフォンソ・キュアロン監督が、政治的混乱に揺れる1970年代メキシコを舞台に、とある中産階級の家庭に訪れる激動の1年を、若い家政婦の視点から描いたNetflixオリジナルのヒューマンドラマ。キュアロン監督が脚本・撮影も手がけ、自身の幼少期の体験を交えながら、心揺さぶる家族の愛の物語を美しいモノクロ映像で紡ぎ出した。70年代初頭のメキシコシティ。

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映画エッセイvol.9

映画エッセイvol.9

マイ・ブックショップ

あらすじ
1959年イギリスのある海岸地方の町。書店が1軒もないこの町でフローレンスは戦争で亡くなった夫との夢だった書店を開業しようとする。しかし、保守的なこの町では女性の開業はまだ一般的ではなく、フローレンスの行動は住民たちに冷ややかに迎えられる。40年以上も自宅に引きこもり、ただ本を読むだけの毎日を過ごしていた老紳士と出会ったフローレンスは、老紳士に支えられ、書店を軌道

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