秋の空時計|毎週ショートショートnote
ようやく暑さが収まってきた10月の始め、気象庁の気象予報士が投稿したSNSの内容に注目が集まった。
「秋の空は、過去の空を映し出している」
この文章と一緒に、気象庁の定点カメラが撮影したという数枚の空の写真がアップされた。
撮影日はそれぞれ
2023年 10月7日
2014年 10月7日
2005年 10月7日
1996年 10月7日
1987年 10月7日
となっている。9年おきのその写真は、まるでコピーしたかのように同じだった。
気象予報士が過去の気象データを見るため、AI機能を使って気象庁の写真データベース内を検索し、偶然発見したと言う。
さらに、2022年11月2日、2021年11月17日の空の写真も、やはり9年間隔で全く同じだった。
偶然なのか、捏造なのか、様々な憶測が飛び交う中、数日後にその気象予報士は「話題作りのための捏造だった」と告白し、気象庁を辞め、行方不明となった。
そして、こんな噂が流れた。
「あの気象予報士は過去へ行った」
と。
(了)
たらはかにさんの企画「毎週ショートショートnote」参加用です。
今週のお題は「秋の空時計」です。
まず、浮かんだアイディアがことごとく他の人と被ってしまったので、「これはもう、まっっったくの別路線でいくしかねぇなぁ」と思い、何となく目に入った天気予報から着想を得ました。
先週のお題は「なるべく動物園」でした。
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